青天を衝け第12話「栄一の旅立ち」のあらすじと感想。

青天を衝け第12話「栄一と旅立ち」の放送が終わりました。そのあらすじと感想です。

栄一と喜作は惇忠が考えた「横濱焼き討ち計画」などの準備のため江戸で武器を買い集めていました。

しかし、この行動が幕府の役人から怪しまれ、追われることになります。

その二人を危機一髪で救ったのは、一橋慶喜の家臣・円四朗でした。

さて、今週の家康さんはエンディングで登場しましたね。毎週出番の箇所が違いますね。SNS上では今週は出番がなかったの?

など家康さんの話題がとても多いです。

放送日:5月2日
視聴率:13.4%

先週は⇒青天を衝け第11話「横濱焼き討ち計画」のあらすじと感想。

それから、今週の週タイトルは栄一の文字が戻りましたね。

先週の週タイトルにはなぜ栄一が入っていなかったでしょうかね?

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青天を衝け第12話「栄一と旅立ち」のあらすじと感想。江戸の栄一と喜作。

草莽の志士としての最初の攘夷計画は、幕吏が支配する高崎城を乗っ取り大気炎を上げた後、横浜の異人街へ向かい焼き討ちをした挙句、そこにいる異人を皆殺しにするというものでした。

そのために大量の槍刀を買った栄一と喜作ですが、幕府の役人に怪しまれ、追われてしまう羽目に。

確かに桜田門外の変、坂下門外の変と、幕府の要人を狙ったテロが相次いでいる中で、栄一や喜作のやり方は怪しまれて当然といえましょう。

よく逃げ延びたものだと思われます。

栄一と円四郎の出会い。

役人から追われる栄一と喜作をかくまったのは、一橋慶喜の小姓の円四郎でした。

円四郎は百姓の身分でありながら、世の中を変えようとする栄一と喜作に一目置いたのでしょう。

同時に円四郎が気にしたのは、農村地主であった渋沢家の経済力だったとも思います。

この時代、金銀が海外に流出しないように、幕府が貨幣価値を著しく下げたため、物価高で庶民の生活は立ち行かなくなっていました。

ただでさえそれまでも物価に御禄が釣り合わなくなった武士ですから、困窮する人間が後を絶たなかったことは想像に難くありません。

(ほとんどの武士は屋敷に畑を作ったり、離れを作って店子を入れたり、内職をしたりしていたのですが、ひどいものになると、武士の身分を売って金に換えたりするものまで出てくるありさまでした)

円四郎は栄一の志に一目置いたのと同時に、武器を大量に購入できる経済力にも注目したと思うのです。

ちなみに円四郎にはこの時『本来攘夷派である慶喜を公武合体派にするようそそのかしている小姓である』といううわさがこの時から広まっているようなのです。

これがのちの円四郎暗殺につながっていくのでしょうかね。

栄一と喜作は京に。

さすがに聡明といわれる一橋慶喜に使えることは恐れ多くてできず、当初の計画を実行しようとする栄一と喜作。

しかしお尋ね者として京に逃げ隠れしていた長七郎から、計画を止めるよう涙ながらに懇願されます。

これはおそらく、血洗島や江戸という狭い世界しか見なかった者たちと、京で様々な情報を得てきたものとの差でしょうか。

おそらく長七郎は京で

「薩摩がイギリスに負けて攘夷を中止し、公武合体に鞍替えしたこと、攘夷派の長州や公家が朝廷中枢から追放されたこと(八月十八日の政変)」

を聞いたのだと思います。

かつては幕吏・安藤信正を討ち、自らも武士として死のうと考えた長七郎ですが、京に潜伏していく中で、時勢を正確にとらえる客観性を身に着けたのだと思います。

この成長にはビックリでしたね。

結局計画は中止となり、何もできないまま故郷に帰る栄一ですが、その時癒しになったのは、娘だったと思うのですね。

そのかわいさと、渋沢家から勘当された自分を温かく迎え入れてくれる千代を見て、栄一は「どんなことがあっても生き残る」と決意をしたものだと思われます。

そして同時に栄一は、長七郎がそれだけの情報を得ることが出来た京に興味を持ち、そこへ行きたいと望むようになったものと思われるのですね。

慶喜も京に。

幼い家茂の将軍後見職として、京に向かうことになった一橋慶喜

とはいえ今の日本の軍事力では、攘夷が不可能であることを慶喜は理解していたものと思われます。

しかしながら、ほとんどの草莽の志士たちは、『尊王攘夷』をスローガンに外国人を追い払うべきと考えており、京では反対派が『天誅』の名のもとに次々と殺される事件も起きています。

慶喜が京に向かったのは、天皇と綿密にコミュニケーションを取ろうという意図のほかに、天誅が横行して治安が極端に悪化していた京を復興させようという意図もあったと思うのです。

尊王攘夷派が力をつけるにつれ、天皇の意向を無視できなくなった幕府は、政治の舞台を江戸から京へ移すことになるのです。

そこで薩摩藩をはじめとする雄藩と意見が合わず、そこから討幕への導火線に火が付くのですが、そのプロセスがどうなるのか、楽しみでもあります。

美賀君と徳信院。

慶喜の信頼は、美賀君より徳信院へのほうが強かったというのは史実だったのでしょうね。

ただこの時、慶喜美賀君の間にできた子が早死にしているということが描かれてなかったのは残念でした。

美賀君も徳信院も、家を守るための当主の子を産めなかったという点では共通していますが、嫁と姑の関係でも、だからこそ通じ合えるものがあったのだと思います。

こののち美賀君と徳信院は、力を合わせて一橋家と、やがて徳川15代将軍になる慶喜を守ることになると思うのですが、それがどう描かれるのか楽しみです。

青天を衝け第12話「栄一と旅立ち」のあらすじと感想。血洗島の栄一と喜作。

世の中が変わろうとしているときに、『自分はこれでいいのか』と草莽の志士を志す栄一と喜作には、若いころの私にも通じるものがありますね。

しかし、残念ながら栄一も喜作も、計画の首謀者である尾高惇忠も関東のことしか見ておらず、京においては政局が急転していることに気づきませんでした。

そのことが、長七郎の言葉に心を動かされる一因になったのだと思われます。

長七郎の訴え。

かつては、「幕吏・安藤信正を討ち、自分もその場で腹を切って死ぬ」という単純なテロ行為しか考えつかなかった長七郎です。

ですが、栄一たちの横浜焼き討ち計画を必死に止めようとしている姿を見て、人間変われば変わるもんだと思いましたね。

それはおそらく、お尋ね者として用心深く潜伏しなければならなくなったこと、

京で政局の急激な変化についてみたこと、長州や薩摩が外国に戦争を仕掛けて敗れたことを知ったからだと思います。

信正を討とうとした時、惇忠たちが必死に引き留めてくれたように、今度は長七郎自身が、栄一たちが無駄死にしないようにしたかったのだと思いますね。

その中で栄一も喜作も長七郎も惇忠も、それぞれの生き場所と死に場所を見つけていくものと思われるのですが、どのようにそれぞれ見つけていくのでしょうか。

長七郎は「こんな子ども騙しの愚かな謀はやめるべきだ」と主張します。

そして、「お前たちの尊い命を犬死にで終わらせたくねぇんだ。なぜそれが分からねぇ」と涙ながらに訴えるのです。

栄一たちは焼き討ちの取り止めを決定し、栄一は長七郎の訴えを聞いて、自分は間違っていたのだと実感するのです。

栄一と娘。

今週は涙、涙になってしまうシーンが多いのですが、極めつけは栄一と娘のうたを抱くシーンです。

栄一は、うたを市太郎の時のように失うのが怖かったといいます。

そして、自分は臆病者だと反省もします。そっと手を差し伸べる千代。

栄一は「かわいいな、うた。お前なんてかわいいんだ。許してくれ、うた」と涙を流しながら初めてうたを抱きます。

ここがピークですね。ほんと子どもを抱くシーンにこちらも号泣でした。

「うたを抱いたからには、自ら死ぬなんて二度と言わねぇ。どんなに間違えても、みっともなくても、生きてみせる」と誓うのでした。

喜作とよし。

男勝りのよしで、喜作にはぴったりな妻だと思うのですが、それでも夫と別れるのは何よりつらいようです。

それでも喜作の志を見守ってやりたいという思いがあったのだと思います。

こののちのよしは、千代の姉御分として良き相談相手になるのですが、志を持って旅だった夫を見送った2人には、性格が違っていても通じ合えるものがあったものと思われます。

まとめ。

栄一が青春時代を過ごした血洗島の物語は終わり、栄一は草莽の志士として京に向かいます。

そこから破壊活動を含む攘夷志士としての活動の後、慶喜に召し抱えられるわけですが、そのプロセスがどのようなものなのか、まだ読めません。

一方の慶喜も、攘夷を唱える天皇と綿密にコミュニケーションをとるために京へ向かうのです。

ですが、この2人がどのようにして出会うのか、そしてどのように栄一が慶喜に使えることになるのか、ドラマの行方が試されます。

次週は⇒青天を衝け第13話「栄一、京の都へ」のあらすじと感想。