大河ドラマ2020年「麒麟がくる」第18話「越前へ」のあらすじ(ネタバレ)と感想をお届けします。
第18話では、戦があっさりと描かれていました。少し残念です。
叔父の明智光安の最期も描かれず、『城の最期を見届ける』というセリフから死を醸し出すというような感じでしたね。
用意した逃げ道からあとを追うと言ったのは偽りだったのですね。
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光秀にとっても、明智家にとっても住み慣れた場所を離れるのはつらかったでしょう。だからこそ、戦への嫌悪感をさらに光秀は増すものと考えられます。
それにしても、戦の混乱の中でよく駒と菊丸は光秀に会えたものと思われました。ずいぶんグッドタイミングというか。
勿論三河の忍でもあると思しき菊丸のおかげで明智一家は脱出できたし、
駒がいたことで伊呂波大夫の身元がすぐ分かるのだから、ストーリーには欠かせない要素なのでしょうが。
光秀と伊呂波大夫は初対面(厳密には道三の本陣で顔を合わせていますが)です。
ですが、駒が伊呂波大夫と知り合いだったこと、帰蝶の命令で光秀たちを助け出そうと来たということで、
光秀は伊呂波大夫を信用するという筋書きはわかりやすいです。
この先大夫と光秀は、駒と帰蝶との付き合いの深さも相まって親しく付き合うようになり、やがて光秀は大夫を介して諸国の状況を知るようになっていくと思われます。
勿論大夫は公家の近衛家の娘?でもありますし、
朝廷や幕府と深くかかわっていくうえでは必要という合理的側面でもまた、光秀は付き合いたいと思うようになるのでしょうが。
光秀が朝倉家にいたこと、そして伊呂波大夫の顔が広く、京の関白や幕府の人間とも知り合っているということが、
後の足利義昭の都落ちと光秀による信長紹介で、光秀が活躍する一因になると考えられるのです。
斉藤家の敗残兵である光秀は、そうやすやすと受け入れられないと思っていたのですが、
驚いたのは室町幕府側近である細川藤孝名義で、『光秀をかくまってほしい』という手紙を義景は用意していたこと。
ちょっと強引な展開のように思えなくもなかったです。
伊呂波大夫自身も、京都の関白の家の娘でもあるから、そのコネで義景は信用したのでしょうが。
朝倉義景は劇中でも『今の暮らしを続けたい』と言っていました。
勿論貴族然としている上、越前は繁栄していますから、そう考えるのもさもありなんというところですが。
「光秀との対面では広間がやたら広くて、光秀がやたら遠くにいるんです。だから、考えられないくらい大声でしゃべらないといけない。監督が『元気よくやってください』と言った言葉の意味が、そこでやっとわかりました(笑)」(ユースケ・サンタマリア)
ともあれ、光秀は後の争いの火種の元になる可能性もありますから、義景が諸大名からの圧力を恐れて光秀を追い出そうというエピソードは描かれていくと思います。
光秀もまた、義景は貴族然としていて、かつての土岐頼芸を思わせる雰囲気の人間に見えたでしょうから、
それほど尊敬する思いは抱かないものと思われます。
それがこれから朝倉の領地で光秀が暮らしていく中で、また、足利義昭が朝倉家を頼って落ち延び、
光秀が信長を紹介する中で、どのように変わっていくのか、変わらないのかが物語のキーポイントと言えましょう。
義景を演じるユースケ・サンタマリアさんも一番気にしているところだけに、本当に大事なところと言えそうです。
麒麟がくる18話「越前へ」で織田信勝は物語から退場しています。信勝を殺害したことが斉藤家および今川家との対立にこれからつながっていくようです。
信勝の謀反を伝えるのが安藤政信演じる柴田勝家なのです。髭もじゃで骨太の武闘派武将のイメージがある柴田勝家だけに、線が細くてびっくりでした。
この時柴田勝家が謀反の報告を信長にするというのも意外でしたね。信勝をどう処分しようかと迷う信長です。
その時に智略家の帰蝶が『それでは会ってみて、信勝の本当の思いを知ってみてはどうか』と進言してきます。
どうもこの物語の帰蝶は、1度父・道三に夫を殺されているためか、非常にしたたかな感じがしますね。
信長が行う行動に帰蝶の影が常に付きまとっているという物語の筋書きは、信長を天才と考えている私にはいただけない気もします。
ですが今回の帰蝶は川口春奈さんが演じているのでそれも良しに見えてしまいます。役者の力を改めて凄い!と思いました。
とはいえ、今回の信長が染谷将太さん曰く『ピュア』であることを考えると、そうなる可能性も無きにしもあらずなのかもしれませんね。
とにかく、病を装って(これは史実通り)、信勝に会うことになる(染谷)信長なのですが、
信勝が持ってきたのが『斉藤家からもらってきた水』であることを知って、信長は信勝に疑いを抱いたのでしょうね。
そこでなぜ、お互いの本音をさらけ出したのか?
お互い『兄弟でありながら殺したいと思うまでに嫉妬・羨望の思いを持つようになった』という思いを打ち明けた後、
信長は信勝に、毒の入った水を「飲め」と鬼気迫る表情で迫っていくのです。飲め。飲むんじゃ。飲め。飲め。飲めぇ! お前が飲めぇ!
この時の信長は怖かったと同時に、策士策に溺れる信勝のあえない最期という、何やらやるせない思いを抱くに至りました。
麒麟がくる18話「越前へ」は光秀が美濃から脱出し越前へ到着するのが主なストリーです。
ですが、やはり着眼点というかこの話のポイントは信長と信勝の場面ですね。実際のところは、
『うつけ者の兄では織田家がダメになる』『あんな長いものにまかれる弟には譲れない』という打算めいた思いもあったのでしょうが。
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