大河ドラマ2017年『おんな城主直虎』で柴咲コウ(キャスト)が演じた主人公・井伊直虎を紹介します。
群雄割拠の戦国時代の中で、 遠江井伊谷の小さな村の支配者として、今川や徳川の圧力の中で、したたかに生き抜いていかなければならなかった国衆・井伊家の井伊直虎とは?
次の当主・井伊直親が殺され、ピンチヒッター的に井伊家の当主となったのが、おんな城主になる井伊直虎でした。
直虎が井伊直盛の娘とするのならば、井伊直虎と井伊直政はともに井伊直平のひ孫にあたる人物で、つまりこの2人は従弟の間柄です。
直政が再び井伊家を勃興し徳川家に召し抱えられるまで、直虎は当主不在の中継ぎとして当主としての仕事をこなしていたと考えられます。
ですが、「井伊家の家系には直虎の名はなく」、フィクションである『井伊家伝記』でしかその名前を確認することはできません。
しかし、「徳政令」を発令した際の記録に『次郎法師』という『女地頭(地頭とは当主の意味)』がいたと確認はされています。
次郎法師が直虎であったのか?別人であるかも知れませんが、いずれにしても正確なことは分かってません。
女性が男性より下とされていた時代においては、女性の名を家系に載せるのはまずいということなのかもしれません。
しかしながら、遠江井伊谷、つまり現代の静岡県浜松市に直虎ゆかりの施設は多いのです。特に浜松を中心に、井伊家の菩提寺、および井伊谷城跡で見ることが出来ます。
浜松が井伊家の支配した場所で、そこには井伊家のゆかりの施設が多く存在しています。
井伊家の菩提寺で、国指定の名勝にもなっている龍潭寺の他、国道257号線沿いにある井伊谷城はその代表です。
井伊家の菩提寺は龍潭寺(りょうたんじ)です。
静岡県浜松市北区引佐町井伊谷1989にあり、藤原北家の血を引く井伊家にとっての平安時代からの菩提寺だったといわれています。
2024年の大河ドラマ「光る君へ」も同じ藤原北家の藤原道長を描いていますね。
昔は龍泰寺と呼ばれ、井伊直親が甲斐に逃亡したのちに直虎が出家した場所でもありました。
ですが、直虎の父・直盛が戦死すると、直盛の法名を取って『龍潭寺』と名乗るようになりました。
庭園は国指定の名勝となっており、織田信長の遺品とされている宋版錦繍万花谷は国の重要文化財に指定されています。
境内の奥の方に井伊家の墓所があり、直盛、おひよ(井伊直親の妻)、直親、直虎、祐椿尼と墓が横一列に並んでおります。
井伊直虎の城であった井伊谷城は、現在は跡地が残るだけです。浜松市の指定跡地にもなっております。
住所は静岡県浜松市北区引佐町井伊谷306。
藤原北家を先祖に持つという井伊家は、南北朝時代まで別の城を拠点としていたのです。ですが、南北朝時代のころに井伊谷城を建て、南朝方についたといわれています。
その後北朝によって南北朝が統一されると、井伊谷城はいったん落城。その後は比較的平穏な日々が続きます。
しかし戦国時代になると、今川義元の父・氏親と北条早雲によって遠江への侵攻が始まります。
小さな井伊谷城の支配者であった井伊家は、1514年に今川方に井伊谷城を乗っ取られ、以降今川の配下になるのです。
そして直盛が1560年に桶狭間の戦いによって戦死し、直虎の婚約者直親も讒言によって討たれると、直政が成人するまで直虎が城主を努めます。
井伊谷城を奪われたり取り戻したりしています。家康によって直政に井伊谷城300石が与えられます。
すると、関ヶ原の戦いで井伊家が佐和山城主彦根藩に任命されるまで、井伊谷城は井伊家の城としての役割を果たすのです。
しかし、いつ廃城となって取り壊されたのかは分かっておりません。
余談ですが、『おんな城主直虎』の放送が決まった後、頂上までの山道が舗装され、井伊谷城跡まで約15分で行くことが出来るようになりました。
幕末大老の井伊直弼は、直政から数えて13代後です。直政の孫の孫の孫にあたります。
井伊直政(徳川四天王)は2023年大河ドラマ「どうする家康」では板垣李光人が演じていましたね。
⇒板垣李光人(キャスト)が「どうする家康」で演じるは井伊直政(虎松)。
となります。
直弼の子・直憲(なおのり)は彦根藩最後の藩主となります。
ですが、桜田門外の変で幕府に厳しい処分をくだされたことを恨み、戊辰戦争で新政府軍につくのです。
直虎及び次郎法師の肖像画は存在しておらず、直虎が本当に実在していたかどうかも不明です。
これから先直虎についてどのような発掘がなされるかどうかわかりませんが、肖像画も見つかるといいですね。
関ケ原における『井伊の赤備え』つまり鎧兜を真っ赤にして戦陣を先駆けたというエピソードは有名です。
これは戦国最強と歌われた武田家にあやかったものとされております。家紋は2種類あり、井戸をあしらった『井桁(いけた)の家紋』。
ミカンの花・橘をデザインした『彦根橘の家紋』があります。どちらも初代・井伊共保(ともやす)の伝説にあやかってものです。
共保が捨て子で、きれいな水の出る井戸のそばに捨てられていたことと、その近くに橘の花が咲いていたことから、『井戸』と『橘』を家紋にしたそうです。
元々井伊谷はきれいな水の産地であったことから、『井伊』という地名になったという説もあります。
1536年?:遠江井伊谷城主(国衆。つまり村の支配者)井伊直盛を父に、祐椿尼を母に生まれます。
1544年:直盛の婿養子になるはずだった直親が讒言によって武田領の信濃に逃亡、直親の父も殺されます。
この時に直親のいいなずけであった直虎も出家。次郎法師(じろうほうし)と名乗ります。
1560年:桶狭間の戦いで父・直盛が戦死します。
1562年:今川の息のかかった小野道好(政次)の讒言によって直親が殺されます。
1565年:当主不在となった井伊家のピンチヒッターとして次郎法師は還俗。仮の名として『直虎』を名乗ります。
1568年:徳政令を出しますが、道好に井伊谷城を奪われ浪人となってしまいます。
1570年:没落しかけた今川に代わり、家康に嘆願したことで実権回復。道好を処刑します。この辺りから、徳川と井伊の関係が親しくなるのです。
1572年:甲斐から武田が侵攻。井伊谷城を奪われて再び浪人になり、家康を頼って浜松城に逃れます。
1573年:武田信玄が病になったことを皮切りに、再び井伊谷城を奪還します。
1575年:養子として育てた井伊直政(虎松)を徳川家に召し抱えさせ、300石をもらえるようにします。
1582年:9月12日死去。36年生まれだとすると享年46歳という計算になります。
大河ドラマで歴代の主演一覧はこちら。
2017年に放送された「おんな城主直虎」の初回視聴率は、16.9%でした。初回としては高くない数字です。
やはり前年の真田丸の初回が19.9%と高い数字でしたので、比較されてしまいますよね。
最高視聴率もこの初回の16.9%を更新することはなく、最低視聴率は11.0%で流石に一桁代はありませんでした。
平均視聴率は12.8%の数字でした。
ここ数年は男性の次は女性と入れ替わっています。2016年は堺雅人さんの「真田丸」でした。女優さんが主役の大河ドラマは、2015年は井上真央さんの「花燃ゆ」。
2013年の綾瀬はるかさん「八重の桜」。2011年の上野樹里さんは「江~」とほら主役が男女で入れ替わっていますよね。
これって大河ドラマの戦略ですかね???
そして、平均視聴率は、井上真央さんの「花燃ゆ」が12.00%。綾瀬はるかさんの「八重の桜」は14.58%。
上野樹里さんの「江~」は17.75%。でした。
女性主役の平均視聴率が断トツだったのは2008年の宮崎あおいさん演じる「篤姫」で24.44%と驚異的な数字でしたね。
ところで、2017年の柴咲こうさんが演じた「おんな城主 直虎」の平均視聴率は、12.80%でした。
柴咲コウさんの直虎イメージは“人を思いやる心”でした。人を思いやる心があったから井伊家は幕末まで残ることができたのですね。
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戦国大名としてはもちろん、歴史の表舞台にも立てず、謎の多かった直虎の一生です。
それでも2017年大河ドラマで描かれたように、当主のいなくなった井伊家にピンチヒッター式に当主として出され、
今川や徳川といった大名に翻弄されつつも、したたかに、しかし根はまっすぐに生き抜いた井伊直虎。
『おんな城主直虎』は高橋一生さんの出世作としてのイメージが強いようです。
柴咲コウさん演じる直虎も、幼馴染であった井伊直親、小野政次という重臣を失いながらも、必死に当主として、家臣と共に生き抜いていこうという姿には感動を覚えます。
私の知り合いにNPO職員である「おんな城主直虎」のウォッチャーがいました。
「カネもヒトも乏しい中でどう生き抜いていくかの姿勢が、似たような境遇である自分には共感できます。」と話しをしていました。
井伊直虎という名前をこの大河ドラマで扱わなければ全く知らなかったと思います。そんな無名に近い存在の武将?それが「おんな城主直虎」です。
そして小野家との確執、今川家からの攻撃を受けてたくましく生きていく直虎の姿に感動しました。
井伊直政は徳川四天王として活躍する武将です。
直政と直虎は従弟であったことや直政が徳川のために働く陰に直虎の存在があったことを改めて知る事になりました。
でもドラマの山はやはり高橋一生さんが演じる小野政次とのシーンでしょう。磔にされている政次を直虎が槍で刺し殺すシーンはとても切なかったですよね。
直虎は幼馴染の政次を殺してまでも井伊家を守りきる演出はやはりこのシーンほかありません。柴咲コウさんがとても好きになりました。
最後までお読みいただきありがとうございます。
大河ドラマ俱楽部の管理人です。
NHK大河ドラマをこよなく愛し毎週楽しみに視聴しています。
ただ視聴するだけでなく「あらすじと感想」を紹介しています。
でもリアルタイムで見ることができない時は見逃し配信で見たり
時々は歴代の大河も視聴しています。
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