宇喜多直家、斎藤道三とともに、戦国三大謀略家の一人としてカウントされているのが松永久秀です。
謀略家として名をはせ、室町幕府を傀儡政権として支え続けてきた京の彼の振る舞いは若き明智光秀に影響を与えたという説も強く、『本能寺の変野望説』の一因にもなっています。
そんな松永久秀を『麒麟がくる』で演じるのは、2016年大河ドラマ『真田丸』で織田信長役を演じた吉田鋼太郎さん。
今回は『麒麟がくる』の松永久秀と、彼を演じる吉田鋼太郎さんを紹介いたします。
さて、「麒麟がくる」の見どころは各俳優(キャスト)が演じる役の活躍ですね。
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「麒麟がくる」で吉田鋼太郎が演じる松永久秀、その登場するシーン。
「十兵衛をひと目見て好きになってしまった松永ですが、その十兵衛愛が更に加速していきます。史実では最終的に信長と敵対する松永なので、信長の忠臣となる十兵衛への愛情は禁断の愛とも言えるのかもしれません。松永久秀による十兵衛への『禁断の愛』、見どころです!」(吉田鋼太郎)#麒麟がくる pic.twitter.com/aEdfKzizQ2
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松永久秀と織田信長の関係がドラマではどのように描かれていくのかは、前半の美濃編では解りません。
美濃編では松永久秀と明智光秀の関係が主なストリーになると思います。
キャスト松永秀久。「信長を暗殺せよ」
美濃から越前に移った明智光秀は朝倉義景の代わりに京へ上洛します。相変わらず京には麒麟はいません。そこでも信長が暗殺されるとの噂を聞き、光秀は京の実力者である松永久秀に阻止してもらうのです。
松永はこれで借り返したと光秀の願いを叶えるのです。
19話をじっくりとお読みください⇒麒麟がくる19話「信長を暗殺せよ」のあらすじと感想
キャスト松永秀久。「三好長憲襲撃計画」
京の中央政権の争いが描かれ松永久秀が仕える「三好長憲」が室町幕府官僚の細川晴元に襲われます。それを知った光秀が松永を救うというシーンです。
「はじめての大がかりな立ち回りで緊張したけど、とても楽しかった。このシーンは長谷川さんをはじめ、顔なじみの役者が多かったので楽屋がおおいに盛り上がり『今度みんなで飲みに行きたいね』なんて、話していました(笑)」(吉田鋼太郎)#麒麟がくる pic.twitter.com/KbYlqhnzX7
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6話をじっくりとお読みください⇒麒麟がくる6話「三好長憲襲撃計画」のあらすじと感想
キャスト松永秀久。「光秀、西へ」
光秀が斉藤道三の命で京に行く途中の堺で会うシーンが最初ですね。光秀が道三の家臣であることを知って厚遇します。ドラマでは人間味があって光秀には格別に温く触れ合っています。
「撮影に入ってからの緊張感はすごいです。吉田鋼太郎の“松永”と長谷川博己の“光秀”。長ゼリフの応酬もあり、過酷な状況の中で、その一瞬でしか生まれない何かを生み出そうと頑張っています」(吉田鋼太郎)#麒麟がくる pic.twitter.com/hVMhFIkVlJ
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1話をじっくりとお読みください⇒麒麟がくる1話「光秀、西へ」のあらすじと感想。光秀の旅
「麒麟がくる」のキャスト松永久秀とは?
元々久秀の出身は、阿波国・山城国西岡の支配者であるという説が有力で、それもあって鎌倉管領を務めていた細川氏の配下の守護代・三好長慶の書記として仕えるようになったそうです。
守護の配下の配下、つまり『また者』であったのは信長と同じようですね。
その信長でさえ、低い身分の家臣を昇進させる際、相応の家と領地を引き継がせるようにしてるのです。
ですが、久秀の場合はそれがなく、三好長慶の人事が信長以上に『家柄に囚われない、実力主義』であることをうかがわせます。
キャスト松永久秀。松永は策略家
しかし、1549年(『麒麟がくる』の物語開始から5年後)、管領で上司の細川春元とさらにその上の13代室町幕府将軍・足利義輝を京から追放します。
それと共に実質的なトップとなった長慶の側近として、京の政治を牛耳るようになります。
1566年に従四位という官位までもらったことや、長慶が久秀を配下としながら大和国を治めることになったことも、彼が下剋上によって急に高い地位を得た『謀略家』としてのイメージを植え付ける結果になっていきます。
その一方で、長慶を排除して実質的なトップになろうとする思いはなかったらしく、忠臣としての側面もあったといわれています。
キャスト松永久秀。松永の統治力
しかしその統治はかなり厳しく残酷だったらしく、年貢納めが遅れた農民に『蓑虫踊り』、つまり蓑を着させて火をつけ火あぶりの刑に処し、それを見て楽しんだとも言われています。
さらには1565年、キリシタン宣教師を追放、1567年10月10日には、敵軍を制圧するために東大寺を焼き討ち(意図的な放火か失火かは不明)するなど、徹底的な無神論者として人々を震え上がらせていきます。
しかし信長が台頭し、1568年に15代将軍足利義昭をすえて上洛すると状態が急変し、かねて孤立無援であった久秀は、表むき信長の同盟者、事実上信長の配下となり、その協力を得る形で敵軍を制していきます。
ところが、足利義昭が信長に不満を持つようになると、名目上彼の配下であった久秀は信長に背きますが、三好家をはじめとする彼の協力者や上司はことごとく信長に敗北。
一度は降伏し信長に忠誠を誓った身ですが、1577年になぜか反旗を翻します。
しかし久秀に味方する人間はもはや乏しく、8千人の兵で久秀が信貴山城にこもったのに対し、織田軍は約4万。わずか5日で信貴山城は落ちます。
キャスト松永久秀。松永の最期は自害
そして最後を悟った久秀は、1577年10月10日、信長が欲しがっていた茶道具をたたき割って自害しました。
享年68歳。奇しくも10年前に東大寺大仏殿が焼き払われた月日と同じだったため、人々は天罰だったと噂したといわれています。
ちなみに、『信長が欲しがっていた茶道具を手に入れさせないために、それとともに爆死した』というのはフィクションだそうです。
やはり斎藤道三と同じで、背腹定まらない人間に見えたことや、領民に残虐な刑を課したことが、今日まで彼を謀略家として評する一因になったのは確かでしょう。
キャスト松永久秀。松永と明智光秀の関係
今回物語が始まるのは、久秀が京都を牛耳っていた1544年ごろのようです。
そんなさなかに京都へ行く光秀の物語が最初に描かれるのですから、光秀が久秀に多大な影響を受けていくのは事実と言えましょう。
松永久秀も下剋上によってなりあがっただけに、松永久秀と明智光秀が『逆臣の代名詞』として語られたこともあるようでした。
キャスト松永秀久。松永と明智光秀の共通点は決断力?
一方で2人とも、決断力には富んでいたとみなされたらしく、石田三成の忠臣であった島清興(左近)は、関ケ原の戦いにおいて「いまの諸侯は明智光秀と松永久秀のような決断力にかける」と言っているそうです。
ともあれ、教養人であり常識人でもある光秀が、足利将軍や上司である三好の権力を盾に、領民に対し残酷な刑罰や宗教の弾圧をしていく様は、彼もまた『覇者』として、反面教師にしていくと思えるのです。
当初は久秀に気に入られた身になりますから、どのように考え、そしてどのように久秀に背いて信長につくのか、光秀の心理描写をぜひ描いていってほしいと思っております。
「麒麟がくる」のキャスト松永久秀。演じる吉田鋼太郎の魅力
2016年大河ドラマ『真田丸』では織田信長役としてちょい登場だけだった吉田鋼太郎さんですが、もともとは劇団四季で6か月間在団したこともあって、舞台俳優としてのイメージが強かった彼でした。
キャスト松永秀久。吉田鋼太郎のプロフィール
彼は1959年1月14日、東京都生まれ。
聖パウロ学園高等学校在学中、劇団雲のシェイクスピア喜劇『十二夜』を見て感動し、役者を志すようになったといわれています。
上智大学文学部ドイツ文学科在学中、シェイクスピア研究会公演の『十二夜』で初舞台を踏み、同大学を中退します。
シェイクスピアシアター、劇工房ライティング,東京壱組を経て、1997年に劇団AUNを結成。
シェイクスピアやギリシア悲劇など、海外古典作品に要求される演技をこなせる役者としての評価が強く、蜷川幸雄さんが手がけた作品の常連でもありました。
その作品への出演が多かった藤原竜也さんや小栗旬さんとも親交が深いのです。
キャスト松永秀久。吉田鋼太郎のTV番組
一方でテレビ俳優としてはあまり名が知られてませんでしたが、2013年TBSドラマ『半沢直樹』で半沢の上司役を、2014年『花子とアン』では嘉納伝助役を演じます。
『倍返し』『ごきげんよう』が流行語にもなったこの2作品がヒットしたことも相まって、鋼太郎さんのテレビ出演は非常に多くなります。
2016年ドラマ『おっさんずラブ』では男気あふれるバツイチ上司でありながら、なぜかダメ主人公に惚れる役という、あくの強い役も演じております。
また劇場アニメでも『ドラえもん のび太の月面探査機』や『劇場版シンカリオン』では敵役の声を当てているのです。
キャスト松永秀久。吉田鋼太郎の魅力
NHKで特集されたこともありますが、演出家としての劇への熱意は非常に強く、しばしば怒鳴り声や、劇団員と衝突するエネルギッシュさを持っています。
それを逆手に取られ、2017年映画『ちょっと今から仕事やめてくる』では、癇癪の絶えないブラック上司を演じ、工藤阿須加さん演じる主人公を精神的に追い込んでいくのです。
その一方でナレーションとしては比較的落ち着いた声を出すこともでき、NHKバラエティ『所さん、大変ですよ』では、比較的落ち着いた声で淡々とナレーションをすることもできます。
キャスト松永秀久。吉田鋼太郎の「大河ドラマ」出演
大河ドラマは『徳川慶喜』や『風林火山』そして『真田丸』以来4度目の出演となります。
今回の久秀はフランクで豪快な反面、平気で人を裏切ったり殺したりする二面性のある役ということでした。
これまで描かれることの少なかった久秀と信長の関係の描写を鋼太郎さんは楽しみにしていると言っていましたが、私たちにとってもまた、期待したいところですね。
「麒麟がくる」のキャスト松永秀久。演じるは吉田鋼太郎のまとめ
劇への強い美学と、エネルギッシュな精神を持つ吉田鋼太郎さんが、強烈な出世と物欲を持つ一方、茶の湯好きの文化人でもあった松永久秀と重ね合わされたのは確かでしょう。
おそらく光秀にとっては、文化人としての久秀を教師、残酷な刑も辞さない覇者としての久秀を反面教師としていくと思われます。
信長が台頭して以降物語から退場し、中盤あたりに桶狭間の戦いを描いていくのですから、退場は物語終盤あたりになると思われます。
そのなかでエネルギッシュさと策略性を持つ久秀が、光秀にどのように影響を与えて退場していくのかが気になるところですね。
大河ドラマ俱楽部の管理人です。
NHK大河ドラマをこよなく愛し毎週楽しみに視聴しています。
ただ視聴するだけでなく「あらすじと感想」を紹介しています。
でもリアルタイムで見ることができない時は見逃し配信で見たり
時々は歴代の大河も視聴しています。
管理人の大好きな大河ドラマをまとめていますので見逃し配信
と一緒に楽しんで下さい。
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