大河ドラマ「いだてん」の折り返し地点である25話からは主人公が変わります。
オリンピック招致で活躍する田畑政治が激動の第二次大戦、そして東京オリンピックまでを描きます。
その場面場面で登場するのが「バー・ローズのママ役」の薬師丸ひろ子です。
田畑政治は行きつけの薬師丸ひろ子が演じる『バーローズのママ』に早死にするといわれて、自分の父方が早死にの事実に非常に落ち込むのでした。
ローズのママ薬師丸ひろ子はちょい役なんでしょうか?でもいい味を出していましたよ。
新聞社は朝日新聞ですから昭和の「有楽町」周辺やスバル街には小さなバーが沢山ありサラリーマンの夜は必ず「出勤?」していましたよね。
そのカウンターしかない小さなバーには必ずローズのママがいましたよね。
スナックやバーは今も昔もサラリーマンの愚痴のはけ口として存在しています。
(追記:2020年はそんなサラリーマンのはけ口としてのスナックやバーも閉店に追いやられてしまいますね)
田畑政治が朝日新聞記者当時は上司に連れられてママと運命の出会いを果たすというのがいいですね。
日本橋が明治以降、経済の中心であることを考えれば、日本橋にあった?『バーローズ』は政治家や財界の人間のコミュニケーションの場だったのは確かです。
そのような人間をもてなしていると、バーのママには真っ先に情報が飛び込むのも自明です。
ローズのママは、政財界の情報をもらえる場所であると同時に、田畑政治のこれからの運命を教わる場所にもなっていくのでしょう。
しかしながらいきなりの占いが『政治は30で早死にする(政治は当時28歳)』ではちょっと悲しすぎる気がしなくもないかも。
それでもなんだかんだで政治は30歳はおろか第二次大戦をも生き延び、1964年の東京オリンピックにかこつけ、このママもそれを見届けることになるのです。
ですが、そのなかで早死にすると思い込んでいた政治がこのような快挙を成し遂げて何を思うかがキーとなっていきましょう。
薬師丸ひろ子を語る時「角川春樹」の存在があります。角川は薬師丸の将来性を見抜いた審査員だったのです。
薬師丸が中学1年生の時、角川映画第3弾『野性の証明』の長井頼子役にオーディションで選ばれています。
高倉健との共演で1978年に映画デビューしました。
そして、『野性の証明』が角川映画として初めて邦画年間興行ランキング1位になりました。
「薬師丸ひろ子のデビュー作」です。
「快感!」
次に1981年に相米監督作品に主演した『セーラー服と機関銃』がヒットします。
薬師丸のデビュー曲でもある主題歌「セーラー服と機関銃」も大ヒットしています。
その後も角川から大ヒット作品が生れますが、ある時薬師丸は事務所を退所します。
いよいよ折り返し地点を過ぎ、始まった田畑政治の物語になりますが、その新聞記者の息抜き場所として時代を物語っているのが薬師丸ひろ子が演じるバーローズのママです。
阿部サダヲがどのような田畑政治を演じていくのかが見ものですが、ドラマの政治の空気を読めないハイテンションぷりが、新聞記者としてやっていけるのかどうか不安ですね。
もっとも当時の新聞記者は血の気の多い荒くれものが多かったようです。
『ブン屋(新聞記者)に家は貸すな、嫁をやるな』といわれるほど社会的地位が低かったようです。
そんな新聞記者のたまり場になっているローズ。そしていい味を出している薬師丸ひろ子のいだてんにも注目しましょう。
そして、後半の物語の山場はやはり太平洋戦争と、東京オリンピックといえましょう。
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