Categories: 2025年べらぼう

大河ドラマ2025年「べらぼう」第9話「玉菊燈籠恋の地獄」のあらすじ(ネタバレ)と感想。

大河ドラマ2025年「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺」第9話「玉菊燈籠恋の地獄」のあらすじ(ネタバレ)と感想をお届けします。

江戸の地本問屋と吉原の親父たちは決裂してしまいました。吉原が地本問屋と手を切れば、この先蔦重が吉原細見を作っても江戸市中で売ることはできません。

となると吉原の客足が減ることは想像できます。さて蔦重はどうするのか。なんですが…、

第9話は吉原の叶わぬ「恋の地獄物語」がメインです。

項目 内容
2025大河ドラマ べらぼう~蔦重栄華乃夢噺
放送話 第9話
放送日 2025年3月2日(日)
週タイトル 玉菊燈籠恋の地獄
視聴率 10.4%(先週比:△0.6%)

 

さて、今週の「べらぼう」はいかがでしたか…。14話「蔦重瀬川夫婦道中」で描かれた蔦重と瀬川の悲しくも辛い別れ。

瀬川は鳥山検校からの離縁状という愛を受け、蔦重と一緒になることを一瞬考えますが、それは蔦重の為にならずと吉原を出て江戸市中に消えていきました。

これも瀬川の愛なのですね。

前編のもう一人の主人公・小芝風花が演じる瀬川を「NHKオンデマンド」で。

詳しくは⇒アマゾン(amazon)プライムビデオで「大河ドラマと朝ドラ」を無料で観る。

スポンサーリンク

「べらぼう」第9話「玉菊燈籠恋の地獄」のあらすじ。

横浜流星 (役:蔦屋重三郎)
小芝風花 (役:花の井=五代目瀬川)
高橋克実 (役:駿河屋市右衛門)
安田顕 (役:平賀源内)
渡辺謙 (役:田沼意次)
綾瀬はるか (役:語り)
脚本 森下佳子(前作:2017年おんな城主直虎)

市中の地本問屋(鶴屋)たちが吉原と手を切ると言いことは、蔦重が、細見を作っても、市中で売ることができないことです。

それでは、吉原の客が減ってしまうと蔦重は心配しているのです。

そんな中、鳥山検校が、瀬川を身請けしたいという話を耳にするのです。明らかに蔦重は動揺しました。

それは、瀬川を思う自分の気持ちだったのです。そんな吉原に事件が勃発。新之助が、思いを寄せる「うつせみ」を連れて吉原を抜け出す「足抜け」を実行したのです。

主人公は横浜流星が演じる蔦重こと「蔦屋重三郎」です。

蔦重は生まれ育った吉原で出版業の礎を作ります。ではその吉原が当時どんな役割をしていたか?現在の吉原とはちょいと違うようです。

「べらぼう」第9話「玉菊燈籠恋の地獄」のネタバレ(吉原の蔦重)

吉原細見は吉原でしか販売ができなくなりました。吉原の親父さんたちは蔦重に他に客を呼ぶ方法を考えるように命じます。

瀬川(花の井)の身売りの噂。

ある日、蔦重は駿河屋で瀬川(花の井)と烏山を見かけます。二人は親しげな様子でその様子を見た蔦重はあきらかに動揺しています。

その後、吉原の親父たちの集まりに顔を出すと、瀬川が鳥山に身請けされることになりそうだという話題で盛り上がっていました。

鳥山は瀬川にべた惚れで、千両(1億4千万円)もの身代金を支払い身請けするようです。

新之助の「うつせみ」への想いは?

瀬川の身請け話しがあった日、蔦重は小田新之助から、松葉屋の女郎「うつせみ」を身請けするにはどの程度の身代金が必要か尋ねられました。

三百両ほどだと答えると、新之助は落胆します。なぜなら、彼には到底払えない金額だからです。

うつせみが、今後ほかの客に身請けを持ち掛けられても、年季が明けて身代金が安くなったら新之助と一緒になる道もあります。

だが、誰しも、一日でも早く務めを終えたいのが本心であり、身請けを断る者はまずいません。

現実の厳しさを思い知って、新之助は嘆くのです。「金のない男の懸想など幸せになる邪魔立てでしかないのかもしれぬな」

蔦重は瀬川に身請けを断るようにと。

蔦重は瀬川を呼び出し、身請け話を鳥山に断ってほしいと頼みます。瀬川が今いなくなっては客が吉原から離れてしまうからです。

そして、鳥山は幕府の優遇に乗じて大金を稼ぐあくどい存在だと非難するのです。

瀬川はこれに立腹し、身勝手だと蔦重を責めます。すると蔦重は頭を下げ、涙声で懇願するのです。

蔦重(横浜流星)

後生だから、行かねぇで!俺がお前を幸せにしてぇの…だから、行かねぇでくださぃ。

瀬川の想い。

瀬川はずっと密かに蔦重に想いを寄せていました。その蔦重からの告白に一瞬戸惑いながらも、思わず笑顔がこぼれる瀬川。

夢見ることさえ許されない蔦重との「恋」。しかし、瀬川の境遇はそれを許しません。蔦重の胸にすぐさま飛び込めない現実があるのです。

「惚れた腫れたでは済まない吉原での恋」それは二人も承知していたはずです。でも蔦重は「足抜け」というご法度を計画してしまうのです。

年季明けを待って瀬川を身請けすると蔦重は約束し、二人はひそかに将来を誓うのです。お稲荷さんの前での二人の会話と仕草に喜怒哀楽が交差していまいました。

瀬川は身請けを断る。

瀬川は松葉屋の主人である半左衛門と女将の「いね」に身請けを断ると告げました。身代金千両でも断ったとなれば自分の値打ちも吉原の花魁の値打ちも上がると言います。

すると「いね」はあっさりと引き受け入れるのです。だが、それは瀬川と蔦重が想い合っていると察しているからです。

二人の恋は吉原の定めに反します。「いね」は証拠をつかんだうえで別れさせようと二人を監視するのです。

蔦重と瀬川は…

監視に気が付いた蔦重と瀬川は、二人きりで会うことを避け、密かに貸本に文を挟んで送り合って周囲を騙し続けます。

それでも「いね」の目はごまかせません。

瀬川襲名以来、松葉屋は多額の経費を使っているのです。だから「いね」は瀬川に一晩で5人もの客をつけるのです。

瀬川は…

花の井・瀬川(小芝風花)

先代の瀬川もこうやって気の進まぬ身請けをのまされたあげく自害したのでは?。

と言いますが、「いね」は動じません。

「あれは松葉屋の大名跡を潰してくれた、迷惑千万なばか女さ」と言います。

半左衛門が蔦重に忠告。

ある日の昼間、半左衛門は松葉屋の離れに蔦重を呼び出します。隣室では瀬川が昼間の客と床にいます。

半左衛門は女将のいねとある計画を立てていたのです。それは瀬川に奥の座敷で毎日複数の客の相手をさせることでした。

「半左衛門」は、障子を静かに開け、その現場を蔦重に見せます。そして、蔦重に忠告するのです。

…、「お前さんこれを瀬川に年季明けまでずーとやらせるのかい?」と…。蔦重は反論の余地もありません。

最後に、「重三、お前に今できることは何もしないと言う事さ」と何気に足抜けを諦めさせることでした。

蔦重はくやしさをかみしめるだけです。

このシーンは神回です。ぜひ、「NHKオンデマンド」で再視聴して下さい。

瀬川の足抜け。

この時期吉原は「玉菊灯籠という行事」でにぎわい、女性客も数多く訪れていました。女性が吉原に出入りするには通行切手が必要です。

蔦重は、蔦屋でも扱っている通行切手を使って、瀬川を吉原から足抜けさせる方法を考えます。

蔦重の妄想は…

1、当日最後の客が寝入ったら、瀬川は屋根伝いに松葉屋を抜け出し、待っている蔦重と落合います。

2,そして、変装して身をひそめ、朝一番に通行切手で大門を出て吉原をあとにします。

うつせみの足抜け。

覚悟を決めた蔦重は、通行切手と足抜けの方法を書いた文を貸本に挟み、瀬川に渡しました。

ところがその日、新之助とうつせみが、蔦重が考えたのと同じ手口で足抜けを試みるのです。二人は松葉屋の若い衆に捕まり、新之助は暴行を受けました。

うつせみも連れ戻されて、激しい折檻を受けました。

いねの折檻。

いねは松葉屋中庭で遊女たちがいる前で「うつせみ」を折檻しながら、皆に語ります。

「運良く追っ手から逃れたとしても、一生追われる身となった2人にどんな未来が待っているのか。根を張るような暮らしはできず、仕事を転々とすることになるに違いない」

「金に困って、あっという間に借金をしなければならない生活に転落」。

すると、「男は逆転を夢見て博打に手を出すようになる」。そんな膨らんだ借金を返すために、女は「身売りをしなければならなくなる」。

「せっかく遊郭から足抜けをしたのに、もっと粗悪な状況で客を取る羽目になるのだ」と。

いねの生きざまから発した言葉はとても重いものでした。

「いね」が瀬川に語る。

その後、「いね」は瀬川に語るのです。

「ここは不幸なところさ。けど、人生をがらりと変えることが起こらないわけじゃない。そういう背中を女郎に見せる勤めが瀬川にはあるんじゃないかい?」と。

その言葉は、瀬川の心にも重く響きました。

瀬川の名跡を継ぐとは見た目や所作を磨き上げることだけでなく、その生き様を後に続く者たちに見せるという責務があるのだと瀬川に語るのです。

瀬川の決心。

瀬川は、通行切手を挟んだ貸本を蔦重に返します。瀬川の手がそーと蔦重に触れ、未来を諦めたと告げるシーンに思わず胸が詰まりました。

瀬川は花魁が幸せになる道を見せる身として、生きていく決意をしたのです。そして、蔦重もそんな瀬川を引き止めはしませんでした。

花の井・瀬川(小芝風花)

このばからしい話を重三(蔦重)が勧めてくれたこと、わっちはきっと一生忘れないよ。

と、独り言を残し、瀬川は正式に身請けを決めたのです。

玉菊燈籠とは。

玉菊燈籠(たまぎく‐どうろう)とは、江戸新吉原の名妓玉菊の死をいたみ、その新盆に仲之町の引手茶屋がこぞってつけた灯籠のことです。

のちには吉原年中行事の一つとなりました。その行事の最中に、蔦重と瀬川は「足抜け」の計画をしますが、瀬川が断念しました。

新之助とうつせみも足抜けを試みましたが、松葉屋の若い衆に見つかり新之助は自殺未遂でうつせみは拷問を受けます。

この二組の叶わぬ恋を題して「玉菊燈籠恋の地獄」と週タイトルをつけたのですね。

「べらぼう」のあらすじ(ネタバレ)感想の一覧はこちら。

「べらぼう」第9話「玉菊燈籠恋の地獄」のネタバレ(幕府内の出来事)

第9話も寺田心さんが演じる田安賢丸のワンカットだけで終わりました。

「べらぼう」第9話「玉菊燈籠恋の地獄」の感想。

「うつせみ」の足抜けは失敗に終わりました。瀬川の足抜けは未遂でした。

吉原の女郎や花魁たちが正式に吉原大門を出られる(自由)のは、「身請け」か「年季明け」しかありません。

しかし「身請け」は一握りの吉原の遊女に限るのです。なぜなら、「身請け」には一般人では手が届かない大金が必要だからです。

瀬川の身請けは、松葉屋に1400両(1億4000万円らしい)が入りますからね。

では、「年季明け」での開放は非現実的なのです。遊女たちの年季明けは27歳前後でその平均寿命は22歳ほどだったとも言われています。

もし瀬川が蔦重との約束を守り、年季明けまで仕事をすれば、多くの客を接客し年季明けまでに命が尽きてしまう可能性もあります。

瀬川が様々なことを考えての結論は、ひとりの女性としての幸せよりも、吉原という場所の価値、多くの遊女たちの希望、そして蔦重の未来を守ろうとしたのではと思います。

だが、蔦重は大事な人を失いました。この経験が蔦重をどう強くしていくのか?まだまだ蔦重の青春時代は続きます。

視聴者の感想。

引用:ヤッフーニュース

「一瞬の恋の思い出が、一生心を温めてくれることもある。身を切られる思いで諦めた恋が、人を強くしてくれる。」 なるほど、おっしゃる通りです。

二人はきっと強くなるのでしょう。そして、今以上に自分のことよりも周りの人を大切に思う人生を送るのではないでしょうか。

花魁見習いの禿(かむろ)さんに「まだ取っておくでありんすか」と言われるほど、ボロボロになってしまった『塩売文太物語』。

それは、瀬川さんが子どもの頃に蔦重さんからもらった本。

オシドリが恩返しをしてくれて、大好きな彼と結ばれる物語。現実では成し得ない夢を描けることも、物語の魅力の一つだと思います。

すべてを歴史通りに描かなくてはならない決まりなど、ないでしょう。 誰よりも他の人のために尽くす二人。

誰かが二人に恩返しをし一緒になれる、そんな物語の結末になることを、お稲荷さんにお願いしたいです。

まとめ。

次週は第10話「青楼美人」です。

叶わぬの恋を二組を描いた第9話でしたが、これは吉原の中での話ではありません。人間が生きていく中で現実にも起きることです。

令和の格差社会の中で新宿で起きている少女売春などは貧困所帯を代表する社会現象ではないでしょうか。

そんな現実をべらぼう9話の視聴から感じました。