大河ドラマ2022年「鎌倉殿の13人」第37話「オンベレブンビンバ」のあらすじ(ネタバレ)と感想をお届けします。
先週の「鎌倉殿の13人」第36話「武士の鑑(かがみ)」では、義時と重忠とが一騎打ちで戦いましたね。
そして「畠山重忠の乱」は重忠が武蔵国に帰らず最期となりました。とても悲しいそして小四郎から義時に完全に乗り移る瞬間でもありました。
さて、37話は週タイトルのようにぐちゃぐちゃです。この意味は視聴すると解りますとのことで楽しみにしていました。
政子と大江広元らと新体制を始動させた北条義時は、息子の泰時を自身のそばに置き、強い覚悟で父・北条時政と向き合います。
一方、時政を蚊帳の外に置かれ憤慨する「りく」は、娘婿・平賀朝雅を担いで対抗することを画策し、
三浦義村を誘い、反撃ののろしを上げます。義村は義時の盟友ですのでこの策には乗らないと思います。
そんな、北条家内の対立が激化する中、源実朝は安心できる男・和田義盛のもとへ伺います。その場所が一番落ち着くのでしょう。
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畠山討伐の恩賞の沙汰を尼御台がしたことで、御家人たちは政の体勢が変わったと察し、時政の孤立はより明確になっていきました。
一方、夫の時政を蚊帳の外に置かれ憤慨するりくは、娘婿・平賀朝雅を担ぎだして対抗することを画策します。
時政から権力を奪った形になった義時と、実の息子に権力を奪われた形となった時政。生き馬の目を抜く戦いを勝ち抜いてきた北条家が真っ二つに割れようとしていました。
実朝は、息詰まると義盛の家に行き、息抜きをする生活をしていました。唯一、気を張らずに過ごせる場所ととして義盛の人柄は実朝の慰めになっていたのです。
しかし、そんなある日の帰り、実朝は時政の家に拉致されるように連れ帰られました。
出家をし、鎌倉殿の座を雅朝に譲るという起請文を書いてくれと時政に頼まれた実朝ですが「書く事は出来ぬ」と断ります。
この起請文がなければ自分は死なねばならぬだと詰め寄る時政に、一度は筆をとるものの、やはり書けぬと強い意志で断ります。
そんな頑な姿勢の実朝の目に映ったものは、時政が抜いた刃でした。
⇒柿澤勇人が「鎌倉殿の13人」で演じる役は源実朝。実朝は第3代征夷大将軍。
実朝が「落ち着く」という和田の館へまたも出向きます。このシーンはほのぼのしていいですね。実朝の笑顔も素敵です。
でも、実朝を見送る時に「一つお願いがあるのですが…鎌倉殿のことを親しみを込めて武衛と呼んでいいですか?」と突然言い出す和田義盛です。
⇒横田栄司が「鎌倉殿の13人」で演じるキャスト和田義盛とは?
「唐の国では親しい相手を武衛って」と説明しますが、同行していた八田知家は「だれからそんなことを吹き込まれた」と和田に注意しますよね。
和田は「ちがうの?」ときょとんとしますが、これは明らかに「和田義盛の乱=和田合戦」への伏線ですね。
実朝が舘に戻ろうとする時、三浦義村が実朝を迎えに来たといいながら「そうだ、そうだ、みんな武衛だ」と登場します。
そして実朝を時政の館へつれていくのです。ここから政時の謀反が始まりますね。
⇒山本耕史が「鎌倉殿の13人」で演じる三浦義村は義時の盟友。
思い起こせば、上総広常が源頼朝へ呼び掛けた言葉が「武衛」でした。
⇒佐藤浩市が大河ドラマ「鎌倉殿の13人」でキャスト上総広常を演じる。
「佐殿なんて呼ばねえ」とダダをこねていた広常へ、「武衛という言葉がありますよ、唐の国では親しい人を呼ぶときにこういうらしいです」とそそのかしたのが三浦義村です。
だが「武衛」と呼んでいた広常は、謀反の疑いをかけられ壮絶な最期を遂げましたよね。
⇒「鎌倉殿の13人」第15話「足固めの儀式」のあらすじ(ネタバレ)と感想。
「和田義盛の乱=和田合戦」は、1213年に北条氏を打倒するため和田が挙兵しますが敗れています。
時政の妻・りくの野望は留まる事を知りません。実朝に鎌倉殿を下ろさせ、娘婿の朝雅に跡を継がせようとします。
その後は、娘・きくが産んだ子が継ぐ、そうすれば自分達は鎌倉殿の祖父母となるのだと時政を焚きつけます。
しかし、実朝に自分は出家し、跡目を朝雅に継がせるという起請文を書かせるというとりくの策に、時政は浮かない顔でした。
りくの言う通りにすればこの先必ず息詰まることがわかっている時政は、「りく、儂ぁのう、望むものはもうない。
儂にとって一番の宝はお前じゃ。お前の喜ぶ顔を傍で観られたらそれで満足」と、本心を伝えます。
しかし、りくは「だったら、もっとりくを喜ばせて下さいな。りくは強欲にございます」と答えたのです。
その様子に、時政は全てを決心したように「ようわかった」とりくを抱き締めたのでした。時政はその後、りくを置いて御所を訪ね、政子・義時・実衣・時房と酒を酌み交わします。
昔を懐かしみ、政子が植えた茄子の苗木を植え直し、大姫が教えてくれたという「オンベレブンビバ」という呪文を唱えました。
「これを唱えれば良い事が起きる」んだと皆に言いますが、その呪文は違うのではないかと皆が口々に言い、
実衣が思い出した「ボンタラクソワカ」が正しいとなり4人で「ボンタラクソワカ」と大合唱を始めます。
笑顔の子ども達を見る時政の目はそれは優しいものでありました。
⇒坂東彌十郎が大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で演じる北条時政とは?
第37話「オンベレブンビンバ」の意味が解りました。
かつて時政の孫で頼朝の娘である大姫が“元気になるおまじない”として唱え出した「オンタラクソワカ」を指していたのですね。
当時の大姫が時政におまじないをするシーンを思い出し北条家の家族は酒を飲み交わしていました。
⇒南沙良が大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で演じるキャスト大姫とは?
大姫は6月19日放送の第24話は「変わらぬ人」で20歳の若さで亡くなりました。久方ぶりの北条家の団らんは和気あいあいとしていていました。
思えば1月9日に放送した第1話「大いなる小競り合い」では北条家は伊豆のいち豪族でした。のどかな日常を過ごしていましたが頼朝が北条家で匿ったことで時代が動いたのです。
北条時政は家族を何よりも大事に思う武将でしたが、権力を握って歯車が狂ってきました。
37話の家族との団らんは時政の覚悟と深い愛が感じられ、朗らかな場面でしたがとても切ないシーンでもありました。
時政は、りくの画策がうまくいかないことは解っていました。今まで北条家を守ってきた武将ですからね。
解っていたからこそ北条家で集まって飲み交わす最後の団らんは父としての存在を残しておきたかったのでしょう。
義時も、政子も実衣も時房も、うろ覚えの呪文を唱える家族の雰囲気は和やかで、その子どもたちを見つめる父・時政の顔つきはとてもあたたかく穏やかでした。
「オンベレブンビンバ」の“元ネタ”は、5月20日放送の第21話「仏の眼差(まなざ)し」でしたね。
21話では北条家の皆んなイキイキしていました。八重さんも生きていました。
ただ、大姫だけはいいなずけの源義高を失った後でしたので様子が変でした。場の空気を読めなくなっていたのです。
自らを「葵」と名乗り、まじないや魔除けにハマっています。時政とりくの嫡男(後の政範)が生まれた年でもあります。
大姫は祖父の時政を見て、りくが産んだ赤ちゃん(後の政範)に「命を吸い取られている」などと口走ります。
そこで大姫が“元気になるおまじない”として唄ったのが「オンタラクソワカ♪」です。(23分31秒)
⇒南沙良が大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で演じるキャスト大姫とは?
そして、政子が昔を懐かしんで作った畑を見て、時政が言いいます。「しょうがねえなあ」。伊豆の豪族時代から時政が度々口にしていた言葉です。
義時と時房と一緒に畑仕事に勤しむ時政のイキイキとした顔つき、そして二人の息子を見る眼差しにに心が和みます。
家族といる時間はこれが最後だと別れを決意しているのでしょう。なんとも切ないシーンです。この後に、時政が愛する”りく”の喜ぶ顔のために愚策に乗りだし行動するのでした。
⇒坂東彌十郎が大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で演じる北条時政とは?
37話では追い詰められた時政が危険な賭けに出ました。りくもまた「実朝様を引きずりおろし、平賀殿を鎌倉殿に」と企みを抱くのです。
時政が「父親に向かって、ようそんなことが言えるな」と義時に語ります。 一方、義時は「執権北条時政、謀反」と時政や”りく”と対立姿勢を示します。
義時の異母弟である時房は、「親子で争うのは良くないです」と義時に説得し、時政に対しても「北条は一つです」と告げるのです。
愛息子・政範を失った深い悲しみがもとで、時政に野心を進言し続けるりく。りくの野心は、北条家を2つに割れてしまう策だったのです。
政子は「もう父上を振り回すのはおやめなさい」と”りく”に忠告します。37話のイントロ部分です。
「りく=牧の方」が時政を振り回し歴史上でも悪女になっていますが、きっと純粋に夫・時政を慕う気持ちも含まれていると思います。
義時は、息子・泰時の任を解き、自分の傍に置いて学ばせる事にしました。
その一方で、義時は、りくの策略で時政が三浦を引き込み実朝を出家させ、雅朝を後の鎌倉殿に据えようとしていること知ります。
家族で酒を酌み交わした時に、時政自身もそうすれば必ず息詰まる事を知っていて、敢えてその道を選んだと理解した義時は、
「執権・北条時政謀反!これより討ち取る!」と断腸の思い出立ち上がりました。
時政の命乞いをする政子と泰時でしたが、「それをすれば北条は身内に甘いと日の本中から誹りをうけます。
此度の父上の振る舞い、決して許すわけにいきませぬ!」涙を堪えてそう言い放つのでした。
義時が泰時を傍に置いたのは、我が息子に己の覚悟を見せるためであったのです。
鎌倉殿の13人のあらすじ(ネタバレ)感想の一覧はこちらから。
⇒大河ドラマ2022年「鎌倉殿の13人」のあらすじ(ネタバレ)と感想の一覧。
起請文を書かない実朝に時政が刀を抜く場面で幕を閉じた37話。とっても切ない回になりましたね。
孫である実朝に刃を向けているが、時政は家族が大好きな武将です。でもりくの為にこの愚策に乗ったのです。
義時の軍がこの後多分押し寄せ時政は実朝の命を奪うことはないでしょう。
でも時政の心情は早く義時の軍が来て欲しいと願っていたのだと思います。
時政も、りくの言う通りにすれば行き詰まることはわかっている、でも言う通りにしてやりたい。
老いらくの恋と言ってしまうと酷い言い方になってしまいますが、ある意味恋は盲目ということでもあるかと。
その一方で、父親でもあり本来は自分の身の丈を知る人でもあるのです。だからこそ、失敗する事がわかっていて(結果的には)謀反を押し進めたのしょうね。
終わりにしたかったんだろうなぁ…と思うと、切ないです。
義時だって、自分の父親を殺したいわけが無い、でもここまでくると鎌倉のためにも、時政のためにも、討伐する以外に方法が無い。
時政の気持ちを汲んだ義時と、そこにはまだ気が付いていない北条の面々が「オンタラクソワカ~」と大合唱する様子は、すごく微笑ましいのに、同じくらい哀しく感じました。
それにしても、りくの「もっとりくを喜ばせて下さいな。りくは強欲にございます」は凄いセリフでしたね!
「全部、頼朝が悪い」「全部、比企が悪い」に続いて「全部、りくが悪い」が来たー!という感じでした!
次週は第38話「時を継ぐ者」です。「牧氏の変」の後半ですね!
刃を抜いた時政は実朝をどうするつもりなのか、時政討伐に向かった義時は一体どう戦うつもりなのか、北条の家はどうなるのか。
後鳥羽上皇の「義時、許さん」というセリフも気になります。
「鎌倉殿の13人」中盤の最大の見せ所になるのではと期待大です!
そして、遂に北条義時が権力の頂点に立つのでしょう。その後に承久の乱をどのように描くのか?
権力争いを分かりやすく描いてくれる三谷脚本が一層好きになります。
大河ドラマ俱楽部の管理人です。
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