「麒麟がくる」のキャスト「たま」を演じる芦田愛菜。

明智光秀の娘で、のちに悲劇のキリシタン烈女として壮絶な最期を遂げることになる「明智たま」、のちの細川ガラシャを芦田愛菜さんが演じます。

今回は光秀が本能寺の変を起こすまでの「たま」が描かれ、おそらく聞かん坊としての描写が色濃いと思うのです。

(従順な女性になったのは洗礼を受けてからからだそうです)

今回のキャスト「たま」を演じるのはドラマ『マルモのおきて』で子役として有名になった芦田愛菜さんです。

細川ガラシャがどんな人物なのか、そして演じる芦田愛菜さんはどんな人なのかをご紹介します。

「麒麟がくる」のキャスト「たま」を演じる芦田愛菜。「たま」とは?

明智光秀の娘として生まれ細川家に嫁いだ「たま」。明智光秀の盟友・細川藤孝の息子、忠興の妻として忠誠をつくします。

最終的には関ケ原の戦いで石田三成の人質にはならないと、自ら壮絶な最期を遂げることになるのが「たま」です。

日本には「判官贔屓(ほうがんびいき)」、つまり源義経のように、世俗的に成功した人ではなく、世俗的にどこか不運な影を持つ人を英雄視する傾向があります。

「たま」もまた、日本史における悲劇のヒロインとして、判官贔屓の対象になっていったのかも知れません。

麒麟がくるのキャスト「たま」は明智光秀の次女

たまは永禄6年(1563年)、光秀が浪人として暮らしていた越前国で、明智光秀と妻・煕子の間に次女あるいは三女として産まれたといわれています。

キリシタンの宣教師が「たま」の性格を評したものや『細川記』に採録されている逸話を見ると、気位が高く激しい性格の持ち主であったといわれています。

麒麟がくるのキャスト「たま」の登場は38話?

38話のイントロで芦田愛菜さんが演じる「たま」が登場しますね。

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このキャスティングは最高です。芦田さんのレベルが一段階アップしますよね。好感度100%です。

「麒麟がくる」のキャスト「たま」を演じる芦田愛菜。たまの嫁ぎ先は?

天正6年(1578年)8月、父の主君・織田信長の発案により細川藤孝の長男・忠興に嫁ぎました。

織田信長の構想で家臣間の婚姻を統制しており、ここに主君の命令による婚姻「主命婚」が生まれたと考えられます。

同年細川家の居城である勝竜寺城に輿入れしたあと、天正7年(1579年)には長女が、天正8年(1580年)には長男(細川忠隆、後の長岡休無)が2人の間に生まれております。

麒麟がくるのキャスト「たま」の嫁ぎ先細川家とは

細川家は源平の合戦で活躍した清和源氏の血を引く足利氏の主流で、非常に由緒正しい家でありました。

足利将軍家の親衛隊である奉公衆を長年務め、足利義輝、足利義昭と使えました。

ですが、足利義昭と織田信長の仲が悪くなると信長につくことになり、その功績で長岡国をもらいます。

明智光秀とは細川藤孝の息子忠興と光秀の娘・たまを結婚させるほど仲が良かったのです。

ですが、本能寺の変が起こると細川藤孝は出家・隠居し、明智光秀に味方しないことを表明します。

明智光秀が山崎の合戦で敗死すると、藤孝・忠興ともにその後は秀吉に仕え、千利休の弟子にもなるのです。

やがて関ケ原の戦いが起きる直前、たまが石田三成の人質になることを嫌って自害した後、細川忠興は大きく憤り、徳川方につくことになります。

この変わり身の早さで織豊時代、関ケ原の戦いと切り抜けた細川氏は、肥後を中心に54万石の大大名となり、明治まで藩を存続させるのです。

90年代に総理大臣にもなった陶芸家・細川護熙氏は藤孝・忠興の子孫にあたります。

麒麟がくるのキャスト「たま」は「たま」から細川ガラシャに

本能寺の変以降、『謀反人の娘』として肩身の狭い思いを続けてきた「たま」です。

ですが、細川家の親戚筋にあたる清原家の清原マリアらの侍女達が「たま」の慰めとなり、「たま」と高山右近を介してキリストの教えを知ることになるのです。

天正12年(1584年)3月、信長の死後に覇権を握った羽柴秀吉の取り成しもあって、忠興はたまを細川家の大坂屋敷に戻し、監視しました。

それまでは出家した舅・藤孝とともに禅宗を信仰していた「たま」でしたが、忠興が高山右近から聞いたカトリックの話をすると、その教えに心を魅かれていきました。

「たま」が洗礼を受けたのは天正15年(1587年)。

その前年に三男の忠利が生まれましたが、病弱であるため「たま」はずっと心配していたそうです。

天正15年(1587年)2月11日(3月19日)、夫の忠興が九州へ出陣すると、「たま」は彼岸であることを利用して、先祖の墓参りと偽って教会に行ったといわれています。

そこでコスメ修道士に様々な質問をしたところ、『これほど明晰な質問をする夫人は見たことがない』といわれています。

その時は洗礼を受けることはなかったのです。

麒麟がくるのキャスト「たま」の洗礼

でも、ガラシャが必死に信仰生活に励んでいたことや、秀吉がバテレン追放令を出したこともあって、同年に洗礼を受け、『ガラシャ(神の恵みの意味)』を名乗ります。

そのことを知った忠興は棄教するよう強制しますが、ガラシャは譲らずついに黙認します。

九州から帰還した忠興は「5人の側室を持つ」と言い出すなど、ガラシャに対して辛く接するようになります。

ガラシャは「夫と別れたい」と宣教師に告白しました。

キリスト教(カトリック)では離婚は認められないこともあり、宣教師は「誘惑に負けてはならない」「困難に立ち向かってこそ、徳は磨かれる」と説き、思いとどまるよう説得しました。

やがて秀吉が死に、関ケ原の戦いが近くなると、忠興は家康に従って上杉景勝の征伐に参戦します。

このすきを狙って石田三成はガラシャを人質に取ろうとしますが、ガラシャはそれを拒絶します。

その翌日、三成が実力行使に出て兵に屋敷を囲ませます。

麒麟がくるのキャスト「たま」の最期

ガラシャは少し祈った後、屋敷内の侍女・婦人を全員集め「わが夫が命じている通り自分だけが死にたい」と言い、彼女たちを外へ出しました。

その後、自殺はキリスト教で禁じられているため、家老の小笠原秀清(少斎)がガラシャを介錯しました。

そして、ガラシャの遺体が残らぬように屋敷に爆薬を仕掛け火を点けて自刃したといわれています。

辞世の句は『散りぬべき 時しりてこそ 世の中の 花も花なれ 人も人なれ』

その壮絶な最期で、石田方は東軍の武将の妻を人質にするのをやめ、神父オルガンティノは細川屋敷の焼け跡を訪れてガラシャの骨を拾い、堺のキリシタン墓地に葬ったといわれています。

「麒麟がくる」のキャスト「たま」を演じる芦田愛菜。

芦田愛菜さんは2010年代に子役として人気を集めた後、女優としてさまざまな最年少記録を達成しています。

2004年6月23日、兵庫県西宮市生まれ。

2007年(平成19年)、芦田が3歳の時に母親からの勧めにより、芸能界に入ります。

麒麟がくるのキャスト「たま」を演じる芦田愛菜の芸歴

  • 2009年(平成21年)、『ABC 家族レッスン ショートムービー2“だいぼーけんまま”』で子役デビュー。
  • 2011年(平成23年)3月、テレビドラマ『さよならぼくたちのようちえん』で日本のドラマ史上最年少初主演を務めます。

同年4月にテレビドラマ『マルモのおきて』で連続ドラマ初主演、ゴールデン帯の連続ドラマ史上最年少での主演となります。

同年5月に『マルモのおきて』で共演した鈴木福君と犬のムックとともに役名ユニット「薫と友樹、たまにムック。」として同ドラマの主題歌『マル・マル・モリ・モリ!』で歌手デビューをしました。

同年12月31日に開催された『第62回NHK紅白歌合戦』にそれまで大橋のぞみ(藤岡藤巻と大橋のぞみ)が持っていた9歳237日の最年少出場記録を更新する7歳193日で出場しております。

  • 2018年(平成30年)、NHK連続テレビ小説『まんぷく』にて史上最年少で朝ドラのナレーションを務めております。

麒麟がくるのキャスト「たま」の芦田愛菜さんの大河ドラマ

芦田愛菜にとって大河ドラマは、2011年放映の『江~姫たちの戦国』で宮沢りえさんが演じた茶々(のちの淀君)の幼少期を演じています。

今回の「たま」にキャスティングしたのは多くの視聴者が芦田愛菜さんに “全国民の娘” というイメージを持っているからだそうです。

芦田さんも「光秀やたま」をすごく研究しているそうです。

というのも、TV出演時に「年間で100冊以上を読む」と公言していますよね。その 「“本好き” が決め手になった」とも言われています。

紹介記事:引用:ヤッフーニュース

芦田さんは、時代小説が好きなお父さんの影響で、司馬遼太郎さんの代表作のひとつ『国盗り物語』を、12歳ごろに読んでしまったそう。

明智光秀は、国盗り物語の主人公のひとりです。「麒麟がくる」の室町時代を、全て芦田さんは熟知しているでしょう。

でも「芦田ガラシャ」を麒麟がくるで放送することはないでしょうね。

「麒麟がくる」のキャスト「たま」を演じる芦田愛菜のまとめ

成人した明智光秀の娘「たま」を、『マルモのおきて』で有名な芦田愛菜さんが演じることになります。

反抗期及び洗礼を受ける前の気性の激しいたまを、芦田愛菜さんがどのように演じるか気になりますね。

最終的には光秀は本能寺の変を起こす決断を下すわけですが、そのときに「たま」やその家族がどのような反応を起こすのかも気になるところです。

家族がうなずく中、「たま」は最後まで明智光秀に抵抗すると思うのですが、果たしてどうなるのでしょうか?

きっと「たま」は明智家の家族の中でも浮いた存在になるのではないかと思われます。