麒麟がくる第11話「将軍の涙」のあらすじの感想。

麒麟がくる第11話「将軍の涙」のあらすじと感想です。

放送:3月29日(日曜夜8時)

視聴率:14.3%

光秀は現代のサラリーマンならとても出張の多い営業課長職ですね。

第11話の尾張出張は何度目?たしか4度目だったと思います。

織田と同盟を結んだのはいいものの、海道一の弓取りと称される今川に織田が攻め込まれる羽目になり、斉藤道三はこのまま同盟を維持すべきかどうか迷っています。

その中で光秀は苦肉の策として、将軍名義で織田と今川の争いをやめてもらうよう手紙を送ってもらう決意をするのですが、光秀が結構自由に動きすぎている気もしますね。

尾張では大事な帰蝶がもしかして人質の定めとして「磔」にされてしまうと光秀はマジに思っていたのでしょうか?

先週は。

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麒麟がくる第11話「将軍の涙」のあらすじと感想。

人質交換により今川方に帰ることのできた竹千代です。

もともと松平家(徳川家)は織田家と今川家の草刈り場で、なおかつ特に強大な今川の圧力に苦しんでいたわけです。

今川方が大嫌いだったというのも当然といえるでしょうね。

ちなみに、駿河に戻った竹千代が、太原雪斎のもとで教えを受けたというエピソードは有名です。

ですが、近年これはフィクションとみる向きが強くなっています。

竹千代の思い。

竹千代からすれば今川方は大嫌いで、一刻も早く三河を松平家のもとに戻したいというのが正直なところでしょう。

『いつ私は三河へ戻れますか』というあたりは、竹千代のいら立ちの象徴といえましょうか。

義元は竹千代の「三河の領主になりたい」という言を聞いて、『肝の座ったやつだ』と一目置いたという説もあります。

ですが、本心は不快だったのが正直なところでしょう。

実際はドラマにあったように、口実をつけて幼い竹千代をなだめ、腹の中で対策を練っていたというのが事実だろうと思います。

義元の言葉。

おそらく義元は、竹千代に三河を返す気など毛頭なかったというのが本音ですよね。

織田のために三河はできる限り取り押さえておきたかった(東のほうは甲相駿三国同盟でとりあえずは大丈夫だったといえるけれど)。

おそらく義元は「織田によって三河が切り崩され、なおかつ父も殺された。きっと織田は憎いであろう」と竹千代に伝えたかったのでしょう。

ただこの時、竹千代は信長と出会って彼に一目置き、なおかつ父は『今川にこびへつらう男で大嫌い』と認識していたようです。

この竹千代の意向を読み違えたことが、のちの桶狭間の戦いにおける家康の反旗、および義元の破滅につながっていくと思うと、感慨新たに感じます。

麒麟がくる第11話「将軍の涙」のあらすじと感想。光秀、尾張へ。

今川が尾張に攻め込みそうというときに、斎藤家はちょうど刈り入れ時で兵を出せない様子。

その中で光秀は帰蝶や信長との会話の中から、将軍名義で和議を結ばせようという考えを思いつきます。

将軍の命令とあれば、将軍家の分家筋で由緒正しい今川には攻め込むことのできない大義名分になるでしょう。

手間暇はかかるでしょうが、光秀の案はいいアイディアといえそうです。彼が自由すぎるけれど。

道三の智恵。

ちょうど斎藤家は刈り入れ時で、兵を一人も尾張に向けることができないようです。

そこで道三は、『尾張が征服されたら次はこの美濃だ。その時も刈り入れ時だからと言って戦えないか?』と言って尾張への援助をせかしますが、だれも答えられない様子。

そこで道三は、『信秀をよく監視し、場合によっては同盟を破棄するように』と言っています。

光秀のように誰かの名義で和議を結ばせるという考えには思い至らなかったようです。

当然といえば当然のことで、光秀は由緒正しい土岐源氏の生まれです。

道三は油売りから経済力だけでのし上がってきた人間であって、由緒正しい家柄の者たちからは軽蔑されていたというのが正直なところでしょう。

そこが斉藤道三という人の限界だとつくづく感じてしまいます。

光秀と平手。

信長の森役だった平手を交渉相手として、光秀は信長とも知り合いということで織田方に派遣されます。

しかしながらこれは光秀にとっては損な役回り極まりなかったでしょうね。

おそらく平手もがっかりしていて、それでさるときに軽蔑の目で光秀を見たのだと思われます。

光秀と信長。

若い時から光秀と信長に親交があったかどうかは史実でも不明ですが、このドラマでは信長は光秀も帰蝶も信用していたようですね。

しかしながら、どこか他人事のような喋り口調に感じるのは私だけでしょうか。

(信長アスペルガー説があるようですが、それならわからなくないですね。)

帰蝶は蝮の娘とは思えない美しさと気丈さ、光秀は自分の好きな鉄砲に詳しいということで、それで2人に好意を寄せているのでしょうが。

とはいえ、『織田と今川に和議を結ぶよう、将軍に直訴すべきだ』とあっさり言ってしまうあたりは、旧来の権威をもろともしない信長らしいといえばいえるのでしょうなあ。

本来なら織田家は守護代の家臣、つまり『また者』でありまして、守護より上の足利将軍はまさに雲上人というべき存在で、うかつに動かせないとあきらめているでしょうに。

足利の家臣に知り合いがいるということで、信長や帰蝶に頼りにされる光秀です。

どうにも軽いお頼みである上にまた京へ向かわなければいけないということで、本当のところは迷惑極まりなかったのではないでしょうか。

麒麟がくる第11話「将軍の涙」のあらすじと感想。光秀、美濃に戻る。

和議のアイディアを頼まれて、光秀は美濃に戻るのですが、道三にはもう金は出さないといわれ、資金繰りに困ってしまうありさまとなりました。

そこで高政に頼んで、頼芸を介して和議のための費用を出してもらうようにするのです。

ですが、実際に光秀がそんな根回しをしていたのかとつい思ってしまいます。

光秀と道三。

すっかり光秀は道三の使い走りになっているような気がしなくもないのですが、道三は光秀がいいアイディアを思いついても金を出さないなど、どこか消極的なようです。

自分には将軍は金を出さない、多分和議は無理だと思っていたからなのではないでしょうか。

光秀と高政。

高政も随分我慢強い人間だなあと思ってしまいますね。逆を言うとそれだけ光秀がまっすぐで、なおかつ利発な人物だと見込んでいるのでしょうけれども。

実際はのちの長良川の戦いで、光秀は高政を裏切って道三についてしまうのですから、非常に切なくも感じています。

光秀と土岐頼芸の交渉の時、『道三が自分を追放して取って代わろうとしている、それでも道三のしりぬぐいをしなければならないのか』といったときには、高政は『その時は自分が道三を討つ』と言っていました。

それを実現させてしまうのですから、運命の不思議といいましょうか。

光秀と藤孝。

細川藤孝が言っていたように、『今の武士は病んでいる』といえばそうなのかもしれません。本来武家の棟梁である足利将軍家に誰も従わないのですから。

もっともそれは、足利将軍家が財政難から軍隊が養えず、年貢を強要する実力がなくなっているからますます衰えるという悪循環から来たものと思います。

光秀の思い。

そんな緊張した場面に信長が入り「帰蝶」と仲宜しくしている姿を光秀はどのように思ったのでしょうか?嫉妬はあったのでしょうか?

そして、帰蝶と信長二人のアイデアに乗ってしまう光秀です。でも京には大事な将軍・義輝はいません。将軍家の力を借りるべき奔走する光秀ですが、将軍は京から追い出されていました。

クライマックスは義輝の言葉「麒麟を、自分はまだ連れてくることができぬ、」でした。この時光秀はやるせなさでいっぱいになっていました。

この三度目の対面が(2度目は声だけでしたが)光秀の心の奥底まで残るのですね。麒麟はやはり将軍家なのです。

光秀と信長は?

若い時の二人がどのように接していたか?11話もフィクションであり演出ですよね。でも信長の器の大きさはこの当時からあったのだと思います。

もし若い時にこの二人がこのように会っていたのなら、そのような史実が発見されたなら歴史の1頁は大きく変わるかも知れません。

麒麟がくるを視聴する度に、光秀と信長の心が少しづつ近づいているように感じます。この当時の姿が本当にあったなら信長はいつまでも自分の部下として光秀と共に戦ったのでしょう。

何故なら光秀は信長には持っていない力を持っています。それは光秀も解らないのですが、予想では本能寺の変が近づく時に下りてくると思います。

光秀と義輝は?

明智光秀の心の中に残る「将軍像」は足利義輝だったのかもしれません。向井理さん演じる足利義輝がその切なさを表現する演技に注目です。

王が仁のある政治を行うときに必ず現れるという聖なる獣「麒麟」について語るシーンです。

足利義輝は、明智光秀と会うのは三度目だと言います。

一度目は京で藤孝と争っている時、光秀の太刀捌きに関心したという。

二度目は光秀の声を聞いたと言います。

将軍が争いを止めろと声をかけて争いがなくなればいいと。

そして三度目は今だと言います。

戦が絶えないことを義輝は嘆きます。

わしの力が足りぬゆえ、世は平らかにならぬと・・・

そして義輝は父・義晴から子供のころに聞かされた好きな話をします。

強い子になれ。声は大きく、よい耳を持ち、よく学べ。さすれば立派な征夷大将軍となろうと語り、さらに

世を平らかにできよう。さすれば、麒麟がくる。この世に麒麟が舞い降りる。

この世に誰も見たことのない麒麟という生き物がいる。穏やかな世を作れる者だけが連れてこられる、不思議な生き物だといいます。

わしは、その麒麟を連れてくることができぬ。無念じゃ。

と涙をこらえるシーンはジーンときましたね。目からうっすらと一粒の涙が・・・

その涙を光秀は見たと思います。この言葉は光秀の心に刺さったと思います。光秀はやはり将軍家が頂点で武士をまとめる世界を夢描いたと思います。

エンディングで光秀が美濃に帰る道中で流す一粒の涙は何を意味するか?この涙が「本能寺の変」まで続くのですね。

まとめ。

尾張の笠寺にて、竹千代と織田信広の人質交換が行われました。竹千代は自ら今川はいつか討つべき敵、その懐に入って敵を見てみたい。と信長に言うのです。

今川の人質になった竹千代です。義元が豪華な膳を用意して歓迎します。が、竹千代は冷ややかにその膳を見つめ、・・・

いつ三河に帰してもらえるか?と義元に問うたのです。義元は、しばしの辛抱じゃと竹千代の機嫌をとります。しかし竹千代は無言で決意を込めて頭を下げるのです。

尾張で信長と帰蝶が策を練っている間、そして光秀が将軍・義輝に合っている間、駿河ではもしかしたら「麒麟がくる」の世を創るであろう竹千代、後の徳川家康が人質として駿河に入ります。

争いのない平和な世界『麒麟がくる』世の中にしたいというのは、本当は誰よりも足利将軍が持っていたものと思われますね。

とはいえ応仁の乱以降、幕府の力がないことは誰の目にも明らかになっていた。

それによるもどかしさが表現されていると思うのですが、その前に戦の生々しさやむなしさを描いていくとよりよかったものと思われます。

とはいえ、光秀が義輝との3度の出会いの中で、剣の実力があったこと、『自分は武家の棟梁』と認めてくれたこと、そして何より由緒正しい土岐源氏の生まれであることが、義輝が光秀を買った一因となると思います。

義輝は志半ばで倒れ、その志は義昭に受け継がれていくと思うのですが、将軍家と光秀がどのように関係を深めるのか気になるところではあります。

このシーンも忘れてはならない歴史の1ページですね。

次週は。

最後までお読みいただきありがとうございます。