大河ドラマ2021年「青天を衝け」第15話「篤太夫、薩摩潜入」のあらすじ(ネタバレ)と感想をお届けします。
15話から栄一は名を改め「篤太夫(とくだゆう)」、喜作は「成一郎」と言う新しい名を円四朗から授かりました。
そして、栄一改め篤太夫としての初仕事は、なんと隠密調査でした。
その隠密の命は、…大坂の海から侵攻してくる外国勢に備える要職・摂海防禦を務める薩摩藩主・折田要蔵がいかなる人物であるか…を探れと円四郎は言うのです。
いよいよ喜作とともに、一橋家の下っ端として働くことになった栄一改め篤太夫(とくだゆう)。
それでも、外国人をやみくもに追い払うだけの『小攘夷』の考えは捨てられずにいました。
『篤太夫』という新しい名前をもらい大阪の薩摩藩士・折田要蔵を見張ることになりました。
そこで西郷と出会ったというのはもちろんフィクションなのでしょうが、先見の明のある西郷から、恩師の非業の最期の予言を聞いたことは非常に意義あることだったでしょう。
篤太夫は、大坂にある折田の塾に入門し、内弟子として働きながら折田の動向を探ることになりました。
さて第15話の家康さんの登場は、オーソドックスにタイトル後に登場しましたね。
先週は⇒青天を衝け第14話「栄一と運命の主君」のあらすじと感想。
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青天を衝け第15話「篤太夫、薩摩潜入」のあらすじ。
視聴率:15.3%
いよいよ渋沢栄一から『篤太夫』と名を変えた栄一、一方の喜作も『成一郎』と名乗るようになります。
わざわざ名前を変えたのは、『武士らしくない』ということのほかに、すでに栄一と喜作は半分お尋ね者となっていたので、幕府の追手を交わすという意味合いもあったような気がしますね。
とはいえここから、幕臣としての栄一が誕生したわけで、わくわくもしますね。
一方、一橋慶喜は将軍後見職を免じられ、新たに朝廷から禁裏守衛総督と摂海防禦指揮に任命されます。
篤太夫の主君・慶喜は家茂が成人したのを機に将軍後見職をやめ、禁裏後守衛総督として力を伸ばすようになります。
青天を衝け第15話「篤太夫、薩摩潜入」のネタバレ。
篤太夫の隠密活動。
「摂海防禦御台場築造御用掛(せっかいぼうぎょおだいばちくぞうごようがかり)」
渋沢栄一改め篤太夫は、お台場で外国船を打ち払うための砲台創設の顧問であった折田要蔵を見張るスパイとなったようです。
実際に篤太夫が一橋家のスパイとして活動していたかどうかはわかりませんが、要蔵のもとに篤太夫が弟子として入っていたのは事実のようです。
そこで篤太夫は外国船を打ち払うための軍事力と技術について知っていったものと思われます。
後に篤太夫は幕府の使節として、欧州に渡っていくものと思われるのですが、それがそれまでやみくもに外国を討つだけの『小攘夷』に傾いていた篤太夫が、
『外国の侵略から日本を守るためには、外国の技術と軍事力を吸収することが重要なのだ』という『大攘夷』論に傾くきっかけになると思われるのです。
篤太夫と西郷吉之助。
西郷:「あまい先んこつが見え過ぎる人間は往々にして非業の最期を遂げてしまうとじゃ」
篤太夫は折田要蔵を監視していく中で、彼が大ぼらを吹くだけの小人物だと分かりました。そんなある日、西郷吉之助(隆盛)と出会います。
もちろん篤太夫と西郷がこの時に出会っていたというのはフィクションと思われますが、西郷は篤太夫のあけすけな性格に興味を持つようになります。
円四郎と西郷については、当時円四郎は慶喜の側近、西郷は薩摩の一介の軍司令官ということで、顔を合わせていない可能性が高いと思われるのです。
ですが、それでも円四郎は一橋きっての切れ者ということで、その名声も悪評も西郷は知っていたものと思われます。
慶喜の禁裏後守衛総督とは?
禁裏後守衛総督は、朝廷を守る武士としての役職が強いもので、本来の武士の役割に近いもの。
(余談ですが、朝廷の周りに『候(そうろう)』ということで、『さぶらい』→『さむらい(侍)』という言葉が出来たといわれています)
これは、幕府の力が弱まり、代わって朝廷の権威が強くなってきたということ。
それを読み取った慶喜が、朝廷と強い関係を持つために、禁裏後守衛総督になったと思われるのです。
慶喜は禁裏後守衛総督になった後、会津藩主・松平容保と新撰組を使い、京の治安維持にあたらせる一方で、孝明天皇と強い関係を持とうという目論見を持っていたのではないかと考えられます。
しかしながら孝明天皇は突然急死し、後継ぎの明治天皇はまだ幼く、親薩摩派の岩倉具視に傾いてしまうのですから皮肉なものです。
水戸の天狗党とは
烈公と呼ばれた徳川斉昭亡き後、その志を継いで尊王攘夷運動の決起を行った天狗党。
ちなみに斉昭曰く「江戸では高慢な者を「天狗」と言うが、水戸では義気があり、国家に忠誠心のある有志を「天狗」と言うのだと主張している」そうですが。
藤田東湖の四男・小四郎は、攘夷の一環とされる横浜港の閉鎖が一向に進まないことに苛立ち、水戸で挙兵します。
彼らを止めようとしていた武田耕雲斎をも懐柔して大将とし、軍資金を集めるためにほうぼうの村民を恫喝・逆らえば殺害するという暴挙に出たのです。
このころ、藤田小四郎は渋沢栄一とも江戸で2度ほど会見したという話なのですが、栄一の説得は通じなかったとみるべきでしょう。
それがドラマでどのように描かれるのかはまだわかりません。
天狗党の決起の結果、関東一円の治安は極端に悪化してしまい、それが天狗党が頼みとしていた徳川慶喜に見捨てられるという結果を招いてしまうのです。
それどころか、禁門の変で尊王攘夷の急先鋒であった長州が京から追放され『朝敵』として政治力を失うと、
朝廷も「夷狄のことは、長州征伐がすむまではとやかくいわない」というようになり、天狗党は尊王攘夷の大義名分を失い、水戸藩の内部抗争の中で生まれた党としての色彩を強くしていきます。
やがてその暴挙に怒った幕府軍が追討の軍を向けると、天狗党はかつて恫喝した領民たちの反撃を受けて、その勢力を衰えさせていきます。
那珂湊などで戦った後、天狗党はついに幕府に投降。
しかし街での暴挙に怒っていた幕府によって牢でひどい扱いを受けたのちに、1865年3月1日、首謀者の武田耕雲斎・藤田小四郎が処刑され、ほかの幹部たちや家族も数か月かけて打ち首にされるのです。
栄一と天狗党がドラマでどのような会話をするのかはわかりません。
しかし天狗党による内部抗争のために水戸の政治力は衰え、慶喜が将軍となったのちも十分なバックアップが出来なくなるものと思われるのです。
青天を衝けのあらすじ(ネタバレ)感想のまとめ一覧はこちら。
→2021年大河ドラマ「青天を衝(つ)け」のあらすじ(ネタバレ)と感想のまとめ一覧。
青天を衝け第15話「篤太夫、薩摩潜入」の感想。
西郷は「橋本佐内同様、先を読みすぎる人間は、えてして人々の嫉妬や恨みを買ってしまい、非業の死を遂げる」と意味深長な言葉を渋沢に残しています。
西郷の言葉は的中し、次回(16話)で円四郎は暗殺されてしまうのですが、自分も安政の大獄でひどい目にあったからこそ、そのことがわかるのかもしれません。
この点は清河八郎や坂本龍馬についても同様のことが言えるでしょう。
清河は草莽の人物を集める才覚があったのですが、(集めた人物の一部がのちに新選組となっていくわけですが)あまりにも目立っていたために暗殺の憂き目にあった。
坂本龍馬も、自前の海援隊があまりにも経済力と輸送力を持っていたこと、大政奉還などであまりにも先見を持っていたために暗殺の憂き目にあってしまいました。
(龍馬暗殺の黒幕が薩摩藩、ひいては西郷隆盛という説もあるようです)
そのことで、篤太夫は円四郎の先に対して不安を抱くようですが、この時は篤太夫は一橋家の下っ端中の下っ端でどうすることもできなかったでしょう。
篤太夫がその時にできたことは、自前の武力を持たない一橋家に対して、つてを紹介して兵と軍事力を集めることしかできなかったと思うのです。
まとめ。
いよいよ第16話では、西郷の予言通り栄一の恩人である平岡円四郎が暗殺されてしまうわけですね。
切れ者で当時は有名だった円四郎ですが、それゆえに妬みや憎しみを買うことも少なくなかったようです。
まだ単純に異人を追い払う意味での攘夷を捨てきれない栄一に対して、円四郎がどんな言葉を残すのか。
これは前作『麒麟がくる』の明智光秀と斎藤道三の関係にも似ているように思えるのです。
そして、円四郎を守り切ることが出来なかった栄一と円四郎の妻・やすとの間には深い葛藤ができるはずです。
それについても見てみたいですね。
次週も楽しみです。⇒青天をつけ第16話「恩人暗殺」のあらすじと感想。
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