大河ドラマ2025年「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺」第22話「小生、酒上不埒にて(さけのうえふらちにて」のあらすじ(ネタバレ)と感想をお届けします。
第22話の視聴ポイントは、
- 恋川春町が描く「作り文字」と
- 吉原の花魁・誰袖は策士か。
です。
恋川春町の気難しさを蔦重が操りながらも歌麿と喜三二と共に春町を説得し春町は「作り文字」という春町文字を作り出します。
また誰袖は青本を書きたいと蔦重に迫り、その才能を開花させますが、それは誰袖の身請けの策でもあるのです。
項目 | 内容 |
2025大河ドラマ | べらぼう~蔦重栄華乃夢噺 |
放送話 | 第22話 |
放送日 | 2025年6月8日(日) |
週タイトル | 小生、酒上不埒にて(さけのうえふらち) |
視聴率 | 9.4%(先週比:▼0.6%) |
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【春町が酒上不埒に】「べらぼう」第22話あらすじ。「小生、酒上不埒にて」
江戸・深川で開かれた狂歌連の酒席で、恋川春町が突如として「筆を折る」と宣言を第21話のラストシーンで描かれました。
「もう、自分の筆では、世の中を笑い飛ばせない」その言葉は、集まった者たちに衝撃を与えました。
それから10日が過ぎた頃、蔦重は春町の家を訪ねていました。喜三二の新作の絵付け依頼がその大義でした。
一方、吉原の大文字屋では吉原随一の花魁・誰袖が、田沼意知(意次の息子)と密談をしていました。それは、誰袖自身の身請け話しでもあったのです。
主人公は蔦屋重三郎(蔦重)
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主人公は横浜流星が演じる蔦重こと「蔦屋重三郎」です。
蔦重が生まれ育った「吉原」とは。
蔦重は生まれ育った吉原で出版業の礎を作ります。ではその吉原が当時どんな役割をしていたか?現在の吉原とはちょいと違うようです。
⇒大河ドラマ2025年「べらぼう」の舞台は蔦屋重三郎が育った「吉原」とは。
【春町が酒上不埒に】「べらぼう」第22話ネタバレ。「小生、酒上不埒にて」。
皮肉屋の春町が考案した「作り文字」。
第22話では、恋川春町が独自に考えた「作り文字」が紹介されます。蔦重は何度も春町に会いに行き、仕事を依頼します。
しかし、春町は聞き入れませんでしたが、やがて心を開いていきます。そこで蔦重は春町に「皮肉屋の春町」で狂歌の依頼をするのです。
そこで生まれた「作り文字」。
例えば、それぞれの「つくり」に矢の文字が書かれていれば、
- 恋を失う。⇒「未練」
- 川を失う。⇒「枯れる」
- 春を失う。「はずす」
- 町を失う。「不人気」
てな具合です。このような字を使って新作をどうかと春町は蔦重に提案すると蔦重はつかさず「吉原がらみ」でと返します。
この着想に乗った春町は、次々に「作り文字」を思いついていくのです。
漢字遊びの青本「廓ばかむら費字盡(さとのばかむらむだじづくし)」の誕生
ただ春町が考えた「作り文字」は「小野篁歌字尽(おののたかむらむだじづくし)」という往来物をヒントにして書いたといいます。
そこで吉原がらみで出来上がったのが、漢字遊びの青本「廓ばかむら費字盡(さとのばかむらむだじづくし)」です。
吉原二文字屋できくたちと作り上げた「作り文字」。
春町は蔦重の提案で吉原の女郎屋を回り「作り文字」を書きあがていきます。そして、最後に紹介されたのはかたせ梨乃が演じる二文字屋でした。
きくやちどりたちと遊び半分で作り上げてのは…、
- 金編に死を書いて=やぼ
- 金編に生と書いて=つう
- 金編に無と書いて=むすこ
- 金編に番と書いて=おやじ
てな具合です。
そして、そのシーンがかたせ梨乃が演じる二文字屋「きく」のクランクアップのシーンでした。
⇒かたせ梨乃(キャスト)が大河ドラマ2025年「べらぼう」で演じる二文字屋の女将「きく」とは。
誰袖は策士か。
意知は松前藩が抜荷をしている証拠を探っています。
誰袖は男前の意知に身請けをしてもらいたいと思い、松前家の情報を意知に流すと言いますが、意知は断ります。
誰袖が言う、琥珀のような個別の品物だけを持ち込んでも、松前藩が抜荷をしている証拠にはならないと誰袖に伝えます。
すると、誰袖は松前道廣の弟で、家老の松前廣年に抜荷をやらせてみてはと提案します。すると意知はその案に乗るようです。
意知はしたたかに生きる誰袖を知って心を決めたのでしょう。
「よし、田沼意知と申す。見事抜け荷の証しを立てられた暁には、そなたを落籍いたそう」と。
誰袖と意知の心理戦。
田沼意知は花雲助として遊郭(吉原)に通う若衆です。そこで、「誰袖が色を使って情報を取る」シーンがあります。
それは、情報戦であり、隠された「盤上の将棋」なのです。
誰袖は、意知を色香で籠絡することを最初から選びません。むしろ意知に対しては、「私をただの花魁と思っては困りますよ」という含みのある態度を見せます。
これは自らを知性と情報を操る者として提示する布石です。さらに、意知が松前藩の動きを気にしていることを察知した誰袖は、
「噂程度でよければ、お耳に…」と情報提供を匂わせ、だが核心には触れません。代わりに「一夜の約束」をちらつかせて、情報と身体を等価に天秤にかけるような素振りを見せていました。
これは単なる色仕掛けではなく、”私は身体だけでなく、言葉と沈黙で売る”という誰袖の高等戦術なのです。
恐るべし策士「誰袖」の今後の行動が楽しみです。
⇒福原遥(キャスト)が大河ドラマ2025年「べらぼう」で演じる「誰袖」とは。
田沼意知の思惑。
田沼意知は父・田沼意次とはちょいと違い、「遊び」に対して強い警戒心を持っています。誰袖の微笑や仕草に揺さぶられながらも、視線はどこか冷静で距離を取っていますね。
彼もまた松前藩の抜け荷という不穏な情報を知りたいはずです。
つまり、意知は「この花魁は只者ではない」と理解しつつ、それでも「利用できるものは利用する」という冷徹な意志を滲ます。
誰袖が情報提供を「約束」し、意知がそれを得るという形で幕を引きますが、誰袖は自らの身体を差し出すことはありませんでした。
吉原は江戸の情報と策謀が交錯する舞台であり、花魁の誰袖が意知を利用し政の渦を操るキーパーソンとして本格始動しました。
⇒宮沢氷魚(キャスト)が大河ドラマ2025年「べらぼう 」で演じる田沼意知とは。
【春町が酒上不埒に】「べらぼう」第22話の主なキャスト。「小生、酒上不埒にて」。
綾瀬はるか | (役:語り) |
横浜流星 | (役:蔦屋重三郎) |
渡辺謙 | (役:田沼意次) |
宮沢氷魚(ひお) | (役:田沼意知) |
福原遥 | (役:誰袖=たがそで) |
桐谷健太 | (役:大田南畝=おおた・なんぽ) |
染谷将太 | (役:喜多川歌麿) |
岡山天音 | (役:恋川春町) |
脚本 | 森下佳子(前作:2017年おんな城主直虎) |
べらぼうに出演しているキャストの一覧はこちら。
⇒【豪華】キャストが出演する大河ドラマ「べらぼう」配役一覧。
【春町が酒上不埒に】「べらぼう」第22話の感想。「小生、酒上不埒にて」
22話は吉原を舞台に、蔦重の耕書堂に春町が「復帰」するくだりが中心に描かれ、かつて筆を折った男が再び創作の場に戻るというドラマ的快挙が鮮やかでした。
春町の「不埒」という言葉には、江戸文学らしい自嘲と開き直りの美学が込められており、そこに蔦重・歌麿の奔放さが重なることで、クリエイターたちの「江戸らしさ」が濃厚に香り立ちます。
幕政は、意次の息子である意知が吉原の場を利用して松前藩の抜け荷情報を得ようとしていましたね。
その政争に乗ったのが吉原の花魁・誰袖です。
女性の情報戦として描いた構成が秀逸で、花魁・誰袖が田沼意知に接近し、甘く妖艶に情報を「流す」展開は、色と策が交錯する江戸のリアリズムを体現していました。
リアリズムと言えば、蔦重が耕書堂で年末に行われた忘年会。私も現役時代の昨今まで社で関係者を集めての忘年会は恒例でした。
そのルーツは耕書堂にあったのかも知れません。
さて、今までの「べらぼう」のあらすじとネタバレそしてその感想の一覧はこちらからお読み下さい。
⇒大河ドラマ2025年「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」のあらすじ(ネタバレ)感想まとめ。
まとめ。
第22話はまさに吉原を舞台に「出版文化の光」と「幕政」が交錯していました。吉原では、蔦重や歌麿、春町らが生きる表現と自由の空間が広がる一方、
意知が行う幕政は、松前藩の抜け荷、密貿易を探り権力を握る田沼家が松前藩のお取り潰しのきっかけを作る策が描かれました。
両者の「交差点」に立つのが策士誰袖であることがより一層物語の深みにはまっていきます。
耕書堂の成長と松前藩抜け荷事件という文化と政の二重構造を巧みに描きながら、蔦重という一介の版元の物語が、いつしか江戸全体を巻き込む大きなうねりに繋がっていることを感じさせる構成でした。
春町の復帰、歌麿の画才、京伝の戯作の力が揃って「耕書堂」は文化工房となっていくのですね。それが、年末忘年会の演出です。
22話は、蔦重一人の成功ではなく、仲間たちの物語としての広がりが大きな魅力でした。今後、耕書堂が出版界の聖地である日本橋への進出へと踏み出すプロローグですね。
次週は第23話「我こそは江戸一の利者(ききもの)なり」です。
大河ドラマ俱楽部の管理人です。
NHK大河ドラマをこよなく愛し毎週楽しみに視聴しています。
ただ視聴するだけでなく「あらすじと感想」を紹介しています。
でもリアルタイムで見ることができない時は見逃し配信で見たり
時々は歴代の大河も視聴しています。
また、管理人の大好きな大河ドラマ出演者の他のドラマや映画を
まとめていますので見逃し配信と一緒に楽しんで下さい。
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