大河ドラマ2022年「鎌倉殿の13人」第42話「夢のゆくえ」のあらすじ(ネタバレ)と感想をお届けします。
先週の第41話「義盛、お前に罪はない」では遂に鎌倉初期最大の武力抗争「和田合戦」が勃発し鎌倉が戦場になりました。
そして、第42話「夢のゆくえ」のエンディングでは実朝が鎌倉に源氏の鎌倉幕府を創ると言い出します。
源実朝が京の都の後鳥羽上皇に接近する決意が描かれています。
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「鎌倉殿の13人」第42話「夢のゆくえ」のあらすじ。
視聴率:11.3%(±0%)
「私だよ…?上皇様だよ?」
『安寧の世を築きたい』そう決意した実朝の夢枕に後鳥羽上皇が立ち「北条に惑わされるな、義時は食わせ物よ」と、実朝にそう伝えました。
実朝は、ますます後鳥羽上皇を頼りに思い、お飾りの鎌倉殿から脱しようと心を決めました。
義時が和田一門を滅ぼした事が、結果として実朝を覚醒させることとなったのです。
さて、建保2年(1214年)6月。和田合戦から1年が過ぎました。
北条泰時をそばに置き、自身の政を進めていくのです。
一方、鎌倉内での地位を盤石なものとした義時は、妻・のえに勧められて執権を名乗ることを決断します。
吾妻鏡
建暦3年(1213)5月5日条
謀反を起こした和田義盛の後任として、北条義時が侍所別当に就きました。
未熟な実朝らをけん制するためです。
実朝と義時との関係がうまくいっていないことに政子が気をもむ中、源仲章が京から戻ってきました。その目的は・・・。
「鎌倉殿の13人」第42話「夢のゆくえ」のネタバレ。
予告編。
実朝が「この鎌倉を源氏の手に取り戻す」と告げ、後鳥羽上皇を後ろ盾とすることを決める第42話。
京から戻ってきた源仲章の紹介で対面した宋の技術者・陳和卿に、
と尋ねます。
そして、八田知家ら御家人たちが唐船建造に励みます。
一方、義時は「船など、必要ござらぬ!」と実朝の前で告げますが、
泰時は父・義時に対して、
と声を荒げ、「鎌倉は誰の者」とのナレーション。
と真剣な表情を見せる義時。見つめ合う政子と大江広元の姿も気になりますね。
その時、実朝は。
実朝は、和田義盛を倒し、幕府内での地位を盤石にした義時のやり方を好きにはなれません。
和田義盛はもっとも好きだった御家人でしたからね。
そこにつけ込むのが後鳥羽上皇です。実朝に和歌を通してアプローチして義時を排除しようと試みるのです。
後鳥羽上皇に心酔している実朝は、鎌倉を己の手に取り戻すべく泰時を傍に置き政に取り組んでいきます。
実朝の前に源仲章が現る。
そんな時、源仲章が、京から東大寺大仏殿を再建した陳和卿を連れて来ました。
吾妻鏡
建保4年(1216)6月15日条
源実朝が陳和卿を御所に召して対面しました。陳和卿は三度拝礼するとたいそう涙を流し、困惑する実朝に「前世において、あなたは宋朝の医王山の長老で、私はその門弟でした」と語りました。
陳和卿は実朝に会うなり泣き始め、自分達は初めて会ったのではない、前世で実朝は宋の国・育王山の長老で、自分はその門弟だったと言い出しました。
戸惑いを隠せない周囲のなか、実朝だけは違いました。この場面を夢にみたことがあると言うのです。
実朝の夢日記。
実朝のつけている夢日記の通りのことを言う陳和卿に実朝はすっかり心を許し、「大きな船を作りましょう。
誰も見た事がない大きな船。
それで宋へ渡り交易を行うのです」という陳和卿の提案を受け入れます。
吾妻鏡
建保5年(1217)4月17日条
陳和卿が唐船を造り終えました。そこでこの日、数百人の人夫を御所家人から差し出させ、唐船を由比浦に浮かべることになりました。
御家人の負担が大きすぎる、西の御方(上皇)の言いなりになるのは如何なものかと止めに入る義時たち。
しかし、泰時の機転で阻止され、陳和卿や知家を中心に船は順調に建設されていきます。
船が出来たら、一緒に宋へ渡ろうと千世や泰時に嬉しそうに話す実朝ですが、この船が海に浮かぶことはありませんでした。
実朝の宋船計画は失敗。
実朝の計画は失敗してしまいます。
船の重さの値が異なっていて、海に浮かぶどころか、砂浜にめり込んでぴくりとも動かなかったのです。
造船の責任者となった知家が「この仕事を最後に隠居しようと思っている」と言っていましたね。
その言葉通り、八田知家は43話で静かに退場しました。
⇒市原隼人が「鎌倉殿の13人」で演じる13人の1人八田知家とは?
実朝の大御所宣言。
意気消沈する実朝は、絶対的な力をつけなさいという政子の言葉と考えを受け入れます。
鎌倉殿を辞し大御所となると言うのです。
そして次の鎌倉殿には「朝廷に連なる特に高貴な血筋をもらいうけることにした」そう高らかに宣言するのでした。
⇒柿澤勇人が大河ドラマ2022「鎌倉殿の13人」で演じる役は3代将軍源実朝。
その時、義時は。
後鳥羽上皇に心酔した実朝が自我を持ち、泰時を傍に置いて政を進めようとすることを義時は快く思っていませんでした。
やがて義時は、北条の力を強める為についに『執権』を名乗る決意をします。
そんな折、仲章が連れて来た陳和卿に心を許した実朝が、船を作る事を決めます。
裏で京が手を引いている事をわかっている義時は大反対をしますが、泰時の機転でそれを阻止されます。
表立っての中止が叶わなくなった義時は、時房とトウに命じて船の重さの値を書き換えさせました。
⇒山本千尋が「鎌倉殿の13人」で演じる役は善児に育てられた”トウ”
船を作る事に全てをかけた知家や陳和卿、多くの御家人たちの目の前で、
船が海に浮くどころか砂浜から少しも動かないという失敗を実朝に見せつける事で実朝の面目を潰し、自我を摘んだのです。
しかし、実朝は鎌倉殿を辞し自分は大御所となり次の鎌倉殿を盛り立てると言い始めます。
次の鎌倉殿には朝廷所縁のものを据えると聞き、義時は激怒しました。
「鎌倉殿とは武士の頂に立つ者のことでございます」声を荒げ、なんとかしてこの流れを止めようとする義時でしたが、政子が実朝に味方し一気に疎外されてしまいます。
「このままでは済まさん」義時は、そう呟くのでした。
義時の息子・泰時は実朝の側近に。
物語前半で、泰時は実朝の側近として評議に加わっていました。泰時は、実朝にけん制する義時に決して怯まず意見をいいます。
義時が泰時に向かって「お前はどういう立場でそこに座っているのだ」という問いに対して、
と応えます。
泰時は鎌倉が激動する中で、義時のやり方には疑問でしたが、その立ち回り方をよく見ていたと思います。
義時の息子・泰時の洞察力。
泰時は実朝が夢日記を語っていた時、実朝と陳和卿のやりとりを注意深く聞き源仲章の表情を観察していました。
仲章に不審な点を感じとる泰時の表情は頼朝に仕え続けてきた義時の顔つきに似ていましたね。
義時の息子・泰時の覚醒。
第42話エンディング近くで実朝は外から養子を取ると言い出しました。
義時は、鎌倉殿は代々源氏の血筋から出ていると待ったをかけます。
と、はっきりと父・義時に異議を唱えました。
と声を荒らげた後も、義時を強い目つきで見据え続けていましたね。泰時は、確実に、義時と対等に立ち向かう覚悟を感じます。
⇒坂口健太郎が「鎌倉殿の13人」で演じる北条頼時(泰時)はいつから登場する?
義時の父・時政の最期。
吾妻鏡
建保3年(1215)1月8日条
伊豆国から鎌倉に飛脚が到着。今月6日の戌の剋(いぬのこく/午後7時~9時)に北条時政が亡くなりました。
第42話では伊豆に隠居した義時の父・時政の姿が映し出されていました。
時政の孫・泰時と話をするシーンはとても穏やかな顔立ちで以前、実朝に迫った表情を忘れるほど穏やかな顔立ちでした。
この時政らしい純粋な言葉に、泰時は言葉を返すことはできませんでした。
時政はこの伊豆の地で余生を過ごしたそうです。
⇒坂東彌十郎が大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で演じる北条時政とは?
その時、政子は。
慎ましやかに、身内の誰一人欠けることなく暮らせるだけで良かった。それが、政子の願いでした。
しかし、「いい加減覚悟を決めるのです。あの源頼朝と結ばれたというのは、そういうこと。
人並みの人生など望むべきもありません」そう丹後局に諭され自分なりに考え決断する事を心に決めました。
実朝を頼家と同じようにしたくない政子は、周囲と調和を図りながら実朝のしたいようにさせる道を選びますが、それはなかなか上手くいきませんでした。
大船が失敗し、意気消沈しする実朝を政子は叱咤激励します。
吾妻鏡
建保5年(1217)4月17日条
唐船を海に浮かべる作業を見守っていた源実朝ですが、頓挫したため御所に帰りました。船はそののち、むなしく砂浜で朽ちたようです。
「自分の政がしたければ、もっと力をつけなさい。御家人たちが束になってかかっても跳ね返すだけの大きな力を」
それでも戸惑う実朝に、政子は「あなたが鎌倉の揺るぎない主となるのです」そう言って、実朝にある策を授けたのでした。
政子の胸の内。
京からやってきた丹後局を前に、政子は胸の内を打ち明けます。すると、
政子はその言葉を聞いて決心したような表情でしたね。とはいえ、すぐに変わることはできません。
政子は大江の忠告を実行。
と思わず声をあげました。
政子はこの場に及んでも人並みの生活を望んでいたのでしょうか?
そんな政子に広元は懇々と語ります。
この瞬間、広元の誠実な表情に心打たれ政子は覚醒するのです。
⇒栗原英雄が大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で演じる大江広元とは?
政子は実朝の味方?
第42話は実朝が計画実行した宋の国へ渡る造船計画は失敗に終わりました。
実朝は落胆します。
ただ、政子の表情は、丹後局や広元の前で見せたような迷いはありません。
そして、皆が集まる前で政子は
実朝の考えに異を唱える義時を、政子は一蹴するのでした。
「鎌倉殿の13人」のあらすじ(ネタバレ)感想はこちら。
⇒大河ドラマ2022年「鎌倉殿の13人」のあらすじ(ネタバレ)と感想の一覧。
「鎌倉殿の13人」第42話「夢のゆくえ」の感想。
最終話に近づくと、あちこちに悲劇フラグが立っていくような42話でしたね。
気が付かず朝廷の意のままになる実朝に、我が子可愛さに頼朝の悲願『源氏の棟梁』を忘れて朝廷の策に嵌る(そう見える)政子。
そして繊細さゆえに政に向かない実朝。
承認欲求の塊と化しそうな実衣に、まだまだ甘ちゃんな泰時。それらを束ねて行かねばならない義時の苦悩やいかに…というところですが、
義時の本心もいまいちわからず。
頼朝を想ってのことなのか、北条だけを想っているのか…。
まさにそれぞれの「夢のゆくえ」はどこなのだろうと考えさせられる42話でした。
テーマとしてはかなり重いのですが、ネットでは「八田殿最終形態!」なんて騒がれるくらいに、知家の鍛え上げられた肉体美と、
負けじと(なぜか)脱いで見せた義村の肉体美も話題に。
先代上皇に続き、鎌倉殿の夢枕に立つ後鳥羽上皇、そして2代続けて夢枕に断たれ続ける鎌倉殿。
笑っていいのか、真剣に考えなければいけないのか、感情の置き所に困る42話でもあり、さすが三谷作品!という感じです。
そんな中、最後の登場となったのが北条時政。
政を離れ、本来の自分を取り戻した穏やかな笑顔での退場に、心がほっと温かくなりました。
まとめ。
第42話のエンディングは、泰時と政子が義時と対立するシーンで終わりました。
義時も泰時も政子も、安寧の世を求めていることには違いないのです。しかし、その戦術が違っていました。
頼朝がいた時代とは変わっていたのかも知れません。
泰時と政子は、力で支配する政でない道を探しています。一方、義時は頼朝からの教えを忠実に守っています。
来週第43話は、鎌倉殿を辞すことを決めた実朝。そこに修行を終えた公暁が帰還します。
公暁は次の鎌倉殿になることを熱望していて、それにはどうやら乳母である義村が噛んでいる様子です。
さらに、京から養子を迎えることに反対の義時と実衣。
そこへいよいよ、京からの手紙が届きます。「資格と死角」ですからね…色々種明かしというか、見えてくる部分があるのでしょう。
佳境を迎え、ますます目が離せない展開!ドキドキしながら次週を待ちましょう。
違う道を探っている泰時と政子。第43話以降で義時がどう動くかも気になります。
大河ドラマ俱楽部の管理人です。
NHK大河ドラマをこよなく愛し毎週楽しみに視聴しています。
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