佐藤浩市が大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で演じるキャスト上総広常とは。

大河ドラマ2022年「鎌倉殿の13人」で佐藤浩市が演じるキャストは上総広常(かずさひろつね)という坂東の豪族です。

上総広常という武士は、源頼朝・義経の父にあたる源義朝の頃から源氏に仕えていました。所領は、上総(かずさ)と下総(しもうさ)の二カ国で、現在の千葉県です。

上総広常は、「坂東の巨頭」と表現されており、関東地方の最有力の豪族でした。

頼朝が平氏打倒のため挙兵した際は、なんと2万騎の大軍を率いて参陣したという記録があります。

参陣の折、場合によっては頼朝を討ち取ろうとも考えていたともされており、当時の武士らしい野心がうかがえます。

味方になれば頼もしいが、敵に回すと恐ろしい。そして、裏切る可能性をも秘めている、そんなある種の「怖さ」「凄み」を持った武士でした。

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の脚本は三谷幸喜です。

三谷幸喜によりその人物・上総広常像がどのように描かれるのか、佐藤浩市がどのように演じるのか非常に楽しみです。

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佐藤浩一が「鎌倉殿の13人」で演じるキャスト上総広常とは?

源義朝、頼朝の2代にわたって、源氏に仕えた武士・上総広常。

義朝が平治の乱で敗戦後は、一時的に平家に恭順しますが、後に対立し、平清盛に勘当されてしまいます。

上総広常とは!

平家姻戚の藤原親政が領国に勢力を伸ばそうとしたことで広常は危機感を持っていたと考えられます。

この政治的状況が背景となって、頼朝の挙兵に伴って広常は再び源氏に組みしたのでした。その後、富士川の戦いや佐竹氏征伐で活躍し、広常はその実力を示します。

ただ、源氏配下となっても大人しくしていないのが、上総広常という武将です。

1181年には、三浦氏が準備をした催しに来た源頼朝に対して下馬せず、馬上から挨拶するという無礼な態度をとります。

その後の酒宴でも、ひと悶着を起こし、頼朝が岡崎義実に与えた水干(すいかん・平安鎌倉期の男子装束の一種)をめぐり、あわや殴り合いの喧嘩となるところでした。

広常としては、自分を差し置いて、義実に美しい装束が与えられたことに我慢がならなかったのでしょう。

こうした我の強さが災いしてか、1183年には、広常は謀反の疑いをかけられ、梶原景時によって暗殺されてしまいます。

当時の娯楽であった双六(すごろく・現在のすごろくとは違う遊び)をしていた際に殺されたと言われています。

暗殺を命じたのはもちろん源頼朝ですが、その後広常が無罪であったことを察して後悔し、後に一族を赦免しています。

ただし、没収された所領が返還されることはありませんでした。

広常の初登場は第7話。

挙兵した源頼朝は「石橋山の戦い」で大敗し、房総半島で再起を図ります。

第7話「敵か、あるいは」で、平家方の豪族・長狭常伴の襲撃からも逃れた頼朝の“強運”に、広常は参陣を決断します。

ただ、頼朝から遅参を叱責されるのですが、

広常:「棟梁の器にあらずと見れば、わしはあの場で討ち取り、その首、平家に差し出すつもりであった。なかなかの男よの、源頼朝」と義時に話すのです。

広常は第8話で「助殿」を「武衛」と呼ぶ。

 第8話「いざ、鎌倉」では、頼朝との酒席で三浦義村から「佐殿」より尊称になる「武衛(ぶえい)」という呼び方を教えてもらいます。

それ以降は頼朝を鎌倉殿と御家人たちは呼びますが広常は親しみも込め、頼朝のことを鎌倉殿と呼ばず武衛と呼び続けるのです。

武衛がSNSで話題になった第8話でした。

広常が第10話でまさかの・・・

第10話「根拠なき自信」では、敵対する常陸の武士・佐竹義政から「おまえ、老けたなぁ~」と挑発されるシーンがありました。

すると広常はカチンと血が上り即座に斬り捨て、戦になるのです。

広常のかわいい場面は第12話

第12話「亀の前事件」では、政子に館を壊される「後妻(うわなり)打ち」に遭った頼朝の愛人・亀をかくまっています。

広常:「いつまで預かってりゃいいんだよ。俺に色目使ってきやがった。ああいう女は好かねぇ」

と義時にボヤくしーん。

そして、散乱した字の書き損じを義時に見られ、

広常:「若い頃から戦ばかりでな。まともに文筆は学ばなかった。京へ行って、公家どもに馬鹿にされたくねぇだろ。だから、今のうちに稽古してんだよ。人に言ったら殺す」

と読み書きの稽古中だと打ち明けるシーン。どちらも広常が愛らしくかわいい一面を見せたシーンでした。

広常が殺される第15話

第15話は「足固めの儀式」で、広常は大江の策略、いや頼朝の非情さでこの世から去ります。

この壮絶な広常の死で義時は悩み苦しみそして大人の武士にいや政ごととは何ぞやを学び鎌倉幕府の中心的な人物に成長するのです。

鎌倉殿の13人に登場する他のキャスト一覧はこちら
大河ドラマ2022「鎌倉殿の13人」のキャスト一覧。残りのキャスト発表。

佐藤浩市が出演した大河ドラマは?

  • 1990年:翔ぶが如く(役:坂本竜馬 )
  • 1993年:炎立つ(役:源義家 )
  • 2004年:新選組!(役:芹沢鴨 )

「鎌倉殿の13人」は平安時代末期~鎌倉時代を描いていますが、1993年の大河ドラマ「炎立つ」もだいたい同じ時代を描いています。

三部構成で、大河ドラマにふさわしい大作です。平安時代末期に東北の都・平泉を支配した奥州藤原氏の四代にわたる興亡が題材です。

佐藤浩市が演じたのは源義家。源頼朝の祖先にあたります。義家は、八幡太郎という通称でも知られており、新興勢力である源氏の力を伸ばした重要人物です。

「鎌倉殿の13人」と「炎立つ」、見比べてみるのも面白いですね。

佐藤浩市ってどんな人?

今は日本を代表する俳優というイメージの佐藤浩市ですが、血気盛んな頃があったようです。

佐藤浩市のエピソード。

時任三郎と殴り合いの喧嘩になり、一緒にいた真田広之や哀川翔には止めることができず、安岡力也が喧嘩を止めたというエピソードもあります。

また、皆さんもご存知かもしれませんが、佐藤浩市の父親は三國連太郎です。また、息子・寛一郎も俳優であり、俳優一家ですね。

ただ、佐藤浩市の幼少期に父の三國は家を出て、後に母親と離婚しました。佐藤は母親に育てられたため、三國との間に確執があったと言われています。

共演した映画「美味しんぼ」の制作会見でも、対立的な発言があり、周囲を緊張させる一幕もありました。

ただ、2000年代に徐々に和解し、親子関係が回復していきます。

2013年の三國連太郎の葬儀では喪主を務め、三國の映画現場への思いを語り、「最後にまた三國連太郎に教えられた思いがする」と述べています。

佐藤浩市ほどの俳優でも、時を経て子どももでき、人生経験を積むことで円熟していくものなのだと感じます。

映画を中心に多くの作品に出演しており、出演作は100を優に超えている名優 佐藤浩市が「鎌倉殿の13人」でどのような演技を見せるのか注目しましょう。

佐藤浩市が出演した映画1選。

2013年に公開した「許されざる者」

クリント・イーストウッド監督・主演のハリウッド映画「許されざる者」を日本版としてリメイクした作品です。

佐藤浩市は、村を牛耳る残忍な警察署長 大石一蔵を演じています。

主人公の人斬り十兵衛は渡辺兼が演じていて、迫力のある殺陣が魅力となっている復讐劇です。

まとめ。

2022年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に関する取材で佐藤浩市は「三谷さんが(脚本を)書かれているので、上総広常についても一筋縄ではいかない人物を書いてくれるはずです」とコメントしています。

前述のとおり、源頼朝の命令で上総広常が暗殺された後、謀反の疑いは濡れ衣であったことがわかりました。

その時、潔白を裏付けたのは、広常の鎧から見つかった願文でした。そこには謀反を思わせる文章はなく、頼朝の武運を祈る文章がつづられていたそうです。

そんな願文を広常は常に身につけていたのです。この逸話は、広常の人柄の二面性を示すものです。

豪気と忠心の両方を持ち合わせた広常は、複雑かつ魅力的な人間性を持った人物でしたね。