大河ドラマ2021年「青天を衝け」第18話「一橋の懐」のあらすじ(ネタバレ)と感想をお届けします。
徳川慶喜は、もともとの出身であった水戸藩の起こした天狗党に対し、討伐の兵をあげることを決意します。
成一郎が見た天狗党は、進軍の疲れと飢えと寒さに苦しんでおり、もはや攘夷や決起どころではありませんでした。
やがて天狗党は慶喜からも幕府からも見放され処刑されていくのを見て、成一郎は攘夷をあきらめ一橋を守る決意を固めるのです。
それに対し、篤太夫は天狗党の教訓から、理念的な理想と経済的な現実の両輪を持つことが大事であることを悟り、兵とそれだけの経済力を蓄えることの大事さを知っていくのです。
さて、18話でも家康さんは登場しましたね。
先週⇒青天を衝け第17話「篤太夫、涙の帰京」のあらすじと感想。
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『京を守るのが自分の勤め、武装した天狗党は京に入れるわけにはいかない』と、故郷の水戸で決起した天狗党を切り捨てる決意を固めた慶喜。
もっともこれは、過激な水戸藩士によって、慶喜の片腕であった平岡円四郎が暗殺されているのですから、慶喜も攘夷志士に対し愛想をつかしていた可能性が高かったでしょう。
すでに天狗党は、決起と京への移動のために、数々の強盗と略奪を行っていますから、はたからすればテロリストと判断されても仕方なかったと思われます。
今回天狗党の処断を苛烈に行った田沼意尊は、その現場を見たともいわれますから、その恨みと将来の危惧から天狗党を厳罰に処したといっても言い過ぎではないでしょう。
禁門の変の後、政治の主導権を自ら取り戻した幕府ですが、ひそかに坂本龍馬によって薩長同盟が締結されているとは知る由もありませんでした。
その一方で、経済力を取り戻すため、小栗忠順を中心とする勘定方によって、フランスの軍事力と技術を取り入れつつ、幕府の経済力を向上していくという方針が固まっていきます。
しかしながら小栗は志半ばで大政奉還という形となり、戊辰戦争でも主戦論者として中枢からはじかれてしまいます。
最終的には新政府軍によって大した取り調べもなく打ち首になってしまうのですから、彼も悲劇の人間というべきなのでしょうね。
幕末の幕閣は、由緒正しい家柄の中では人材がいなかったといわれており、由緒正しい家柄ではなく、肉親が幕臣の身分を金で買った『金上侍』が動かしたといわれています。(勝海舟、榎本武揚など)
しかしながら今回は幕府方の渋沢栄一が主人公とはいえ、由緒正しい家柄であった平岡円四郎だけではなく、小栗も注目されるようです。
今まで無能とされてきた、『由緒正しい家の幕閣』が、このドラマにおいて再評価されるのならば面白いかもしれません。
篤太夫はかつて、藤田東湖の息子である小四郎に対して「父を超える大義をやってみたいと思わないのか」とたきつけた人間でしたから、非常に複雑な思いを抱いてたでしょうね。
ある意味では、自分が小四郎をこのような行動を起こさせたと思い、自責の念も強かったと思われます。
その中で、天狗党の失敗から学ぶということが、せめてもの自身の償いだと思ったのでしょうね。
成一郎は耕雲斎に慶喜の密書を届けますが、そこで目の当たりにしたのは、進軍の疲れと飢えと寒さで苦しむ水戸藩士たちでした。
もちろん、決起の理想に対して経済力が整っていませんでしたから、その美名に反して商家に略奪を行ったりしたわけですが・・・
天狗党の統率もできない耕雲斎と小四郎に対して、これが単純な攘夷のなれの果てだということを、成一郎は理解していったのだと思います。
『わしはもう攘夷などどうでもいい、この先は一橋家を守るために動く』と決意した成一郎ですが、はたからすれば当初の理想を失ったともとれるかもしれません。
しかしこれは、悲惨な現場を見た成一郎だからこそいえる言葉だと思えるのです。
篤太夫の初陣はなく、かつての仲間と刃を交えることこそなかったのですが、知り合いを多く失ってしまい、篤太夫にとっては痛手だったでしょうね。
しかしその中で篤太夫は、『理想だけではどうにもならず、それを実現させるためにはそれだけの経済力と軍事力を持つことが必要なんだ』
ということを学び、備中で兵を集めようと努力をします。
それは小十人並という『将軍親衛隊・小十人』に匹敵する出世をしたからこそできる芸当でしょう。
その中で備中の人たちとも触れ合い、その熱心さに皆が惹かれていく中で、篤太夫は一橋家を栄えさせるための地域の特産品について知ることになるのです。
このことが、後の明治日本を経済面から発展させる栄一の原動力になっていくのでしょうね。
一橋家に兵を集めさせるために、自ら寺子屋に出向いて必死に学び、および現地の人と触れ合う篤太夫を見て、私の社会人として欠けていた部分、
『人を引き付けるために、相手と同じ目線に行き、相手を引き付けるよう汗かくこと』を思い出させてくれました。
私は自分のことに夢中な半面、他人のことには無関心なところがあるので、少しでも直さねばと思いましたね。
家茂が天璋院(篤姫)に伝えたことは、耳打ちであったのではっきりとはわかりません。
19話で家茂は脚気(かっけ)に倒れるので、きっと自分はもう長くないとして、『後継ぎは慶喜で頼む』といったのかもしれません。
家茂亡き後、慶喜は大奥改革に乗り出し、天璋院や和宮の反発を招きますので、天璋院にとってはこれは不本意なことだったのかもしれません。
19話で家茂は脚気に倒れ、そのまま亡くなっていくので、これが家茂と和宮の最後の別れということとしてドラマで描いたと思われるのです。
今回の和宮は影が薄いので、描いていいのかどうかという気もしましたね。
もっとも慣れない将軍職を必死に勤める家茂が、唯一癒される存在が和宮だったのかもしれませんが・・・。
史実でも政略結婚とはいえ、家茂と和宮の仲は良かったとされていますから、これは史実通りだったといえましょう。
青天を衝けのあらすじ(ネタバレ)感想のまとめ一覧はこちら。
→2021年大河ドラマ「青天を衝(つ)け」のあらすじ(ネタバレ)と感想のまとめ一覧。
武田耕雲斎、および藤田小四郎ら天狗党は、慶喜からも幕府からも見捨てられ、最終的には罪人として打ち首ということになりました。
耕雲斎自身も言っていたように「我らが一橋様を追い詰めてしまった」のは確かで、それが故の結末でしょうか。
こうして外国人をやみくもに打ち払うという小攘夷論は完全に消滅していったのですが、失ったものは多すぎる気がしますね。
もちろんこの中で、
『幕府も諸藩もない、日本として一つにまとまり、西洋の技術と軍事力を吸収するだけ吸収し、諸外国と対等になったところで攘夷に打って出る』
という『大攘夷論』が芽吹いてくるのですが、その中で、幕府消滅と戊辰戦争という劇薬が待ち構えているのです。
それをどう描くのでしょうかね。
武蔵の豪農の生まれのためか、非常に商売においては才覚のあった篤太夫ですが、一橋の兵と経済力を集めることになり、ようやく本領発揮という感じですかね。
しかしながら次回は幕府が第二次長州征伐に敗北し、さらに将軍家茂も倒れるため、ここから幕府の力は一気に弱まることになります。
その中で篤太夫は一橋家の台所として、どのように一橋家の懐を潤し、どこまで力を発揮することになるのでしょうか?
そして、薩摩はどのように幕府に背いていくのか?
次週は⇒青天を衝け第19話「勘定組頭 渋沢篤太夫」のあらすじと感想。
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