大河ドラマ2022年「鎌倉殿の13人」で、迫田孝也が演じるキャストは源範頼(のりより)です。
少し聞きなれない名前かもしれませんが、源義朝の6男です。
源頼朝の異母弟であり、源義経の兄にあたります。母は、遠江国池田宿(静岡県磐田市)の遊女でした。
兄と弟の活躍で、やや陰りがちになってしまっているものの、範頼自身も大いに活躍した人物なのです。
範頼は、蒲御厨(同浜松市)で誕生したので、蒲冠者(がば〔ま〕のかんじゃ)と呼ばれました。
のちに、京都で高倉季範に育てられたので、その一字を取って「範頼」と名乗ったといわれています。
源平合戦の時には、源頼朝の代理つまり総大将を務め上げました。
源平合戦では、源義経の方ばかりクローズアップされますよね。
でも、実際は大手群(メイン)を任されていたのが範頼で、搦手軍(サブ)を任されていたのが義経だったということからも、範頼の偉大さをうかがうことができます。
鎌倉殿の13人ではどのように描かれるのでしょうか?三谷マジックを期待しましょう。
治承4年(1180)8月、源頼朝が挙兵します。もちろん、範頼も出陣要請に応じたはずです。
しかし、範頼がただちに伊豆国の頼朝のもとに馳せ参じたという記録はないようです。
ところで、範頼の人物像はさまざまのようですが、頼朝から平家追討を任されるぐらい優秀だったと思います。
範頼の退場⇒第24話は「変わらぬ人」
範頼は第23話「狩りと獲物」で頼朝が討たれたとの誤報を信じてしまいます。
比企能員にたきつけられた範頼の行動は兄の疑念を大きくする出来事でした。
三善康信や北条義時は範頼の真意を理解しているですが、疑心暗鬼となった頼朝は弟を信じることはありません。
謀反を疑う兄によって修善寺に流されてしまいますが、それでも範頼は兄を思っている様子でした。
時政に伝えた最後の言葉は「兄のこと、よろしく頼む」でした。24話エンディングで善児によって殺されます。
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⇒大河ドラマ2022「鎌倉殿の13人」のキャスト一覧。残りのキャスト発表。
源範頼を演じる迫田さんの大河ドラマ出演は、2016年の真田丸で矢沢三十郎頼幸役を演じました。
真田丸は、大坂の陣で徳川家康に対抗し、「日本ノ本一の兵」と称された真田信繁を中心とした真田家にまつわる物語です。
頼幸は、真田家の家臣であり、真田信繁が、上杉景勝へ人質にされる時に、一緒に同伴した人物です。
父である頼綱の血を受け継いた優秀な武将であり、その役どころを、彼にしかできない演技で、力強く演じていました。
2018年の西郷どんにて、江藤新平役を演じました。
西郷どんは、薩摩藩の貧しい家庭に生まれた西郷隆盛の生涯を描いたものです。
その中で迫田さんが演じた江藤は、薩摩藩に佐賀藩士であり、「維新の十傑」「佐賀の七賢人」に挙げられる人物です。
明治6年の政変で、新政府のあり方に不満を抱き、西郷とともに下野します。
そして、不平士族の反乱のさきがけとなる「佐賀の乱」の首謀者とったものの大久保が指揮する政府軍に制圧されます。
西郷に鹿児島士族の旗揚げを請うなど、広く名前が知られる人物ではないものの、様々な場面で重要な役どころを担っていました。
理詰めでクールであるようで、自分の意見をしっかり述べ、執念深く物事に取り組むなど、様々な面を持っている江藤の複雑な部分を、見事に演じていました。
迫田孝也さんは、1977年生まれの42歳、様々なドラマや映画で活躍している俳優です。
ザ・マジックアワーで初めて三谷幸喜の目に留まり、それ以降「清須会議」や真田丸などの三谷作品でに出演されています。
そして今回の鎌倉殿の13人にも抜擢されてということで、演技力と存在感は三谷幸喜のお墨付きといえるでしょう。
出演ドラマは実に多数で、相棒、家政婦のミタゾノ、ドラゴン桜と名だたる作品に出演しています。
様々な役を演じ分け、またセリフや登場回数は多くなくても、しっかりと存在感を残している役者さんだと思います。
迫田さんが出演されているドラマの中で一番印象に残っているのが、「天国と地獄~サイコな二人~」です。
このドラマでは、主人公の綾瀬はるか演じる望月彩子と入れ替わってしまう、高橋一生演じる日高陽斗の二卵性の兄、東朔也を演じました。
物語の前半ではほとんどセリフもなく、印象が薄かったはずにもかかわらず、実際にふたを開けてみると陽斗の双子の兄であり、一連の連続猟奇殺人の黒幕であったという非常に重要な役どころを担っていました。
特に、15分早く生まれただけで長男の自分が様々な苦境に立たされていた時、次男の陽斗は不自由の無い生活を送っていたと怒りと嫉妬の入り交じった感情を爆発させるという場面での迫真の演技は非常に印象的でした。
大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で、まだ知る人ぞ知る範頼という存在をこの作品を通じて世の中に知っていただきたいと迫田さんはおっしゃっています。
鎌倉殿の13人で、これまで頼朝と義経に陰りがちだった範頼の魅力を実感しながら作品を楽しみたいと思います。
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