2024年度前期の朝ドラ『虎に翼』で、伊藤沙莉さん演じる主人公・猪爪寅子の父親役を演じたのが岡部たかしさんです。
「岡部たかしは『虎に翼』で何役?」と気になった方も多いでしょう。
その役は、寅子の父・猪爪直言(いのつめ・なおこと)。銀行に勤め、妻・はるや子どもたちと暮らす猪爪家の父親です。
直言の魅力は、単なる「娘思いの優しい父親」では終わらないところにあります。
女性が法律を学ぶことさえ珍しかった時代に、寅子の可能性を信じ、その夢を応援しようとする直言。
一方で、家族に言えないことを抱え込み、ときには頼りなく見えてしまう人間臭さも持っています。
そして物語序盤では、直言が巻き込まれる「共亜事件」が寅子を法廷へ向かわせ、法律家として成長していく大きなきっかけとなりました。
私は、そんな直言を岡部たかしさんが演じたことも『虎に翼』の大きな魅力だったと思います。
コミカルな場面では思わず笑わせてくれるのに、家族の危機や人生の終盤では一転して胸を締めつける。
その振り幅があるからこそ、猪爪直言という父親がとても身近な存在に感じられました。
本記事では、『虎に翼』の父親役・猪爪直言とはどんな人物なのか、岡部たかしさんが演じた直言と寅子の親子関係、共亜事件、そして家族に残したものまで詳しく振り返ります。
さらに『虎に翼』を深く楽しみたい方には、登場人物の相関図や物語の背景を確認できるNHKの公式ガイドブックもおすすめです。
そして映像でもう一度、岡部たかしさん演じる直言と寅子たち猪爪家の物語を味わうなら、DVDでじっくり振り返ってみてください。
キャストを知ってから見直す『虎に翼』は、初見とはまた違った発見があります。
あの“懺悔”を知った今、直言の笑顔はもう同じには見えない。
岡部たかしが演じた父の愛情と不器用さを、配信で見返せば、きっとまた直言に泣かされます。
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虎に翼で岡部たかしの役寅子を応援した父親“猪爪直言”とは。
猪爪直言は、猪爪家では少々頼りなく見えることもありますが、寅子の人生を振り返ると、彼女の可能性を早くから信じていた大切な理解者だったことが分かります。
「女は結婚して家庭に入るもの」という価値観が色濃く残る時代。
母・はるが寅子の将来を心配する一方で、直言は法律に興味を持つ娘の気持ちを理解し、その挑戦を応援しようとします。
「寅子の父・直言」とは。
“猪爪直言”は当時の強い父親像とは、異なっています。帝都銀行に勤めていて、法律を学びたいと寅子の夢を応援してくれる優しい寛大な父親です。
寅子への愛情は人一倍で、娘が可愛くてしかたがありません。それは時代が変わっても変わりなく普遍的なのでしょうが。
ただ、妻のはるには頭が上がらず、いまひとつ頼りにならない父親でもあります。猪爪家の男性は皆んなひ弱です。
「寅子の父・直言」の登場。
第1週1話から登場します。寅子のお見合いのシーンで寅子がとても素敵な娘であることを強調しますが、等の本人は寝てしまったりとお見合いに否定的です。
当時の父親像は、「地震、雷、火事、おやじ」と怖い存在でしたが、直言はとても優しい人として設定されています。
そして娘の寅子にはとても甘く、娘が可愛くてしかたがありません。寅子には好きな事をやって欲しいと願い応援しています。
ただ、妻のはるの前では意思をすぐに曲げるところもあります。それはこの時代でも強い意志を持っている女性へのリスペクトなのでしょう。
猪爪家の男性は?
猪爪家の長男・直道は寅子の親友である花江と結婚しますが、直道も父に似て優しさがあふれた男性です。
ですので、直言夫婦、直道夫婦そして寅子と書生の優三と寅子の弟である直明が明るく優しく時に母が厳しくも過ごす日常が始まりました。
書生の優三と寅子は将来結婚しますが、その伏線が1話から描かれています。
虎に翼で岡部たかしの役“猪爪直言”の共亜事件と裁判。
寅子を理解し応援していた父と娘の関係を大きく変えるのが、直言が巻き込まれる「共亜事件」です。
父親を救いたい。
その思いから寅子は法律と真正面から向き合い、やがて法曹界へ進む決意をさらに強くしていきます。
つまり直言は、寅子を言葉で応援した父親であると同時に、結果として彼女を法律家への道へ押し出した人物でもあるのです。
しかし、直言は決して理想的な父親としてだけ描かれてはいません。
弱さもあれば、家族に隠していたこともあります。そして人生の終盤で繰り広げられる、あの忘れられない“懺悔”。
笑っていいのか泣いていいのか分からなくなる場面を、岡部たかしさんは実に人間味豊かに演じました。
直言の危機「共亜事件」。
第4週「屈み女に反り男?」でなんか様子がおかしいと思っていたら、やはり20話で検察の方々が猪爪家へきて家宅捜索が行われました。
『虎に翼』前半で大きな山場となるのが、岡部たかしさん演じる猪爪直言が巻き込まれた「共亜事件」です。
共亜事件とは、軍需物資をめぐる贈収賄事件として描かれた『虎に翼』の重要なエピソード。銀行員だった直言は事件への関与を疑われ、突然逮捕されてしまいます。
父・直言が逮捕される
寅子たち猪爪家にとって、直言の逮捕はまさに青天の霹靂でした。
取り調べを受けた直言は長期間拘束され、厳しい状況のなかで自白へと追い込まれていきます。しかし、家族のもとへ戻った直言は、自分は不正をしていないと訴えます。
ここから寅子は「父を救いたい」という強い思いを抱き、法律を学ぶ学生という立場を超えて事件と向き合うことになります。
寅子たちが無実を証明するために動く。
寅子は明律大学で学んだ法律の知識を生かし、穂高重親や仲間たちの力も借りながら、父の無実につながる手掛かりを探していきます。
ここで『虎に翼』が問いかけるのは、「自白したのだから犯人なのか」という問題です。
なぜ直言は、やっていないことを認めてしまったのか。取り調べは適切だったのか。そして検察側が描いた事件の構図は、本当に事実だったのか。
寅子にとって共亜事件は、教科書で学んできた「法律」と、現実の司法との違いを身をもって知る経験となりました。
直言たちに無罪判決
そして迎えた裁判。
裁判長は検察側の主張や証拠を検討したうえで、直言を含む被告人たちに無罪判決を言い渡します。
父の無実が認められた瞬間は、猪爪家にとって大きな救いでした。
同時に寅子にとっては、「法律によって人を救うことができる」という可能性を強烈に実感する出来事だったのではないでしょうか。
共亜事件は寅子の法律家人生につながる重要な事件。
私は、この共亜事件こそ『虎に翼』序盤の物語を大きく動かした出来事の一つだと思います。
大好きな父親が突然「犯罪者」として扱われてしまいました。しかし、世間や捜査機関がそう判断したからといって、それが必ずしも真実とは限らないのです。
寅子は父を救おうとするなかで、法律を知っているだけではなく、法律を使って人の権利を守ることの重要性を学んでいきます。
だからこそ、後に弁護士、そして裁判官として司法の世界を歩んでいく寅子を理解するなら、共亜事件は見逃せません。
もう一度『虎に翼』を観るなら、ぜひ「直言はなぜ自白したのか」「寅子は裁判から何を学んだのか」という視点でも、この共亜事件を振り返ってみてください。
寅子が法律家を目指す意味が、より深く見えてくるはずです。
第5週「朝雨は女の腕まくり?」では弁護人と検察との一騎打ちが描かれることとなります。
贈賄容疑として逮捕された寅子の父・直言ですが、そんな恐ろしいことをする人間ではありません。
だが、事件は大汚職事件「共亜事件」に発展していきます。共亜紡績と大蔵省官僚そして帝都銀行が絡む事件です。
父親を救おうと、家族が一丸となって奔走します。
虎に翼で岡部たかしの役“猪爪直言”の死亡と“懺悔大会”。
その後、直言が家族に積年の思いを吐露します。
『虎に翼』で岡部たかしさん演じる猪爪直言の物語を語るうえで、絶対に外せないのが、その最期に繰り広げられた“懺悔大会”です。
戦争が終わり、家族がようやく新しい生活へ向かおうとしていた矢先、直言の身体は病にむしばまれていました。
自分に残された時間が長くないことを悟った直言は、家族を前に、これまで胸の内に隠してきたことを次々と告白していきます。
本来なら涙だけで終わってもおかしくない父親との別れ。しかし『虎に翼』は、ここでも一筋縄ではいきません。
「今、それを言うの?」と思ってしまうような告白まで飛び出し、悲しいはずなのに思わず笑ってしまいます。
そして笑った直後に、もう直言との別れが迫っている現実を突きつけられるのです。この“泣き笑い”こそ、猪爪家らしく、そして『虎に翼』らしい家族の別れだったと思います。
何より印象的なのが岡部たかしさんの演技です。
寅子を応援してきた優しい父、共亜事件に巻き込まれた弱さを抱える父、家族に言えない秘密を抱えてきた一人の男。
そのすべてが、直言の最期に凝縮されているように感じました。
そして、この場面は伊藤沙莉さん演じる寅子にとっても、父親と向き合う最後の大切な時間となります。
直言はいったい何を懺悔したのか。そして最期に家族へ何を残したのか。
直言の最期。
戦後、直言の工場は閉鎖状態でした。直言は栄養失調と肺炎によって身体を弱らせ、寝床から起き上がることも難しくなっていきます。
そんなある日、自分の死期を悟った直言は、家族に「今まで黙っていたこと」を次々と打ち明けます。
それが、あの忘れられない“懺悔大会”でした。
最期まで「完璧な父親」ではなかった直言
直言は、死を目前にして突然立派な父親になるわけではありません。
これまで家族に隠していたことや、言わなくてもよかったのではと思うような本音まで次々と告白。そのたびに、寅子や家族は驚き、怒り、あきれます。
直言には弱さがありました。共亜事件では厳しい取り調べに耐えられず、やってもいない罪を認めてしまったこともあります。
家族に対して格好をつけたり、本当の気持ちを隠したりもします。それでも、寅子が法律を学ぶことを応援し、家族を愛し続けた父親でした。
地獄で待ってる。
そして直言は、妻・はるから「地獄で待ってる」と声を掛けられます。何とも猪爪夫妻らしい言葉です。
「天国で待っている」ではないところに、長年連れ添ってきた二人の関係が凝縮されています。直言の欠点も、情けないところも、全部知っているはるだからこそ言える言葉でしょう。
悲しい別れなのに、どこか温かい。
笑っていたはずなのに、気がつけば涙がこぼれていました。
岡部たかしさんと石田ゆり子さんのやり取りも含め、私はこの場面が猪爪家らしい最高の別れだったと思います。
直言は家族に囲まれて生涯を終える
そして昭和21年(1946年)、直言は家族に見守られながら息を引き取ります。寅子にとって直言は、ただ優しいだけの父親ではありませんでした。
頼りなくて、嘘もつく。弱いところもある。それでも「寅子ならできる」と信じ、女性が法律家を目指すことが珍しかった時代に娘の背中を押してくれた父でした。
直言が亡くなっても、その思いまで消えるわけではありません。
戦争で夫・優三を失い、さらに父・直言との別れを経験した寅子。それでも彼女は娘・優未を育てながら、もう一度法律の世界へ戻っていきます。
完璧ではなかったからこそ、愛おしい。
岡部たかしさんが演じた猪爪直言の最期は、「立派な父親の死」ではなく、弱さも欠点も全部ひっくるめて家族に愛された、一人の父親との別れとして描かれていたように思います。
だからこそ“懺悔大会”は、笑えるのに泣けるのです。『虎に翼』の猪爪家を象徴する、忘れられない名場面になったのではないでしょうか。
⇒2024年前期朝ドラ「虎に翼」第9週「男は度胸、女は愛嬌?」のあらすじ(ネタバレ)と感想。
虎に翼で出演しているキャストの役一覧はこちらです。
⇒「虎に翼」朝ドラ2024年前期のキャストと相関図発表一覧。
虎に翼(2024年前期朝ドラ)で岡部たかし(キャスト)の役は寅子の父親“猪爪直言”のまとめ。
2024年4月1日から始まった「虎に翼」は昭和の時代でも女性が希望をもって生きた証を映し出しています。
その主人公・寅子の父親役を務める岡部たかしさんは女性が権利を求めて闘う姿は、現代の令和時代につながるので女性の皆さんは勇気をもらえるとコメントしています。
選択的夫婦別姓制度などは未だに女性の権利を認めてはいません。このドラマを見て少しでも時間がかかっても闘い続ける事が大事であることが解るとよろしいですね。
大河ドラマ倶楽部管理人の31chanです。
長年販促活動と局の下請けで番組制作に従事。現場で培った視点を活かし、今も大河ドラマとキャストを深く追い続けるシニア大河ファン。
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