吉田羊といえば、大河ドラマや朝ドラで見せる確かな演技力と、役柄によってまったく違う表情を見せる俳優(女優)です。
大河ドラマ4作品、朝ドラ3作品に出演する一方、民放やWOWOWの作品でも数多くの印象的な役を演じてきました。
ただここでは吉田羊が出演したテレビドラマの名作『コールドケース ~真実の扉~』を紹介します。
吉田羊が出演した刑事役ドラマおすすめの名作『コールドケース ~真実の扉~』。
| 放送日 | 2016年10月22日~12月24日 |
| 放送 | WOWOW |
| 主演 | 吉田羊(役:石川百合、神奈川県警察 捜査一課) |
| 出演 | 永山絢斗(役:高木信次郎、巡査部長) |
| 出演 | 滝藤賢一(役:立川大輔、主任警部補。) |
| 出演 | 光石研(役:主任警部補。) |
| 出演 | 三浦友和(役:本木秀俊、警視課長代理。) |
大河ドラマや朝ドラだけで吉田羊を語るのは、少々もったいないかもしれません。私が特におすすめしたいのは『コールドケース ~真実の扉~』です。
過去に起きた未解決事件を再捜査し、長い年月の中に埋もれてしまった真実を掘り起こしていく作品です。
犯人を突き止めるだけではなく、「なぜ事件は起きたのか」「残された人々は、その後をどう生きてきたのか」まで描いていきます。
吉田羊が主人公の刑事・石川百合を演じた、本格クライムサスペンスです。
『コールドケース ~真実の扉~』は、アメリカで人気を博したドラマ『Cold Case』を日本を舞台にリメイクしたWOWOWオリジナルドラマです。
第1シーズンは2016年に全10話で放送され、その後、第2、第3シーズンへと続きました。
吉田羊が演じる石川百合は、神奈川県警捜査一課の刑事で、この人物が面白いのは、いわゆる熱血刑事とは違うところです。
声を荒らげて犯人を追い詰めるのではなく、関係者の話を聞き、その表情を見つめ、わずかな違和感を拾い上げていきます。
石川百合は「正義感が強いチームのリーダー」で、「直感的な洞察力と観察眼」を持つ刑事です。これは吉田羊という俳優の魅力と非常に相性のいい役です。
吉田羊は、何もしゃべっていない瞬間にも「この人はいま何を考えているのだろう」と思わせる俳優です。
石川百合もまた、感情をすべて言葉にはしません。
- 被害者を見る目。
- 遺族の話を聞く表情。
- 容疑者を見つめる沈黙。
そこから百合の怒りや悲しみ、そして事件を解決したいという強い意志が伝わってきます。そこが、このドラマの大きな魅力。
吉田羊の静かな芝居が、そんな物語に実によく似合います。
『コールドケース ~真実の扉~』|シリーズ1。
放送日:(2016年10月22日 – 12月24日)
| 1話 | 閉ざされた声 Unspoken Words |
| 2話 | 記憶 Memento |
| 3話 | 冤罪 The False Charge |
| 4話 | オリオン Orion |
| 5話 | プール The Pool |
| 6話 | 恋文 The Love Letter |
| 7話 | 同窓会 Class Reunion |
| 8話 | ミレニアム Millennium |
| 9話 | 約束 The Promise |
| 10話 | 黒い森 The Dark Woods |
第1話から『コールドケース』の世界に引き込まれる
第1話「閉ざされた声」で扱われるのは、1996年に19歳の青年・工藤順一が殺害された未解決事件です。
それから時が流れ、石川百合のもとへ「1996年に殺人を見た」と語る女性が現れたことで、止まっていた事件が再び動き始めます。
百合は本木、立川、金子、そして異動してきた高木らとともに再捜査へ乗り出します。
ここで重要なのは、過去と現在を行き来する構成です。
事件当時を描く場面から現在へ戻ると、若かった人物たちは年齢を重ねています。しかし、事件によって受けた傷だけは、何十年経っても消えていません。
これが『コールドケース』の切なさです。
犯人逮捕だけでは終わらないのです。普通の刑事ドラマなら「犯人は誰だ?」が最大の見どころになるでしょう。
ところが『コールドケース ~真実の扉~』を観ていると、次第に別のことが気になってきます。
- 「なぜ、この人は殺されなければならなかったのか」
- 「残された家族は、その後をどう生きたのか」
- 「もっと早く真実が分かっていたら、人生は違っていたのではないか」
未解決事件を追うごとに、その背後にあった人間ドラマが明らかになっていくことをWOWOWも本シリーズの特徴として掲げています。
だからこそ、一話見終わったあとに余韻が残ります。
豪華な捜査チームも見逃せない
石川百合を中心とする捜査一課には、永山絢斗、滝藤賢一、光石研、三浦友和という実力派が集結しています。
それぞれが単なる「主人公の脇役」になっていないところも、この作品の魅力です。
特に百合と高木信次郎の関係、そしてチームをまとめる本木秀俊らとのやり取りを重ねることで、石川百合という人物の内面も少しずつ見えてきます。
事件を解決する刑事でありながら、百合自身にも人生があり、傷があり、過去があるのです。
シリーズを追うほど、「事件」だけではなく「石川百合をもっと知りたい」という気持ちになっていくのです。
- 過去の事件を解決しても、失われた時間は戻ってこない。
- それでも真実を明らかにする意味はあるのか。
その問いに向き合い続ける石川百合を演じるのが吉田羊です。時代の陰に埋もれた“声なき声”を、吉田羊が演じる刑事・石川百合が静かに掘り起こしていく。
犯人を知りたいだけだったはずなのに、いつしか知りたくなるのは、「あの日、彼らに何があったのか」。
吉田羊の眼差しと沈黙が、止まっていた時間を再び動かし、一話観れば、次の未解決事件へ。
気づけば、全シーズンを追いかけている自分がいます。『コールドケース ~真実の扉~』は、“観なかった時間”まで惜しくなる傑作です。
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『コールドケース ~真実の扉~』|シリーズ2。
放送日:(2018年10月13日~12月15日)
| 1話 | 学生運動 |
| 2話 | 名前のない殺人者 One Night |
| 3話 | PKO Honor |
| 4話 | 執行 Death Penalty: Final Appeal |
| 5話 | 指輪 Dog Day Afternoons |
| 6話 | バブル |
| 7話 | 光と影 Willkommen |
| 8話 | 17歳の母 Family |
| 9話 | シベリアの涙 The Hen House |
| 10話 | 真犯人 Stalker |
シーズン2の第1話「学生運動」は、昭和を知る世代と、学生運動をほとんど知らない世代とでは、かなり違った見え方をする一話だと思います。
『コールドケース2』は、日本独自の時代背景を積極的に取り込んだシーズンで、「学生運動、PKO、バブルなど日本ならではの題材」を特徴として挙げています。
シーズン2も、吉田羊演じる石川百合を中心とした神奈川県警捜査一課のチームが、長い間眠っていた未解決事件を再捜査するシリーズ第2弾です。
全10話で、第1話「学生運動」から始まり、「PKO」「バブル」「17歳の母」「シベリアの涙」など、それぞれ異なる時代を背景とした事件が描かれます。
シーズン2で面白いのは、単に「昔の殺人事件」を解決するのではなく、その事件が起きた時代そのものを掘り起こしていくところです。
事件当時には当たり前だった価値観や社会情勢。それから数十年が経ち、当事者たちは老い、社会も変わりました。
それでも事件によって残された傷や秘密だけは消えていえません。その象徴ともいえるエピソードが、第1話「学生運動」です。
『コールドケース ~真実の扉~』は、シーズンを重ねるほど石川百合と捜査チームの魅力が深まっていきます。
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『コールドケース ~真実の扉~』|シリーズ3。
放送日:(2020年12月5日 – 2021年2月13日)
| 1話 | 『鼓動:前編』 Offender [ |
| 2話 | 『鼓動:後編』Offender |
| 3話 | 『女優』 |
| 4話 | 『オルゴール』Sabotage |
| 5話 | 『夜のドライブ』The Road |
| 6話 | 『壁の女たちへ』Justice |
| 7話 | 『思い出の渚』A Perfect Day |
| 8話 | 『汚名』Flashover |
| 9話 | 『故郷』 |
| 10話 | 『母の条件』 |
シリーズは第3シーズンまで続きました。第3シーズンは石川百合を中心とする捜査一課のメンバーが再結集しながら未解決事件を掘り起こしていきます。
全て素晴らしい作品ですが、特に第3話「女優」に注目しました。有村架純から松原智恵子へ、60年の人生がつながる脚本が素晴らしいからです。
物語は、工事現場から白骨遺体が発見されるところから始まります。
身元は、1961年に失踪した新人俳優・野口雅之(泉澤祐希)。
野口が失踪する直前に関係していた人物として浮かび上がるのが、当時すでに銀幕のスターだった女優・貴船美沙です。
1961年の若き美沙を有村架純、そして約60年の歳月を経た現在の美沙を松原智恵子が演じます。
美沙はフランスの映画祭で主演女優賞を受賞した日本を代表する女優という設定で、長い海外生活を経て、60年ぶりに日本映画界へ戻ってきます。
そこで石川百合たちの捜査によって、封印されていた1961年の真実が少しずつ明らかになっていくのです。
有村架純が「昭和の銀幕スター」になっています。
このエピソードが最大の見どころでしょう。現在の有村架純を知っている私たちが、1961年の映画女優・有村架純を見るだけでも非常に面白い。
有村自身、当時の女優としての「説得力」をどう出すかを考え、若き美沙の少女と女性の間にある雰囲気を残しながら、姿勢や笑い方などを意識して演じたと語っています。
さらに1961年の場面は、シリーズ史上初となる35ミリの白黒フィルムで撮影されました。そのため、単に現代の映像をモノクロ加工したようには見えません。
画面に登場する有村架純が、本当に昭和30年代の日本映画から抜け出してきた女優のように見えるのです。
この映像表現まで含めて、「女優」というタイトルが生きています。
そして私がこの配役で特に素晴らしいと思うのは、60年後の貴船美沙を松原智恵子が演じていることです。
松原智恵子自身、1960年代から日本映画界で活躍してきた俳優です。
つまり架空の銀幕スター・貴船美沙が歩んできた約60年間と、松原智恵子自身が日本映画界で積み重ねてきた時間が重なって見えるのです。
しかも松原は、この作品について、長い女優人生の中でも「女優の役」を演じるのは初めてだったとコメントしています。
自身が女優を始めた頃を思い返しながら、美沙に共感して演じたと語っています。ここが何とも贅沢です。
有村架純が演じる「これから大女優になる女性」と、松原智恵子が演じる「大女優として60年を生きてきた女性」。
二人が直接同じ画面で芝居をしなくても、一人の女性の人生がつながって見えてきます。
そして、彼女のマネージャーを演じる俳優若林豪と岩田剛典というも見逃せません。1961年の城本を岩田剛典、現在の城本を若林豪が演じます。
若き城本は美沙を陰ながら支える宣伝マン。そして60年後には、彼女を献身的に支えるマネージャーとなっています。
- 有村架純→松原智恵子。
- 岩田剛典→若林豪。
若い俳優と、日本の映画・テレビ界を長く支えてきたベテラン俳優を組み合わせることで、60年という時間そのものをキャスティングで表現しているわけです。
これは『コールドケース』だからこそ成立する見事な配役だと思います。事件を追っていたはずが、いつの間にか芸能で生きる「人生」を見ているのです。
もちろん中心には殺人事件があります。
- 「野口雅之はなぜ殺されたのか」
- 「貴船美沙は事件に関係しているのか」
- 「なぜ彼女は長く海外で暮らしていたのか」
吉田羊演じる石川百合が一つずつ過去の扉を開けていきます。しかし真相に近づくほど、私の関心は「犯人は誰?」だけではなくなってきます。
60年前、彼らは誰を愛し、何を守ろうとし、そして何を諦めなければならなかったのか。
サスペンスの奥から切ない人間ドラマ、そして純愛が姿を現してきます。岩田剛典も、この回について、真実が明らかになるにつれて切ない純愛が見えてくる物語だと語っています。
ここに『コールドケース ~真実の扉~』の真骨頂があります。
そして忘れてはいけないのが、主演・吉田羊です。
第3話は有村架純や松原智恵子の存在感が非常に強い回ですが、二つの時代をつないでいるのは石川百合です。
百合は美沙を声高に追及するのではなく、老いた彼女の言葉と表情を静かに見つめます。
60年間抱えてきた秘密を無理やり暴くのではなく、「あなたが本当に話さなければならないことは何なのか」と問いかけるような吉田羊の視線に注目です。
このシリーズで制作側が重視したのも、説明的な台詞ではなく「間」や「視線」の芝居でした。
プロデューサーは、吉田羊演じる百合が何も言わなくても傷ついていることが伝わる映像を目指したと説明しています。
だから『コールドケース』では、吉田羊の「語らない演技」が非常に映えるのです。
第3話「女優」は一本の映画を観たような満足感があります。
全話見応えのあるシリーズですが、俳優好きの方に第3話「女優」をおすすめしたい理由は明確です。
有村架純と松原智恵子が一人の女優の60年間を演じ、岩田剛典と若林豪がその人生に寄り添う。そして吉田羊が60年間閉ざされていた真実の扉を開いていく。
さらに35ミリ白黒フィルムによる1961年の映像。これだけの俳優と映像表現を、一話のドラマで味わえるのです。
『コールドケース ~真実の扉~』をまだ観ていない方には、「まず第3話『女優』だけでも観てほしい」と言いたくなるほど完成度の高いエピソードです。
そしてこの一話を観れば、おそらく石川百合が挑むほかの未解決事件も、続けて観たくなると思います。
『コールドケース ~真実の扉~』は、シーズンを重ねるほど石川百合と捜査チームの魅力が深まっていきます。
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シリーズ3には、有村架純と松原智恵子が一人の女性の人生を演じる名作、第3話「女優」が待っています。
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吉田羊が出演した刑事役ドラマおすすめの名作『コールドケース ~真実の扉~』のまとめ。
吉田羊の代表作としておすすめした『コールドケース ~真実の扉~』最大の理由は、吉田羊の“静かな演技”をじっくり味わえる作品だからです。
犯人を追及する強さだけではありません。
被害者への優しさ。真実を知ったときの怒り。何十年間も苦しんできた遺族を前にしたときの複雑な表情。
石川百合は多くを語らなくても、その目が語ります。
大河ドラマや朝ドラで吉田羊を好きになった方にこそ、次に観てほしい。「俳優・吉田羊の凄さ」を再発見できる一本が『コールドケース ~真実の扉~』です。
大河ドラマ倶楽部管理人の31chanです。
長年販促活動と局の下請けで番組制作に従事。現場で培った視点を活かし、今も大河ドラマとキャストを深く追い続けるシニア大河ファン。
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