大河ドラマ2025年「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺」第12話「俄(にわか)なる明月余情」のあらすじ(ネタバレ)と感想をお届けします。
蔦重は午之助を説得し「太夫の直伝」を手に入れることができました。これで蔦重は富本正本に力を注力していくのです。
項目 | 内容 |
2025大河ドラマ | べらぼう~蔦重栄華乃夢噺 |
放送話 | 第12話 |
放送日 | 2025年3月23日(日) |
週タイトル | 俄(にわか)なる明月余情 |
視聴率 | 9.9%(先週比:0.3%) |
さて、今週の「べらぼう」はいかがでしたか…。14話「蔦重瀬川夫婦道中」で描かれた蔦重と瀬川の悲しくも辛い別れ。
瀬川は鳥山検校からの離縁状という愛を受け、蔦重と一緒になることを一瞬考えますが、それは蔦重の為にならずと吉原を出て江戸市中に消えていきました。
これも瀬川の愛なのですね。
前編のもう一人の主人公・小芝風花が演じる瀬川を「NHKオンデマンド」で。
「べらぼう」第12話「俄(にわか)なる明月余情」のあらすじ。
横浜流星 | (役:蔦屋重三郎) |
小芝風花 | (役:花の井=五代目瀬川) |
高橋克実 | (役:駿河屋市右衛門) |
安田顕 | (役:平賀源内) |
渡辺謙 | (役:田沼意次) |
綾瀬はるか | (役:語り) |
森下佳子 | 脚本(前作:2017年おんな城主直虎) |
昨年に続き吉原で行われる『俄(にわか)』祭り。その企画の覇権を巡り、大文字屋と若木屋らの間で戦いの火ぶたが切られました。
蔦重は、30日間かけて行われる俄祭りの内情を面白おかしく書いてほしいと平賀源内に執筆を依頼すると、「朋誠堂喜三二」はどうかと勧められます。
喜三二の正体は、かつて蔦重も会っていた(11話では会話もしました)、宝暦の色男とも呼ばれている秋田佐竹家留守居役のあの男です。
主人公は横浜流星が演じる蔦重こと「蔦屋重三郎」です。
蔦重が生まれ育った「吉原」とは。
蔦重は生まれ育った吉原で出版業の礎を作ります。ではその吉原が当時どんな役割をしていたか?現在の吉原とはちょいと違うようです。
「べらぼう」第12話「俄(にわか)なる明月余情」のネタバレ(吉原の蔦重)
安永5年(1776年)の夏に吉原で企画された祭りは十分な支度が調わず、午之助を招いたものの、吉原内の小さな催しに終わりました。
祭り催しのライバル達。
吉原の親父たちは今年の祭りはもっと盛大に行ってほしいと蔦重に言いつけます。そこに、駿河屋たちと対立する若木屋から文が届きました。
その内容は、8月の1ヶ月間「我」の祭りを行い、吉原を盛り立てようと書かれています。
前年、大文字屋が盛大な祭りを開こうとした時は、横やりを入れていた若木屋が、今年は自分の発案のような言いぶりで祭りの総代を務めようとしています。
文には、祭りに合わせて西村屋が「青楼我狂言尽(せいろうにわかきょうげんづくし)」という錦絵を売り出すことも書かれていました。
とありました。
若木屋に先手を打たれたことに、吉原の親父たちは腹を立てるのです。
祭りの戦いの火ぶたが切られる。
蔦重はある日吉原で、なじみの「秋田藩江戸留守居役の平沢常富」と顔を合わせました。
蔦重は、吉原が駿河屋や大文字屋らと、若木屋らの二組に分かれて対立していることを憂慮していると語ります。
しかし平沢は、祭りを盛り上げるには、対立は悪い事ではないと言います。「山王や神田も張り合うからこそ、どんどん祭りや山車が派手になったわけだし」
と言います。
これを聞いて蔦重は、祭りに参加して一番の出し物を見せつければよいと大文字屋に伝えます。そうすれば、
来年からは大文字屋の采配で…。
と言いますが、大文字屋は半信半疑です。
そこに平沢が顔を見せ、自分も手伝うと言うと、大文字屋は一転してやる気になりました。通人の平沢が味方なら百人力だと言うのです。
大文字屋は25両という大金を納めて正式に祭りの参加を申し入れ、祭りの覇権を懸けた若木屋との戦いの火ぶたが切られました。
「べらぼう」第12話「俄(にわか)なる明月余情」のネタバレ。蔦重の行動。
蔦重が源内に頼む。
蔦重は平賀源内を訪ねます。祭りの内情をおもしろく文章にまとめて欲しいと頼むのです。しかし…
源内はエレキテルを健康器具として売るのに夢中で戯作者の朋誠堂喜三二(ほうせいどう きさんじ)に頼めばいいと答えます。
朋誠堂喜三二は筆名で、その正体は平沢なのだと源内は言うのです。
朋誠堂喜三二(平沢常富)の活躍。
朋誠堂喜三二が書く青本は鱗形屋が売り、江戸で人気を得ていました。武士である平沢常富は、扶持以外に金を稼いではいけないために正体を隠していたのです。
蔦重は、耕書堂のためにも青本を書いてほしいと平沢常富に依頼しました。
平沢は、最初は渋ったものの、祭りの裏側をネタにしてはどうかという蔦重の提案に、ついつい乗せられてしまうのです。
蔦重の試練。
ある日、蔦重のもとに平沢から文が届きました。その内容は、務めが忙しくなったからと断りの内容でした。
蔦重は、鱗形屋が抱える戯作者である朋誠堂喜三二が耕書堂の本を書くことはできないのだろうと察するのです。
「べらぼう」第12話「俄(にわか)なる明月余情」のネタバレ。吉原の俄祭り。
俄祭りが始まる。
「俄(にわか)祭り」は吉原で毎年8月1日から晴天の30日間行われました。
この祭りは、吉原芸者や禿(かむろ)たちの趣向を凝らした出し物を中心として、吉原のメインストリート仲ノ町を練り歩くのです。
蔦重の熱意に影響された大文字屋が、“吉原に来ないと感じられない魅力”を作りだそうと考えたのが「俄(にわか)祭り」です。
その祭りがいよいよ始まり、江戸市中の人々が吉原に集まってきました。祭りの間は女子どもの出入りも自由で通行切手も必要ありません。
祭りの出し物。
吉原の人々は町のあちこちで出し物を披露しています。
出し物の一つに「曽我五郎時致と女朝比奈の山車だし」では、浄瑠璃語りの富本午之介の美声も響いていました。
午之介はこの安永6年正月に二代目豊前太夫を襲名しており、一層の人気を誇っていました。
祭りの終わりで「大文字屋と若木屋は」。
大文字屋は仲間を率いて雀踊りを披露しました。すると若木屋率いる一団も舞台に現れ、二組が別の振り付けの雀踊りで対決する形となりました。
観客はその二組の雀踊りを見て大いに盛り上がっています。祭りは皆で一緒になってやるもので、喧嘩をしたにしても一つになりますからねとある先生は言ってましたね。
祭り最後の日の“雀踊り”では、敵対する若木屋の扇子を大文字屋が持って踊る姿があり祭りを通して友情と言うか仲間意識が芽生えていました。
「べらぼう」第12話「俄(にわか)なる明月余情」のネタバレ。うつせみと新之助。
吉原祭りの最終日に「うつせみ」と「小田新之助」が再会。
祭りの最終日、雀踊りで連日対決してきた大文字屋と若木屋の一団が初めてともに踊り、吉原の大通り・仲の町を練り歩きました。
その姿に見物人たちまで踊り出します。「うつせみ」も松葉屋の二階からその祭りを眺めていましたが、街衆たちが花笠を持って一緒に踊ろうと誘います。
外に出た「うつせみ」は新之助の姿が目に入りました。新之助はうつせみの様子を蔦重に聞くなど一途に思い続けていたのです。
そんな彼女と祭りで再会できました。大勢の人がいるなか、うつせみをすぐに見つけられたのは、きっと二人の愛の強さですかね。
「うつせみ」は松葉屋の花魁「松の井」に「祭りに神隠しはつきものでござんす。お幸せに」と…
背中を押されて新之助に近づき、再会した二人は祭りの喧騒に紛れて大門をくぐり、吉原から姿を消していきました。
「うつせみ」と新之助はこのまま幸せな生活が待っているといいですね。
「べらぼう」第12話「俄(にわか)なる明月余情」のネタバレ。明月余情とその序。
蔦重のアイデア(明月余情)。
蔦重はこの熱気を本にしようと思いつきます。祭りは1ヶ月続くので、墨摺りの冊子ならば開催中に出来上がるはずです。
活気あふれる祭りの様子を「今から描きますか」と勝川春章を焚きつけます。
春章の手にかかるとどうなるか俺も見てぇし。先生が見たのを描いてくだせぇよ!
と春章をその気にさせます。
平沢常富が詫びたとき「序」を依頼。
祭りの日に、蔦屋に訪れた平沢常富は蔦重に青本の件を反故にしたことを詫びます。すると蔦重は間髪入れずに平沢に「序」を書くように頼むのです。
吉原内の町や遊女屋ごとの出し物が臨場感豊かに描かれた「明月余情」は、俄を詳細に記録した、これまでにない絵本でした。
こうして「明月余情」という冊子が出来上がると、祭りの記念にと飛ぶように売れたのです。
「べらぼう」のあらすじ(ネタバレ)感想の一覧はこちら。
明月余情「序」の解釈。
12話で描かれたように、「明月余情」は、吉原で行われた「俄祭り」を詳細に記録した書物で、大変な売れ行きでした。
この書の「序」を、戯作者の朋誠堂喜三二(平沢常富)が蔦重の依頼によって書きました。序の中に、喜三二は「亻(ひと)と我との隔てなく、俄の文字が調いはべり」と述べています。
これを現代風に解釈すれば、「人と自分との間に隔たりがなく、皆が一体となって楽しむ中で、俄(にわか)の本質が形作られる」
だと思います。
つまり「俄」は、観客と演者が一体となり、垣根なく共に楽しむことで、その魅力が最大限に引き出されるということです。
当時の祭りや芸能が、人々の心を一つにし、共同体としての絆を深める役割を果たしていたことを物語っています。
「べらぼう」第12話「俄(にわか)なる明月余情」のネタバレ(幕府内の出来事)
アバンで、寺田心が演じる「田安賢丸」が「松平定信」になりました。か行を抜いて話すという、
遊里(吉原)の言葉を読んでいましたね。
文章を書くときにわざわざ「か行」をいれて、ぱっと見意味不明にしておき、読むときには「か行」を外します。
そういう遊びを吉原でやってる、ふうん面白いな、って松平定信が感心するシーンがありました。
「べらぼう」第12話「俄(にわか)なる明月余情」の感想。
「べらぼう」前編のキーコンセプトは蔦重の「吉原を昔のようなにぎやかな場所にしたい」という熱い思いだと思います。
蔦重の熱い思いに対して、忘八たちも心打たれますが、吉原の街に対する愛情の根っこは同じだと思います。
その代表としてして12話で描かれたのが大文字屋市兵衛ですね。
「べらぼう」には大河ドラマ恒例の戦シーンはないので、今回の“雀踊り”は町内で行われる勇逸の合戦シーンです。
でもその勝敗はなく生まれたのは友情でした。女郎屋の争う姿は神様の導きのような活路が生まれます。
それは相手を倒すのではなく共に活きていくことなのです。その俄の幸せと粋な展開を12話で教えてくれました。
視聴者の感想。
引用:ヤッフーニュース
須原屋から教わった、引いて物を見る事ができるようになった蔦重。春章のライバル意識に火をつけ、謝罪に来た喜三二にすかさず序文を依頼する、抜け目ない商才も光ります。
芸術家をやる気にさせるテクニックは巧妙ですね。
西村屋の錦絵は静の美ですが、祭りと同時進行で作られる墨ずりの名月余情は、臨場感抜群ですね。
対して、鱗形屋が喜三二に土下座して蔦重から引き離そうとしたり、恐らく恋町にも蔦重の悪評を吹聴しているのは、その場しのぎで、自分が勝ち上がるためにライバルを引きずりおろそうとしているように見えてしまいました。
鱗形屋の本づくりへの情熱や粋なアイデアを活かせると良いですね。
まとめ。
エンディングで描かれた新之助とうつせみが吉原大門から去っていく姿を見て辛い吉原で生きてきたうつせみの幸せを願わずにはいられません。
先輩の花魁「松の井」が祭りには神隠しがあると言いうつせみの背中を押し粋な計らいをしました。
松葉屋から「うつせみ」の姿が見えなくなった時、女将の「いね」は捜索をするのでしょうか?それは野暮な考えですかね。
さて、次週は第13話「お江戸揺るがす座頭金」です。瀬以が再び登場しますが、とても辛い表情でしたね。
大河ドラマ俱楽部の管理人です。
NHK大河ドラマをこよなく愛し毎週楽しみに視聴しています。
ただ視聴するだけでなく「あらすじと感想」を紹介しています。
でもリアルタイムで見ることができない時は見逃し配信で見たり
時々は歴代の大河も視聴しています。
また、管理人の大好きな大河ドラマ出演者の他のドラマや映画を
まとめていますので見逃し配信と一緒に楽しんで下さい。
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