大河ドラマ2025年「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺」第20話「寝惚けて候」のあらすじ(ネタバレ)と感想をお届けします。
第20話の視聴ポイントは
- 蔦重と太田南畝の出会い。
- 次の11代将軍後継者は一橋家から。
です。
蔦重は黄表紙、細見の他に狂歌と言う新たなジャンルを発見するのです。一方幕府は次の将軍候補は一橋家からと決めたのですが・・・。
その裏に隠されていたのは一橋家と薩摩藩の駆け引きだったのです。
項目 | 内容 |
2025大河ドラマ | べらぼう~蔦重栄華乃夢噺 |
放送話 | 第20話 |
放送日 | 2025年5月25日(日) |
週タイトル | 寝惚けて候 |
視聴率 | 9.7%(先週比:△0.1%) |
さて、今週の「べらぼう」はいかがでしたか…。5月4日から第2章(第17話~)が始まりました。振袖新造の「かおり」が成長し「誰袖(たがそで)」となり立派な花魁になりました。
第2章からは、蔦重を想い続ける「誰袖」や奥様になる女性の登場など新キャストが続々登場します。
クリエイターの歌麿も登場し、出版業界への挑戦が増える蔦重の活躍を是非アマゾンのサブスク「NHKオンデマンド」に登録し観て下さいね。
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【大田南畝との出会い】「べらぼう」あらすじ。第20話「寝惚けて候」
第20話「寝惚けて候」は、『菊寿草』で『見徳一炊夢』や耕書堂が高く評価された蔦重は、須原屋と大田南畝の家を訪ねます。
そこで近頃、江戸で人気が出ている“狂歌”を知った蔦重は、南畝から「狂歌の会」への誘いを受けるのです。
一方、意次は、家治が次期将軍に一橋家の豊千代を、御台所には種姫を迎える意向であることを治済に伝え、将軍後継問題は決着するかに思われたのですが…。
主人公は横浜流星が演じる蔦重こと「蔦屋重三郎」です。
蔦重が生まれ育った「吉原」とは。
蔦重は生まれ育った吉原で出版業の礎を作ります。ではその吉原が当時どんな役割をしていたか?現在の吉原とはちょいと違うようです。
⇒大河ドラマ2025年「べらぼう」の舞台は蔦屋重三郎が育った「吉原」とは。
蔦屋重三郎、狂歌連への参加。
蔦重は、江戸の風刺文化の中心である狂歌連に参加します。
狂歌連は、当時の社会や風俗を風刺する短歌を詠む集まりで、蔦屋の参加は彼の文化人としての側面を強調しています。
この参加により、蔦屋は新たな人脈を築き、後の出版活動にも影響を与えることになります。
一橋治済の暗躍。
一橋治済は、将軍継嗣問題を巡り、幕府内で暗躍を続けています。
彼は自らの息子・一橋豊千代(後の11代将軍・家斉)を将軍に据えるため、以前から幕府内に暗躍を繰り広げていました。
治済の策略や裏工作が、表面化していきます。
【大田南畝との出会い】「べらぼう」ネタバレ。第20話「寝惚けて候」。江戸市中。
「見徳一炊夢」から始まる、蔦重と太田南畝の出会い。
「見徳一炊夢』とは。
喜三二が吉原に“居続け”しながら描いた風刺と艶笑に満ちた黄表紙作品。「見徳(みるがとく)」という通称の通り、遊里の情緒・皮肉・儚さを戯れ言の中に込めた文化的仕掛け本です。
この作品が登場することで、黄表紙というジャンルが“ただの戯れ”から“文芸”へと昇華しつつある兆しを見せました。
大田南畝の存在。
大田南畝(なんぽ)は、将軍家治の御側衆付きの下級幕臣ながらも、「狂歌師・蜀山人」として町人文化に飛び込む数奇な人物です。
彼が「見徳(みるがとく)」を黄表紙評判記『菊寿草』で絶賛したことにより、町人文学に幕臣知識人が評価を与えるという“文化の橋渡しが描かれます。
「やぁ蔦屋殿、お主のような男がもっと増えれば、江戸は愉快でござろうな」
この一言が、南畝の人物像を象徴します。格式を笑い、貧しさを笑い、すべてを笑い飛ばす知のユーモア人…それが太田南畝です。
⇒桐谷健太(キャスト)が大河ドラマ2025年「べらぼう 」で演じる大田南畝とは。
狂歌連への誘い
蔦重が誘われた狂歌連(きょうかれん)とは、町人から文人、遊女、浪人に至るまであらゆる身分を越えて、言葉遊びを通して“風刺”と“連帯”を楽しむ場です。
ここに蔦重が足を踏み入れることで、彼は「出版人」から「表現文化の演出家」へと、さらに一歩前進するのです。
文化の交差点としての江戸
町人・武士・文人が隔たりなく交わる「言葉の場」としての狂歌連。黄表紙は遊里から生まれ、狂歌連で鍛えられ、江戸中に広まります。
それを牽引するのが蔦重であり、喜三二であり、春町のトリオです。そしてこの南畝もまた、別の階層から言葉の革命を支える同志となるのです。
「見徳一炊夢」の成功と大田南畝の称賛は、江戸の文芸と風刺が“遊び”から“文化”へ進化する転機であり、蔦重にとっても、町人文化を超えて“江戸の思想”を動かす存在へと成長する一歩なのです。
蔦屋重三郎VS地本問屋鶴屋。
20話でも、江戸の出版戦争が蔦重と鶴屋の対立で描かれました。出版という“火の商売”で、最も熱を持ったふたりの男が、言葉少なく火花を散らしていました。
地本問屋の老舗である鶴屋喜右衛門は、格式と流通網に守られた「出版の安定勢力」の代表です。
その勢力に対立するのは、風のような本屋、蔦屋重三郎(蔦重)で掟破りと才気で攻め込む「出版の革命児」です。
この二人の視線と台詞は「出版とは何か」という哲学であり理念です。どちらの本が“次の時代を照らす灯”になれるのかという争いでもあります。
鶴屋の出版理念は、「売れりゃあいいってもんじゃねぇ。人の道がある」一方蔦重の出版理念は、「人の道を踏み外さずに、新しい道は見つかりませんよ」
だと思います。
二人の対立は、江戸の出版業界を塗り替える文化の奪い合いであり、未来の編集権をめぐる静かな戦の始まりなのです。
今後増々、互いの「作家、絵師、彫師たち」をめぐる水面下の綱引きが始まっていくでしょう。
⇒風間俊介(キャスト)が大河ドラマ2025年「べらぼう 」で演じる鶴屋喜右衛門とは。
【大田南畝との出会い】「べらぼう」ネタバレ。第20話「寝惚けて候」。江戸城内。
一橋治済と薩摩藩の政略とは。
一橋家は御三卿の一つで、将軍家の後継者候補を輩出する立場にありました。
治済は自分の子・一橋豊千代(のちの11代将軍・徳川家斉)を将軍にすべく、幕府内での影響力を強めたいという強い野心を持っていました。
そのためには、外様の有力大名との縁戚関係が必要だったのです。
薩摩藩茂姫との縁組。
茂姫は薩摩藩主・島津重豪(しげひで)の娘です。薩摩藩は外様大名の中でも特に大藩であり、政治・軍事ともに力を持っていました。
治済はこの外様の名門と縁戚となることで、幕府内外への影響力を強めることを狙ったと考えられます。
当時、幕府内では田沼意次派と松平定信(寺田心が演じています)ら保守派の対立もあり、治済にとっては「薩摩との連携」が切り札になり得たのです。
縁組の効果と後の影響は。
この縁組により、一橋家は名実ともに幕府の中核に近づきます。実際、治済の息子である家斉は10代将軍・家治の死後、将軍職に就任します。
そして茂姫はのちの正室・広大院(こうだいいん)となり、治済の夢は結実します。
このことは、 一橋治済の権威が上昇しますが、まだこの時点では、蔦重達の江戸市中への市政への影響はありません。
⇒生田斗真(キャスト)が大河ドラマ2025年「べらぼう 」で演じる一橋治済とは。
【大田南畝との出会い】「べらぼう」第20話「寝惚けて候」の主なキャスト。
綾瀬はるか | (役:語り) |
横浜流星 | (役:蔦屋重三郎) |
渡辺謙 | (役:田沼意次) |
桐谷健太 | (役:大田南畝=おおた・なんぽ) |
染谷将太 | (役:喜多川歌麿) |
風間俊介 | (役:鶴屋喜右衛門) |
西村まさ彦 | (役:西村屋与八) |
脚本 | 森下佳子(前作:2017年おんな城主直虎) |
べらぼうに出演しているキャストの一覧はこちら。
⇒【豪華】キャストが出演する大河ドラマ「べらぼう」配役一覧。
【大田南畝との出会い】「べらぼう」の感想。第20話「寝惚けて候」
20話では蔦重が珍しく酔態していましたね。
蔦重が大田南畝と出会い、狂歌の世界に魅了されるシーンは、狂歌を現代風の「ラップ」のように描いていました。
また、酔った蔦重が「狂歌、流行らせる!」と寝言のように宣言して眠るシーンは週タイトル「寝惚けて候」に繋がる粋なオチなのでしょう。
一方、江戸城内では将軍継承を巡る政争が激化していました。田沼意次が一橋家の豊千代を次期将軍に推すシーンでは治済は素直に喜んでいません。
「治済の策士ぶり」が20話でも描かれました。
また、島津重豪の激怒も織り込み済みで、茂姫が正室に、種姫は紀州徳川家に嫁ぐことに決まるなど、政争の裏に潜む“粋”な読み合いが描かれました。
島津重豪は家斉が将軍になると外戚として薩摩藩の改革に取り組みながらも、曾孫の島津斉昭を大変可愛がったと言われています。
今までの「べらぼう」のあらすじとネタバレそしてその感想の一覧はこちらからお読み下さい。
⇒大河ドラマ2025年「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」のあらすじ(ネタバレ)感想まとめ。
まとめ。
べらぼう第20話「寝惚けて候」は、文化と政争が交錯する濃密な一話となりました。狂歌の会の描写にリアルな文化描写を感じながらも、酔っ払う蔦重がとても可愛かったですね。
「文化と政権の交差点」20話もほんと見応えがありました。
次週は第21話「蝦夷桜上野屁音(えぞのさくらうえののへおと)」です。
大河ドラマ俱楽部の管理人です。
NHK大河ドラマをこよなく愛し毎週楽しみに視聴しています。
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