大河ドラマ2021年「青天を衝け」第20話「篤太夫、青天の霹靂」のあらすじ(ネタバレ)と感想をお届けします。
第14代将軍・徳川家茂は脚気衝心で倒れ、慶喜に自分に本音を打ち明け、後のことを頼む形で世を去ることになりました。
渋沢栄一は慶喜が次期将軍になるのを必死に止めようとしましたが、人(人財)のいない幕府は自然と慶喜を後継者に定め、栄一も幕府の下で働くことになります。
当初は尊王倒幕の志士になろうとしたつもりが、いつの間にやら大嫌いな幕臣になってしまった栄一は迷いが生じます。
ですが、同じ百姓の生まれでありながら佐幕派の新選組副長になった土方歳三の迷いのない生き方を見て、自分もしっかり生きようとします。
先週は⇒青天を衝け第19話「勘定組頭渋沢篤太夫」のあらすじと感想。
家康さんの登場はアバン(オープニング)後でしたね。
「こんばんは、徳川家康です」で登場し、「今までも何度も言いましたが、徳川の世は長らく戦のない時代だった。徳川将軍14人の中で、戦の陣で亡くなったのは、この家茂ただ一人です」と語ります。
そして、背後に立つ黒子が持つ家茂の肖像画に向かって「ご苦労。本当にご苦労さんだった」と労いの言葉とともに頭を下げました。
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第14代将軍・徳川家茂が亡くなったのを機に、人のいない幕府は自然と徳川慶喜を次期将軍に据えようという動きを活発にしました。
(天璋院はまだ幼い田安亀之助を次期将軍に据えたかったようですが)
篤太夫は
「今慶喜が将軍についても幕府の崩壊は止められない。むしろ天下を収められないということで。慶喜自身への批判が強まるだけ」
篤太夫の発言は一見もっともかもしれませんが、これは慶喜に貧乏くじを引かせたくないという思いと同時に、
自身が大嫌いな幕臣になりたくない(当初は尊王倒幕を掲げる志士を目指して京に行ったということもありますし)という思いもあったと思います。
第二次長州征伐が、薩長同盟と家茂の死をきっかけに失敗に終わり、幕府の権威はさらに衰えていきます。
そのなかで、一番の貧乏くじを引く形で慶喜が将軍になるのですが、幕府も自身の権威低下を指をくわえてただ見守っているだけではなく、フランスのパリ万博を機会に起死回生を狙おうと必死でした。
このパリ万博の出席に、篤太夫が加わることになるのですが、それはもう少し先の話のようです。
一方の薩摩は、公家の岩倉具視をブレーンに担ぎ上げ、幕府を倒して王政復古を果たそうとします。
それゆえ、幕府のパリ万博における計略を妨害するみたいなのですが、それも少し先の話のようです。
篤太夫の進言もむなしく、一橋慶喜は江戸幕府最後の将軍・徳川慶喜となります。
それによって、篤太夫も一橋家の勘定組頭を離れることになり、全く畑違いの仕事に就くことになるのです。
ようやく自分の転職に巡り合ったというのに、この運命は切ないものだろうなあと私は思います。
もとをただせば尊王倒幕の志を立てていたものの、幕府からお尋ね者にさせられ、最悪腹を切る瀬戸際に立たされそうになりました。
それが一橋家の平岡円四朗に才を見込まれて一橋家に拾われ、そこの勘定組頭に抜擢されて、
『やっと自分の適職、人の役に立つ仕事を見つけられた』と思う間もなく、その役を追われることになるのですから。
当時の幕府の要人は、幕臣の勝海舟でさえさじを投げだしたほどの無能ぞろいであったといわれています。
由緒正しい家柄で胡坐をかき、自分にとって損な役回りは別の人間に押し付ける。
そのような『幕吏』を身近に見て、ますます篤太夫は幕府に対する嫌悪感を増していったと思いますね。
『いっそやめて、百姓に戻るか』という篤太夫の愚痴は本音であったと思いますね。
『死んだらおしまい。生きていれば道は開ける』という考えの栄一は、当時としては考えが珍しいと思うのですが、これは栄一が根っからの武士ではなくもと百姓であったこと。
後継ぎの男の子を若くして亡くしたこともあると思うのです。
最終的に意気投合した渋沢篤太夫と土方歳三ですが、約束どおり再び会える日が訪れるのでしょうか。
史実では篤太夫と土方歳三が出会ったという証拠はないのですが、尊王攘夷活動をしていた栄一は京都に潜伏していたことがあったので、大なり小なり新選組とは接触していたかもしれません。
また栄一が幕臣に取り立てられたころ、土方ら新選組幹部も幕臣に昇格していたので、いわば同じ企業に勤める同僚みたいなところがあったと思うのです。
今回の渋沢の土方に対する言葉は、自分一人で行くと言いながら、命の危機に立たされると、もう少し早く新選組の助けがくるといいなおすなど、見苦しいところもありましたが。
栄一は『生きて』人の役に立つことで日の本を守ろうとするのに対し、土方は『死を背負って』日の本を守ろうとします。
同じ百姓でも、この2人の考え方の違いは面白いなと思いましたね。
それはおそらく、渋沢は剣の腕が今一つで人を斬ったこともなく、勘定だけで才能と地位を手に入れたのに対し、
土方は京の治安維持を守るものとしてテロリストたちと戦い、何人も葬ってきたからでしょうか。
戦国で言うと、秀吉家臣の奉行派(石田三成など)と武断派(加藤清正など)のようなものでしょうか。
このドラマでは、家茂の遺言は「自分が死んだら、後継ぎはまだ幼い田安亀之助にしてほしい」
だったようですが、人がいない幕府は自然と『家康の再来』と言われた徳川慶喜を次期将軍に推薦します。
今回老中の永井尚志が、「家茂も天璋院も慶喜を将軍に推薦している」と噓をつきましたが、そこそこの技量があると思っていただけに、そんな姑息な真似をしたのがびっくりですね。
史実の永井は旧幕府軍として最後まで戦い、榎本武揚の北海道共和国では重職についていたわけですから。
このドラマでは人の死や、戦争ドラマについてはあまり大きく描かないつもりですかね。
もっとも根は百姓で剣の腕は今一つなものの、経済感覚は人一倍鋭い渋沢栄一が主人公ゆえ、そうなるのかもしれませんね。
天璋院は慶喜が将軍職を継ぐのは反対していたようですが、和宮の『家茂が将軍につかなければ、早死にすることもなかった。今度は慶喜が苦しめばいい』
という言葉を聞いて、慶喜が将軍職に就くのを黙認します。
天璋院と和宮は、このころには和解していたそうですから、そうなるのもやむを得ないのかもしれませんね。
青天を衝けのあらすじ(ネタバレ)感想のまとめ一覧はこちら。
→2021年大河ドラマ「青天を衝(つ)け」のあらすじ(ネタバレ)と感想のまとめ一覧。
徳信院と美賀君には独特の友情が芽生えているようですね。
幕府の都合で美賀君は大奥に入ることはなかったようですが、どうやら美賀君に大奥のトップになるつもりはないらしく、これでよかったのかもしれません。
もともとそれほど仲が良くなかった美賀君と慶喜と言われていますが、幕府が倒れて慶喜が駿府で暮らすようになってからは和解し、一緒に暮らすようになったといわれています。
歴史というのは、何が幸運で何が不幸になるかわかりませんね。
篤太夫が不本意のまま幕臣となり、慣れない職務でくすぶっている中、幕府のもとにフランスからパリ万博の話が舞い込みます。
未知の世界を見ることは、今も昔もあこがれのことだったとは思うのですが、篤太夫からしてみれば、二度と日本の地を踏めず、家族とも会えなくなる危険がありました。
しかしその中で、篤太夫はパリに行く決意を固めていくのですが、どのような葛藤から決断に至るのか、次回はそれがメインになりそうです。
また、史実ではないのでしょうが、小栗が元は攘夷倒幕を唱えていた篤太夫に絡むシーンもあり、どんな会話がされるのか気になるところでもあります。
次週は⇒青天を衝け第21話「篤太夫、遠き道へ」のあらすじと感想。
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