大河ドラマ2021年「青天を衝け」第28話「篤太夫と八百万(よろず)の神」のあらすじ(ネタバレ)と感想をお届けします。
慶喜のいる駿府で銀行と証券会社を兼ねた商工会議所を作り、産業を発達させようとした篤太夫です。
そこに篤太夫のフランスでの実績をうわさに聞きつけた明治政府が篤太夫を呼び、明治政府で仕官しないかと勧誘をします。
当初篤太夫は断るために大隈重信と会うのですが、逆に説得されてしまいます。そして慶喜から最後の命を受けることになります。
一方、函館で官軍と戦ってお縄となった成一郎は生存していました。彼を助けるためにも東京行きを決断します。
篤太夫の名を捨て、再び栄一と名のなった彼が明治政府でどのような活躍をするのか?それは次週からですね。
それでは第28話「篤太夫と八百万の神」です。
先週は⇒青天を衝け第27話「篤太夫、駿府で励む」視聴後の感想。太政官札とは?
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駿府で商工会議所を作り、様々なコンパニーを作って駿府の産業・経済を発展させようとする篤太夫ですが、そこに意外な面々からの勧誘が届きます。
それはかつて、天皇を神輿に担ぎ幕府を倒した、薩長土肥からの、仕官をしないかという手紙でした。
もちろんもともと一橋家家臣、そして幕臣であった篤太夫は、大嫌いな明治新政府には死んでも使えるものかと思っており、当初は断るために上京します。
しかしながら当初攘夷志士として、横浜異人館焼き討ち(未遂に終わりましたが)などを考えていた篤太夫。
同じ異人館焼き討ちを行った伊藤博文に非常に興味を持たれるなどして、少しずつ明治新政府の新しい国造りに協力したいと思うようになるのです。
ちなみに大隈重信と出会ったとき、幕臣の意地を見せて当初は仕官を断ろうとするのです。しかし…
幕末の水戸学や古来の神学に影響を受けた大隈重信は、全国津々浦々から実力ある者たちを集めようとしていることを篤太夫に力説します。
『八百万の神を集めている』になぞらえ、篤太夫もまた八百万の神として、日本のために尽くさせると言い出してきたのです。
もちろんかつて水戸学と攘夷志士としての活動をしてきた栄一は、この大隈重信の言を真に受けて『おかしれえ』と言わんばかりに胸がグルグルしてきます。
この辺りは流されやすい篤太夫らしいといえばらしいのですが・・・
『死を背負って国のために尽くすのではなく、生きて国のために尽くす』篤太夫ならではと言えるのかもしれません。
(ちなみにこの後、国家神道による祭政一致を掲げる明治政府によって神仏分離令が出され、仏教勢力は抑えられていくのであります。
この時従来の仏教に反発していた人々によって、廃仏毀釈運動など荒っぽい破壊活動も起こるのです)
そのことや、旧幕臣として戦っていた成一郎がとらえられ、あわや死罪になるかもという重い問題もぶつかります。
そういえば攘夷志士として破壊活動をしていて進退窮まり、その場で切腹するかという瀬戸際に立たされた時も篤太夫は
「気位ばかり高くて少しも人の役に立たないまま死ぬより、生きて何かに尽くしたほうが自分の至誠を示せるし、獄につながれている尾高長七郎を助けるにもいい」
と言っていましたね。それと同様の考えなのでしょうか。
篤太夫の迷いと思いは聡明な慶喜によって見抜かれてしまい、慶喜は篤太夫の背中を押すように
『これからは駿府ではなく、日本のために尽くせ』と激励をします。慶喜最後の命ですね。
⇒2021年大河ドラマ「青天を衝け」でキャストの草薙剛が演じた徳川慶喜とは。
そして篤太夫も覚悟を決めたかのように、一橋家家臣時代の名であった篤太夫の名を捨て、再び栄一を名乗るようになります。
杉浦愛蔵とも別れを告げた渋沢栄一は、さっそく家族とともに東京へ行き、明治政府に仕官することになるのです。
しかし、この時勤める場所を間違えて、参議の大久保や公家の岩倉、三条の前で堂々と明治政府を罵倒し、自らの持論を述べる姿には笑いましたね。
もちろんこの失態をもろともせず、やがて栄一は大隈重信や伊藤博文と共に経済振興に力を入れていくと思うのですが、ここで保守派としての大久保利通が立ちはだかることになると思います。
肥前藩出身の大隈重信と、長州藩出身の伊藤博文は、この時新政府の参与として、産業振興に熱心になっていました。
後に新橋―横浜間に蒸気機関車を敷くなど、経済面で様々な活躍をすることになる2人です。
ですが、この時は人望のあった薩摩藩の五代才助や西郷吉之助の去った明治政府をまとめ上げ、新しき国づくりをするのに一苦労な状態でした。
参議となった大久保利通や、政治的駆け引きにたけた公家の岩倉具視、三条実美だけでも不可能な状態だったのです。
しかも戊辰戦争以来、多額の借金を賄うために太政官札を発行して財政を苦し紛れに補う、五カ条の御誓文を出しても人々にはキリスト教禁止令など、
江戸幕府と変わらない政策を行うなど非常に苦しい出発地点だったと言えましょう。
だからこそ、フランスで巨万の富を蓄えることに成功した篤太夫が目に留まったのかもしれません。
尊王攘夷の先駆けとなった水戸藩が、天狗党の乱をはじめとする内部抗争でことごとく人材を失ったのに対し、天皇を神輿に担いで実際に政治を動かしていったのは薩長土肥の西国の下級武士たちでした。
しかしながら制度や経済を動かすだけの力はまだなく、そこで農村地主で経済力もその制度も知っている前島密(越後の豪農の生まれ)や篤太夫(武蔵の豪農の生まれ)が目に留まったのかもしれません。
⇒2021年大河ドラマ「青天を衝け」でキャストの吉沢亮が演じる「渋沢栄一」とは。
以後、前島や篤太夫といった元農村地主の旧幕臣たちは、明治政府において経済の面で新日本を発展させていくことになるのです。
篤太夫の主君として、栄一に『ここからは自分ではなく、日本のために仕えよ』といった慶喜は、
『これからは幕府も薩摩もなく、それらがまとまって「日本国」となるべきなのだが、そこには自分の居場所はない』
と悟っていたのでしょう。旧来の儒教思想を強く受け継いでいた美賀君は、『政治に関心を持たず、夫に尽くし子を残すのが自分の幸せであり美徳』
と考えていたと思うのです。
しかし、長らく京にいてコミュニケーションもろくに取らなかった慶喜との暮らしは、ドラマの通り違和感があったものと思われます。
それまで政治活動のためにほとんど京にいて、江戸にいる美賀君とはほとんどコミュニケーションもとっていないと思われるのですが、(2人の間に子もいませんでしたし)
大政奉還、そして戊辰戦争による旧幕府勢力の一掃によって、慶喜は政治に嫌気がさしていたのかもしれません。
なによりも、妻や地元の人々と触れ合いながら過ごすことが一番の幸せと。
美賀君は慶喜より先立ちますが、写真や狩りなどの趣味に没頭し悠々自適な生活をする維新後の慶喜は、美賀君が非常に心の支えになったものと思われます。
慶喜は完全に政界から退いたのではなく、のちに貴族院議員になりもするのですが、その時に壮年期の栄一に会うことがドラマでもあるのかもしれません。
このドラマで主従としての関係が完全に解かれても、栄一は慶喜の理解者として、常に絆はあったものと思われます。
いよいよ明治政府に仕官し、日本経済の父としての一歩を踏み出すことになった栄一。
そこから大隈や伊藤とともに、経済を回すためのインフラを作っていくことになるのですが、どうやら保守派の大久保の反発もあるようです。
それをどう乗り換えていくのか、そして『改正』のもとに、どのようなインフラを日本に巻いていくのか、気になるところでもあります。
同時に尾高惇忠も明治政府で働くことになるのですが、栄一とどのような葛藤をしていくことになるかも気になりますね。
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