市川猿之助さんが「鎌倉殿の13人」で演じるのは文覚(もんがく)と猿之助さんが出演したテレビドラマと映画一選をご紹介します。
文覚という人物ですが、名前からして、「お坊さん」であるということは想像できるかもしれません。
NHK広報によると、文覚は「あやしく迫る謎の僧」とのこと。調べてみると、確かにあやしいエピソードが出てきました。
中には真偽が定かでない話もありますが、そういう逸話が残っていること自体、文覚が重要人物であることの証だと言えるでしょう。
市川猿之助さんは、ドラマ「半沢直樹」で大迫力の演技を見せつけた、あの歌舞伎役者です。
「鎌倉殿の13人」の文覚を市川猿之助がどのように演じるのか期待が膨らみます。
文覚は僧でありながら源頼朝と通じ、その後ろ盾を得ながら活躍した人物です。でもこの文覚、実は始めは武士だったのです。
どうして僧になったのか調べてみると、とんでもない事件を起こしたという記録が残っています。
端的にいうと色恋沙汰の末、一目惚れした女性、しかも人妻を殺してしまったという事件です。
出家するのも納得ですよね。これは文覚が18歳のときの話です。文覚はもともとは遠藤盛遠(えんどうもりとお)と名乗っていました。
しかし、先述したように同輩の妻である袈裟御前(けさのごぜん)という女性に一目惚れ。
袈裟御前に言い寄りますが、彼女からは「どうしてもと言うなら、夫を殺してほしい」と言われます。
そこで、文覚は同輩の寝室に忍び込み、殺してしまったのです。ところが、切り落とした首をよく見ると、その首は袈裟御前のものだったとのこと。
袈裟御膳は夫と文覚との板挟みになり、自分が殺されるように仕向けたそうです。
文覚の波乱万丈はその後も続き、35歳のときには、後白河法皇に荘園をお寺に寄進するように強要したせいで島流しになります。
日本での「法皇」は、出家した元天皇です。
法皇を相手に寄進を強要するとは、文覚度胸は相当なものだったと言えそうです。流された先の伊豆で文覚が出会ったのが、源頼朝でした。
頼朝も同じく伊豆に流されていたのです。同じ境遇の二人は意気投合し、その後も親交を深めたと言われます。
そして流刑から戻った後、平清盛が後白河法皇を幽閉すると、憤慨した文覚は源頼朝に平氏打倒のため挙兵を促すのでした。
頼朝に「挙兵」という一大決心をさせたことは、文覚の交渉力の強さを証明していますね。
この後、平氏滅亡を経て鎌倉幕府が誕生すると、文覚もその地位を高めていきます。
ところが、幕府が成立して早々に頼朝が死んでしまうと、文覚は後ろ盾を失います。その後、政争に巻き込まれた結果、2度も流刑になってしまうのです。
そして、2度目の流刑地に向かう途上、65歳で亡くなるのでした。人生で3回も島流しにあう人、皆さんは知っていますか。
猿之助が演じる文覚が登場するのは第3話「挙兵は慎重に」です。
怪しい「髑髏=どくろ」を抱えて伊豆を放浪しながら源氏の挙兵を民に説いています。その様子を偶然に義時の兄・宗時が見つけ頼朝に案内します。
しかし、頼朝は文覚を知っていて信用していません。追い出されてしまいます。物語ではこれからも登場するでしょう。
史実の文覚の人生も、栄枯盛衰の極みのようでした。
市川猿之助が「鎌倉殿の13人」でどんな文覚を表現してくれるのか、これからも楽しみです。
⇒大河ドラマ2022年「鎌倉殿の13人」のあらすじ(ネタバレ)と感想の一覧。
市川猿之助は、これまで2つの大河ドラマに出演しています。
このうち「風林火山」は、軍師・山本勘助が主人公の大河ドラマで、甲斐(かい)の武田信玄に仕えた軍師・山本勘助の波乱に満ちた生涯を描きました。
戦国時代が舞台でパワフルな登場人物が多く、熱い人間ドラマになっています。原作は、井上靖の同名小説です。
本ドラマで、市川猿之助は、武田信玄を演じました。ちなみにライバル・上杉謙信役は、Gackt(ガクト)でした。
市川猿之助の父は四代目市川段四郎、従兄弟に九代目市川中車(香川照之)がいます。
香川照之とはドラマ「半沢直樹」でも共演して話題になりました。
5歳の時、歌舞伎座「義経千本桜」の安徳帝役で初御目見得を果たしました。
「鎌倉殿の13人」と同時代の演目で歌舞伎デビューしたわけです。なんだか面白いですね。
源平合戦が古来より日本人に愛されている証拠です。
歌舞伎役者としては、立役(男役)から女形まで幅広くこなし、若手の花形歌舞伎役者と言えます。
2007年にはパリ・オペラ座での公演にも参加するなど、国際的に活躍しています。
慶應義塾大学文学部国文科卒業ということで、高学歴でもありますね。
知名度を大きく上げたのはやはりドラマ「半沢直樹」への出演で、それを機にテレビなど各種メディアへの露出も増えてきました。
ただし、素の市川猿之助は品があり、知的な印象です。
趣味は骨董品や寺院仏閣巡りとのこと。
ドラマで演じた伊佐山とは違って「大人の男」や「文化人」というような言葉が似合います。
それでいて高校生の頃から福山雅治のファンでラジオ「オールナイトニッポン」をずっと聴いていたというエピソードもあります。
各種番組やインタビューで、リップサービスや笑いもそつなく取り入れているのはそうした背景もあるのかもしれませんね。
2013年に「倍返し」で話題になった大人気ドラマ「半沢直樹」。
その続編の半沢直樹(2020年版)が2020年に放送されました。
市川猿之助は続編のほうに出演し、堺雅人演じる半沢直樹を目の敵にする営業部長・伊佐山役を演じました。
伊佐山のシーンで特に印象的なのは、やはり「詫びろ」の連呼です。
他にも各シーンで「顔芸」と言われるほどの豊かな表現力を見せつけました。
「鎌倉殿の13人」の前に、市川猿之助の演技をぜひ見返してみてください。
江戸時代、諸藩にとって大きな負担であった参勤交代の映画「超高速!参勤交代」
財政難の中で命じられた参勤交代を湯長谷藩・藩主の内藤政醇(ないとうまさあつ)が、経費をかけずに何とか切り抜ける様子をコミカルに描いた作品です。
主演は、佐々木蔵之介。市川猿之助は、将軍・徳川吉宗を演じました。
引用:ヤッフーニュース:2023年6月27日
母親の自殺を手助けしたとして、警視庁は27日、歌舞伎役者の市川猿之助容疑者を逮捕する方針を固めたことが分かりました。
先月18日午前10時すぎ、東京・目黒区の市川猿之助容疑者(47)の自宅で、猿之助容疑者と両親が倒れているのが見つかりました。
母親の喜熨斗延子さん(75)は現場で死亡が確認され、父親の市川段四郎さん(76)は搬送先の病院で死亡しました。
この件で「鎌倉殿の13人」の再放送が無くなったり、配信が削除されたりがないことを願っています。
市川猿之助は大河ドラマ「鎌倉殿の13人」出演決定に伴い、約10年ぶりの大河出演の喜びを語ると共に、
文覚については「役として特に思い入れはございませんが、いただいたお仕事として精一杯勤めさせていただきます」とコメントしています。
このコメントを皆さんはどう受け止めましたか。
わたしはプロ意識の高さの現れだと感じました。
表現者である以上、「その人らしさ」は当然期待されるわけですが、その「らしさ」を出す前にまずは、演じる人物である文覚を研究し、解釈するものかと思います。
コメントから察するに、今はその途上ということでしょう。
「あやしく迫る謎の僧・文覚」は市川猿之助によってどのように表現されるのでしょうか。
本来は歌舞伎役者である猿之助は、着物を着ながらの所作にも違和感なく見事に演じることでしょう。
その上で、ドラマ「半沢直樹」の伊佐山のような迫力があり、豪胆な人物を演じてくれることを期待したいと思います。
脚本はコミカルな演出も得意な三谷幸喜ですし、猿之助を有名にした名台詞「詫びろ!」が出てきたら最高ですね。
大河ドラマ俱楽部の管理人です。
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