大河ドラマ2025年「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺」第17話「乱れ咲き往来の桜」のあらすじ(ネタバレ)と感想をお届けします。
第17話からは「べらぼう」の第2章ですね。蔦屋重三郎(蔦重)の名が江戸中に広まり、耕書堂が一大ブームになります。
また、駆け落ちした旧友・新之助との再会するシーンもあり、それをきっかけに、蔦重が“往来物”という新たな出版ジャンルに挑む姿が描かれます。
驚きは、第1話でも登場した「ナレーター(語り)綾瀬はるか」がきつねの尻尾をつけての再登場です。
「べらぼう」の両軸である蔦重(吉原)と田沼意次(幕府)をつなぎ合わせる役割を果たしました。
綾瀬はるかの登場は、“語り”を超えて物語の「良心」や「記憶の案内人」として位置づけられています。
項目 | 内容 |
2025大河ドラマ | べらぼう~蔦重栄華乃夢噺 |
放送話 | 第17話 |
放送日 | 2025年5月4日(日) |
週タイトル | 乱れ咲き往来の桜 |
視聴率 | 9.5%(先週比:▼0.1%) |
さて、今週の「べらぼう」はいかがでしたか…。5月4日から第2章(第17話~)が始まりました。振袖新造の「かおり」が成長し「誰袖(たがそで)」となり立派な花魁になりました。
第2章からは、蔦重を想い続ける「誰袖」や奥様になる女性の登場など新キャストが続々登場します。
クリエイターの歌麿も登場し、出版業界への挑戦が増える蔦重の活躍を是非アマゾンのサブスク「NHKオンデマンド」に登録し観て下さいね。
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【耕書堂繁盛の光と影】「べらぼう」あらすじ。第17話「乱れ咲き往来の桜」
横浜流星 | (役:蔦屋重三郎) |
渡辺謙 | (役:田沼意次) |
福原遥 | (役:誰袖=たがそで) |
井之脇 海 | (役:小田新之助) |
綾瀬はるか | (役:語り) |
脚本 | 森下佳子(前作:2017年おんな城主直虎) |
蔦重は青本など10冊もの新作を一挙に刊行し、耕書堂の認知度は急上昇していきます。そんな中、うつせみと足抜けした新之助が突如と耕書堂に現れます。
その新之助との話の中で、子供が読み書きを覚えるための往来物と呼ばれる手習い本に蔦重は目を付けました。
一方、意次は、相良城が落成し、視察のため三浦と共にお国入りします。繁栄する城下町を見て、ある考えを思いつくのです。
その考えとは…
主人公は横浜流星が演じる蔦重こと「蔦屋重三郎」です。
蔦重が生まれ育った「吉原」とは。
蔦重は生まれ育った吉原で出版業の礎を作ります。ではその吉原が当時どんな役割をしていたか?現在の吉原とはちょいと違うようです。
【耕書堂繁盛の光と影】「べらぼう」ネタバレ。第17話「乱れ咲き往来の桜」吉原での出来事。
芝居『太平記白石』に登場した貸本屋「本重」が江戸で話題となり、そのモデルが耕書堂の重三郎だと知れ渡ります。
「細見を急ぎます!」というセリフが町娘たちの間で流行し、蔦重のもとには本人をひと目見ようとする客が押し寄せます。
綾瀬はるかの九朗助稲荷(きつね)が登場。
耕書堂の人気は大爆発です。芝居の影響で蔦屋重三郎の名が広まり、耕書堂が一大ブームになっています。
ナレーションを語る「綾瀬はるか」本人が、吉原シーンでは町娘風の姿で登場し、江戸城内ではかみしも姿で田沼意次の隣に座り、状況説明しました。
⇒綾瀬はるかは大河ドラマ2025年「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」稲荷で語りを担当。
彫師・四五六に圧力。
蔦重の耕書堂は一躍、時の本屋となっていきます。
しかし、市中の地本問屋たちはこの人気を快く思わず、耕書堂と関わる彫師たちに圧力をかけ始めます。
先ずは、鶴屋と西村屋は彫師・四五六に圧力をかけます。耕書堂の仕事を引き受けたら市中からの発注はないぞと脅すのです。
耕書堂を助ける彫師・四五六。
しかし、圧力を受けた彫師・四五六は蔦重の味方になってくれました。それは蔦重が年間20両を保証すると約束したからです。
彫師・四五六はきっぱりと市中の仕事を断ります。
年間20両という破格の契約で抱え込む施策も蔦重独自に考えですね。この契約で、四五六に圧力をかけた鶴屋喜右衛門や西村屋与八を出し抜きました。
いよいよ吉原での「べらぼう」は蔦重の本屋・耕書堂を中心に描かれることになります。
旧友・新之助との再会。
旧友・新之助が蔦屋にやってきました。かつて花魁・うつせみと吉原の祭り最後の日に足抜けした新之助が蔦重の前に現れたのです。
数年ぶりの再会は蔦重に何をもたらすのか。新之助は百姓になり村の子供たちに「読み書きそろばん」を教えていると言います。
「学がないと商人や役人たちに騙されてしまうからだ」と百姓たちを教育していると言います。「うつせみ」は村の女衆とも気が合い、今は「お福」と呼ばれています。
そんな訳で、新之助が江戸にやってきた目的は子供たちや村衆が学習(知識)する教本「往来物」と呼ばれる本の買い出しでした。
⇒井之脇 海(キャスト)が大河ドラマ2025年「べらぼう 」で演じる“小田新之助”とは。
往来物とは、
往来物とは、平安時代末期から明治初期にかけて、寺子屋や家庭で広く用いられた初等教科書の総称です。
もともとは往復の手紙文を例文として集めたものから始まり、後に単語集や短文集など、手紙の形式にとらわれない教科書も登場しました。
「べらぼう」では初学者のための教科書・実用文例集の総称です。新之助が住む村の子供たちが読み書きを学ぶ為の本です。
令和時代で東京書籍や光村図書などの教科書会社が沢山ありますよね。江戸時代の往来物は大人たちも手紙や年中行事、商用文を習うために使っていました。
新之助が抱えていた風呂敷包みの中には「庭訓往来」や「百姓往来」など珍しいものもありました。
そして、蔦重はそれらの本の流通過程を新之助に聞きました。これが蔦重の脳裏に光を与えるのです。
新たな出版ジャンル「往来物」への挑戦。
蔦重は、新之助の話をヒントにして、吉原の親父様たちに往来物の出版を手がけたいと相談します。
しかし往来物はすでに江戸市中で流通しており、地本問屋の丸屋小兵衛(まるやこへえ)が大きなシェアを握っています。
吉原の「忘八」たちでさえも、往来物は地本問屋が扱っていることを承知の助でした。それでも蔦重は1つだけ「勝ち筋」があると忘八たちに宣言するのです。
蔦重の「往来物」新販路開拓。
新之助からヒントを得た蔦重は蔦重がプロデュースする「往来物」の流通は江戸市中ではなく、江戸以外の地方であるという事です。
蔦重は、親父さんの駿河屋市右衛門の紹介で、越後国の豪農・長谷川に会います。また、松葉屋の半左衛門の紹介で信濃国の豪商・熊野屋にも会います。
その目的は彼らに農業関係の往来物(耕作往来)と商業関係の往来物(商売往来)の執筆と流通を依頼するのです。
蔦重のアイデアは地方の豪農や豪商は地元に顔がきき、自身が執筆に参加した本は積極的に売り出すことを蔦重は信じていたからです。
江戸ではなく先ずは地方が新規開拓販路だったのです。
誰袖(たがそで)の登場。
大文字屋の女郎見習い「振袖新造」の「かをり」が成長し「誰袖」と名乗り立派な花魁になりました。
相変わらず蔦重に想いを寄せていますが、今後、あることが「誰袖」に身に降りかかってきます。
⇒福原遥(キャスト)が大河ドラマ2025年「べらぼう」で演じる「誰袖」とは。
十文字屋が倒れる。
17話では、蔦重が本格的に出版界への挑戦していきますが、そんな中、大文字屋はいつも蔦重にキツイお叱りをしたいました。
そかし、そんな十文字屋が2度も心筋梗塞かもしれない表情が描かれます。これでもうすぐ退場してしまうのか?
それは何話なのか???
⇒伊藤淳史(キャスト)が大河ドラマ2025年「べらぼう 」で演じる大文字屋市兵衛とは。
北川豊章とは(歌麿か?)
蔦重はある日、ほかの問屋で出している青本に「北川豊章という絵師」が書いた挿絵を見つけます。
その挿絵の一枚は北尾重政、さらに、勝川春章、そして、礒田湖龍斎といった著名絵師の作風を巧みに模倣しています。
その挿絵を見ながら蔦重は明和の大火の際に救い出して、自身のもとで育てていた唐丸を思い出すのです。
それは、唐丸に同じ題材をさまざまな人気絵師の画に似せて描いた浮世絵を出版するアイデアを唐丸に聞かせていたからです。
「北川豊章という絵師」は唐丸ではないか?そんなことが蔦重の脳裏に浮かぶのです。
⇒渡邉斗翔(子役キャスト)が大河ドラマ2025年「べらぼう 」で演じる唐丸とは。
【耕書堂繁盛の光と影】「べらぼう」ネタバレ。第17話「乱れ咲き往来の桜」。江戸城内での出来事。
吉原シーンが終わった後のアバンは江戸城中にシーンが変わります。御三家に将軍職を引き継ぐ男子が存在しなく、家治の直系男子が望まれています。
そのきっかけを作ったのが田沼意次と大奥総取締役の高岳でした。亡き正室の妹か、遠縁にあたる娘が家治の前に現れたのです。
家治も最初は戸惑うが、姿や佇まい、言葉の端々に「血の記憶」が宿っていることを直感します。
ここでアバンは終了しタイトルに変わります。
田沼意次と源内が描いた国の繁栄。
家治の命で相良城(さがらじょう)を落成した意次は、視察のためにお国入りします。
意次は非業の死を遂げた盟友、平賀源内とともに構想した経済主導型の政策が実を結び、繁栄した城下町を見て歩きます。
町は大いににぎわっていました。
江戸に戻った意次は、国の繁栄は人事であると確信し幕閣の人事刷新に着手するのです。しかし息子の意見を取り入れないためその後事件が起きるのです。
⇒渡辺謙(キャスト)が大河ドラマ2025年「べらぼう 」で演じる田沼意次とは。
「べらぼう」のあらすじ(ネタバレ)感想の一覧はこちら。
⇒大河ドラマ2025年「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」のあらすじ(ネタバレ)感想まとめ。
【耕書堂繁盛の光と影】「べらぼう」感想。第17話「乱れ咲き往来の桜」
「百姓(新之助)の言葉が、江戸を変える、蔦重の出版革命の幕開け」。そんな感じで幕を開けたべらぼう第17話「乱れ咲き往来の桜」。
華やかな吉原の春景に彩(いろど)られながらも、ひときわ静かで力強い転換点となりました。
芝居で名を馳せた蔦重の耕書堂は次なる一手として“出版の本質”へと向っていきます。蔦重は、これまで絵草紙や芝居本といった“華”を追ってきました。
しかし、かつて足抜けした新之助との出会いが、吉原の情でも芝居の脚本でもない、百姓たちの願いを詰めた「往来物」へと導いてくれたのです。
この出会いは、まるで蔦重という編集者が“江戸の民衆”という読者と真に出会う一瞬であり、蔦重が一流のプロデューサーになる出発点だったのです。
「往来物」を「読む生活道具」として再解釈し、江戸の町人から地方の百姓、寺子屋の子供にまで届けようとする蔦重の構想は、言うなれば“民衆インフラの出版化”です。
それは、情報の一方通行だった時代において、「読む力をすべての手に」という、まさに革命的な着眼だったのです。
“べらぼう”とは、奇抜で、破格で、前例のないことです。
蔦重の眼差しが「往来物」という名の古書に向けられたとき、それはまさに、江戸出版界を揺るがす破格の予兆だったのです。
17話の蔦重は、“売り手”が“伝え手”へと進化する瞬間を描いた、静かなる出版革命の幕開けでもあります。
後年「情報とは誰のものか?」という問いを世に投げかける、シリーズ中でも屈指の転換点となる一話と言えると思います。
まとめ。
第17話は、蔦重の出版観が「娯楽」から「記録・教育・民意の可視化」へと進化していきました。
物語の構成は、
- 吉原の桜が満開を迎え、江戸の町が春のにぎわいに包まれる。
- 蔦屋耕書堂は芝居本のヒットで繁盛し、蔦重も一時の充実を見せていた。
- そんな中、かつて足抜けした井之脇海が演じる小田新之助が、数年ぶりに蔦重の前に現れる。
- 新之助は今、江戸郊外で百姓として暮らしており、「村人たちのために往来物(初等教育用の本)を探しに来た」と語る。
- 彼が携えていた手製の往来物には、農村の知恵・暮らし・唄が記されており、蔦重はその内容に強く感銘を受ける。
- 蔦重はこの本をもとに「民衆のための実用書」として再編成・出版することを決意。
- 芝居や色物ではなく、庶民の暮らしと知恵を“記録し、売る”という、出版人としての新たなビジョンが芽生える。
一方、田沼意次は経済の力を利用する新たな政の布石を打とうとしています。そして…
物語のラストでは、北川豊章の名が飛び出します。その名は喜多川歌麿の最初の号です。いよいよ次週はクリエイター大集合ですね。
次週は第18話「歌麿よ、見徳は一炊夢」です。
大河ドラマ俱楽部の管理人です。
NHK大河ドラマをこよなく愛し毎週楽しみに視聴しています。
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